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「ThinkVision Pro2840m Wide」徹底検証――7万円台で“4K/60Hz”表示の28型ディスプレイこれなら4Kの世界へ手が届く?(1/3 ページ)

» 2014年06月22日 00時00分 公開
[榊信康(撮影:矢野渉),ITmedia]
ココが「○」
・4K/60Hz対応で7万円台の安さ
・28型ワイドの広い作業領域
・頑強で可動域の広いスタンド
ココが「×」
・TNパネルで上下の視野角が狭い
・画質の調整メニューが簡素
・光沢パネルは好みが分かれる

価格破壊の4Kディスプレイ、Lenovoからも登場

レノボ・ジャパンの4K対応28型ワイド液晶ディスプレイ「ThinkVision Pro2840m Wide」

 4Kテレビがなかなか好調に売れていると聞く。放送の環境も整っていないような現状だが、各種の映像補正機能によるHDコンテンツの高画質化や、近い将来の4Kコンテンツ普及に期待してのことなのだろう。高精細化に対する欲求の高さを思い知らされる。

 翻ってPC用のディスプレイはといえば、こちらも大いに賑わっている。数カ月前とは比較にならないほどの製品が登場し、今も新モデルが次々と発表されている状態だ。大手のメーカーも積極的に動いており、先日のCOMPUTEX TAIPEI 2014ではさまざまな企業が4Kディスプレイの新モデルを発表した。

 今回紹介する「ThinkVision Pro2840m Wide」もまた大手PCメーカーのレノボ・ジャパンが2014年5月に発売した4Kディスプレイだ。3840×2140ピクセルの4K表示に対応した液晶パネルのサイズは28型ワイドで、液晶の動作方式はTN方式となる。そのぶん価格を安く抑えているのが特徴であり、同社のWeb直販サイトで7万7760円(税込)という低価格を実現しているのは見逃せない。

差異化ポイントは60Hz対応とグレアパネル

 28型ワイドのTNパネルを採用した安価な4Kディスプレイといえば、以前にレビューしたデルの「P2815Q」と重なるが、価格以外に目を向けると両者の方向性は真逆といえる。

 まず大きく異なるのは、4K表示時にサポートするリフレッシュレートだ。P2815Qは信号入力のインタフェースに関わらず30Hz(1秒間に30回書き換え)が最大だったが、ThinkVision Pro2840m WideではDisplayPort/Mini DisplayPort(Ver.1.2)接続時に60Hz(1秒間に60回書き換え)での表示が行える。このため、P2815Qが苦手とした60コマ/秒の動画再生や、動きが激しいゲームなどの用途でも十分使用できるのだ。ちなみにHDMI接続は30Hz表示となる。

液晶パネルはフレーム部とシームレスにつながっており、表面は光沢仕上げとなっている

 もう1つ異なるのは、パネルの表面が光沢仕上げ(グレアパネル)になっていること。液晶ディスプレイのバックライトからカラーフィルターを通って表面に出てくる光が内部で拡散しないため、発色が鮮やかで黒も引き締まって見える。動画や静止画を表示すると、28型ワイドの大画面に、持ち前の高精細表示も相まって見栄えがよい。60Hz表示対応の特性と併せて、大きな強みといえる。

 ただし、ディスプレイ表面に外光が反射しやすく、ユーザーの姿や周囲の様子が映り込みやすいというデメリットも存在する。デルが非光沢仕上げのP2815Qで提案していた金融や経理、設計分野などで見られる「表示域の全面を余すことなく情報で埋め尽くすような用途」だと、ThinkVision Pro2840m Wideでは表面の映り込みが作業の妨げになり、目にかかる負担も大きいように思う。

 基本スペックは、輝度が270カンデラ/平方メートル、コントラスト比が1000:1(ダイナミックコントラスト比が300万:1)、応答速度が5ms、視野角が上下160度/左右170度、最大表示色が約10億7000万色(アプリケーション側の対応が必要)、色域がAdobe RGBの72%という過不足ない性能を有している。

 28型ワイドの4Kディスプレイということで、ドットピッチは約0.16ミリ、画素密度は157ppi(pixel per inch:1インチあたりのピクセル数)という計算だ。当然ながら、視聴距離が50センチ程度は離れると想定される28型ワイド液晶ディスプレイでは、このままの画素密度をドットバイドット表示で使うには細かすぎるので、OS側でスケーリングの設定を適度に拡大させて使うことになる。この点は他のPC向け4Kディスプレイと同様だ。

左が「200%」(192dpi)、右が「150%」(144dpi)の拡大設定。定規の目盛りから、表示の精細さを確認いただきたい。アイコンや文字の視認性を考慮すると、150〜200%のスケーリング設定が使いやすいだろう
左が「125%」(120dpi)、右が「100%」(96dpi)の拡大設定。100%の設定は「コンピューター」アイコンの横幅が7ミリ程度しかないため、50センチ程度の視聴距離では非常に細かい表示となるが、4Kの高解像度をフルに生かせる

Thinkシリーズ共通のデザイン、可動域の広いスタンド

画面を右回りに90度回転させての縦位置表示にも対応。4K対応で28型ワイド画面の縦表示は大迫力だが、視野角の狭さが気になりやすい

 ボディは黒一色で統一され、スタンドに付いた赤のケーブル止めがワンポイントとなっている。黒をベースとして、赤がワンポイントというカラーは、同社のThinkPadやThinkCentreとも共通しており、特にThinkPadユーザーは好印象を持ちそうだ。

 28型と大きく重いディスプレイ部をしっかり支えるため、スタンド、ベースとも造りは頑強だ。画面の位置調整は上25度/下5度のチルト、左右で各45度のスイベル、110ミリ範囲の昇降、そして画面を右回りに90度回転させての縦位置表示が可能と、設定環境に合わせて柔軟に対応できる。

 位置調整の動作はいずれもやや硬めだが、液晶ディスプレイ部の自重がそれなりにあるため、個人的にはこのくらいのほうが安心感がある。後述するが、視野角はかなり狭いので、しっかり調整したほうがよいだろう。

 ちなみに画面の昇降は、背面の2軸ヒンジを閉じることによって調整するユニークな機構を採用している。これにより、広い可動範囲に加えて、画面の位置を下げても前面に迫り出すことがなく、使い勝手がよい。かなり低い位置まで下げられるので、目、首、肩への負担が少ないとされる自然に見下ろす姿勢で利用できる(大画面なので、それでも表示領域の上部を見るときは、見上げる格好になりやすいが)。

正面から見ると、ブラックを基調としたシンプルなデザインだが、左下のThinkVisionロゴ、スタンドに配した赤のケーブル止めがアクセントになっている(写真=左)。背面にはThinkVisionとLenovoのロゴがあしらわれている(写真=右)
2軸のヒンジを採用したことで、上下のチルトだけでなく、広い範囲で高さ調整も可能だ。スタンドはスイベル調整と縦位置表示もできる。横から見ると、ヒンジの周辺部が薄くて少し頼りなく見えるかもしれないが、実際は28型ワイド液晶パネルをしっかり支えられる剛性がある
スタンド部を取り外せば、100×100ミリピッチのVESAフリーマウントに対応し、フレキシブルアームなどを装着できる(写真=左)。今回のテストでは、4K解像度の60Hz表示が可能なDisplayPort 1.2出力を備えた同社のスリムデスクトップPC「ThinkCentre M93p SFF Pro」を接続して使用した(写真=右)


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