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» 2014年06月27日 16時30分 UPDATE

本田雅一のクロスオーバーデジタル:「Surface Pro 3」の完成度と、Surface Mini?へ高まる期待 (1/3)

日本での発売が7月17日に迫った「Surface Pro 3」。一足先に米国のマイクロソフトストアにて、店員との会話を楽しみながらSurface Pro 3を試用してきた。

[本田雅一,ITmedia]

Surface Pro 3の米国版を使ってみた感じたこと

tm_1406_surfacepro3_01.jpg マイクロソフト純正のWindowsタブレット「Surface Pro 3」。日本では2014年7月17日に発売される予定だ。価格は個人向けモデルが税別9万1800円から(写真は国内発表会のもの)

 先日、ゲームイベントの「E3 2014」に参加するため、米ロサンゼルスに飛んでいた。滞在していたビバリーヒルズ地区にあるホテルから車で10分ほど、センチュリーシティにあるショッピングモール「ウエストフィールド」には、モール内の店舗としては比較的広々したマイクロソフトストアが出店している。センチュリーシティのウェストフィールドにはアップルストアもあるほか、かつてはLAエリアで最も大きなソニーストアがあった場所だ。

 ウエストフィールドに到着した後は、すぐに「Surface Pro 3」の調査(?)へと向かった。日本でも発表会が行われたSurface Pro 3だが、日本マイクロソフトの社内でも台数が不足しており、プレス評価用の貸し出し機材もなかったためだ。

 実はこの時点では、日本語キーボードとともに6月下旬には評価機が日本にも入荷すると聞いていた。ひとまずは“ハンズオンだけでもゆっくり”と思いながら店に入ったため、まったく機材の写真を撮影していなかったことが少し悔やまれる。その後、日本向けの評価機入荷が延期になったことを考えれば、このときに撮影しておけばよかった。

 それはともかく、店員との会話を楽しみながらSurface Pro 3を使い倒してきたので、Surface Pro 3日本版をレビューする前に、米国版でそのプレビューをお届けしたい。

スペックだけでなく、本当に使いやすいタブレット

 ご存じの通り、「Surface」シリーズはマイクロソフトが新しいジャンル、市場を確立するために自ら投資をしている製品だ。これまでのPCと異なるタイプのWindows機を……と思ったところで、そこに市場が存在しなければ、なかなか製品は出てこない。そこでSurfaceでWindowsとハードウェアの両方を開発・投入して地ならしをしようというわけだ。

 SurfaceはiPadに近い大きさ、重さのタブレット型端末ながら、テーブル上で自立するスタンドを持ち、スクリーンカバーにはキーボード機能を内蔵。さらにWindowsが持つ機能を備えるため、企業システムとの親和性も高い。すでにデスクトップ管理のシステムを導入しているなら、それをタブレット端末でも使えるなどの特徴がある。

 残念ながらWindows 8.x向けアプリは、iPadほどにはタブレットへの最適化が進んだものが出ていないが、それらもInternet Explorerがあれば、大抵は問題ない。各サービスの利用シナリオに沿って使い、それらへのフロントエンドとしてタブレットを使う、といった場合にはiPadのほうがよいが、PC代わりにはなりにくい面もあった。Surfaceは「PCではなくていいけれど、iPadだけでは困るときもある」という人にピッタリとはまる端末だった。

 これは“タブレットの形をしたPC”である「Surface Pro」でも同じだったが、iPadと同じように軽快に使えるというと、さすがに少々言い過ぎだった。重さもさることながら、厚みにしても“いかにもPC”なのだ。「まぁ、インテルのCoreプロセッサを搭載しているんだから、これぐらいはしょうがないよね……」と、利用者側の了解の上に成り立っていたタブレット端末と言うと、少々厳しすぎるだろうか。

 捉え方は人それぞれだろうが、筆者の場合はタブレットとして使うならば、Surface Proではなく「Surface」のほうがイイかな? と思っていた。「Surface Pro 2」で改善されたとはいえ、バッテリー駆動時間に物足りなさがあったことも1つの理由だ。初代Surfaceはパフォーマンスが低すぎたが、Surface 2に関しては十分な速度でしばらくは外出時のメイン端末として使っていたこともある。

tm_1406_surfacepro3_02.jpgtm_1406_surfacepro3_03.jpg 「Surface Pro 2」は第4世代Core i5と64ビット版Windows 8.1 Proを搭載する一方、本体サイズは275(幅)×173(高さ)×13.5(奥行き)ミリ、重量は約907グラムだった(写真=左)。「Surface 2」はARM系プロセッサとWindows 8.1 RTを搭載した限定的な利用シーンに限られるタブレットだが、本体サイズは274.6(幅)×172.5(高さ)×8.9(奥行き)ミリ、重量は約676グラムに収まっている(写真=右)
tm_1406surface_pro3_02.jpg 国内発表会でSurface Pro 3の薄型軽量をアピールする日本マイクロソフトの樋口泰行社長。本体サイズは201.3(幅)×292(高さ)×9.1(奥行き)ミリ、重量は約800グラムだ。Surface Pro 2から4.4ミリ薄くなり、107グラム軽くなった

 対するSurface Pro 3は、既存のSurfaceに不満を抱えていたユーザーが妄想したかのようなスペックを持っている。

 9.1ミリの薄さと約800グラムの重さ、それに約9時間のバッテリー駆動時間は、やや駆動時間が短めと言えるかもしれないが、12型の広視野角・高精細ディスプレイを持つタブレット端末として十分なスペックを持つ。「インテルAtomプロセッサ搭載のタブレットなら、まぁこのぐらいのスペックになるだろう」といった数字だ。

 しかしご存じの通り、Surface Pro 3にはインテルの第4世代Coreプロセッサが搭載される。最上位モデルはCore i7プロセッサに、最大512Gバイトのフラッシュドライブも搭載だ。加えてタッチパネル操作だけでなく、256段階の筆圧検出が可能なペン入力機能も備えている。

 ハイパフォーマンスが求められる用途から、ペンインタフェースを活用したメモ取り用途などタブレットらしい手軽さが求められる使い方まで、幅広く対応しながら、タブレットとしての軽快さを失わないフォームファクタに収めているわけだ。

 ただし、Surface Pro 3は単に高スペックなだけではない。もちろん高性能なほうがよいに決まっているが、使いやすさの面でも配慮がされている。

 自立させるためのスタンド(キックスタンドという)は無段階の調整が可能になり、マグネットで取り付けるキーボードカバーは、2段階に固定する独特の構造を採用した。これにより、膝の上などの不安定な場所でキーボードを使いたい場合でも、パームレスト部でしっかり本体を固定しながら使うことが可能になった。

tm_1406surface_pro3_04.jpgtm_1406surface_pro3_05.jpg Surface Pro 3はキックスタンドが「マルチポジション」仕様に進化した。このように画面を立てた状態から150度まで、柔軟な角度調整が可能だ

 “タブレットとしてのみ”使いやすい端末ならば、筆者は迷うことなく「iPad Airのほうがイイよ」と勧める。Surfaceシリーズに出番があるとすれば、それは“タブレットとしてもノートPCとしても”というときだろう。

 とはいえ、それもキーボード利用時の使い勝手が中途半端なら、イマイチ気乗りしないところだ。スペックは良好、しかし本当に使いやすくなければ、慣れ親しんだフォームファクタのほうがいいかもしれない。そんなことを考えながら、Surface Pro 3に触れてみた。

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