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ついに入手! 「Surface Pro 3」日本版を速攻レビュー本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/4 ページ)

» 2014年07月14日 15時00分 公開
[本田雅一,ITmedia]

ノートPCとしてのSurface Pro 3

 ノートPCとしてのSurface Pro 3については、前回の北米版インプレッションでも簡単に紹介したが、もう少しだけ掘り下げてみよう。

 まずタイプカバーの使い勝手だが、キータッチやキー形状などは日本語版になっても大きく変わってはおらず、おそらく第2世代のときと同じと推察される。キーボードバックライトの装備も変わりない。薄型キーボードでタイプミスを減らすための工夫(アイソレーションキーボード化など)において、対策が進んでいないことにはやや不満だが、しばらく使っていると慣れてきた。こればかりは好みだが、薄い画面カバーだと思えば作業性は悪くない。

日本版のタッチカバー。ENTERキーがやや細いが、アルファベットキーは均等ピッチを保っている。タッチパッドの大型化もポイントだ ※写真のマウスは別売

 なお、この世代からキーボードの根元を折り曲げて、タブレットの2つの面にマグネットで固定できるようになった。無段階で幅広い調整を実現したキックスタンドとともに、膝の上でも安定して使えるようになったことが、第3世代の売りでもある。「ノートPCの使い勝手とあまり変わりませんよ」というわけだ。

 実際のところ、膝の上でノートPC並に快適かと言われれば、「それはノートPCのほうがいいよね」と思う。確かにマグネットによる2面の固定により、手のひらでSurface Pro 3を安定させることが可能となるため、膝の上では絶望的に使いにくかった従来機よりもいい。この文書パートは膝の上で書いており、そこそこ行ける感じだが、過度の期待は禁物だ。キックスタンドの奥行きとキーボードの奥行きの両方が本体を固定する上で必要なので、やや窮屈な姿勢になることは否めない。

 机の上でタイプカバーを使う場合、このマグネットによる折り曲げ固定機構により、キーボード面が斜めに傾斜してタイプしやすいはず……と思ったのだが、ここはやや微妙だった。というのも、折り曲げた状態ではタイプカバーの裏が机上に接していないため、剛性の低いキーボードと同じようなたわみを感じてしまう。好みにもよるだろうが、机の上で使う場合は、平たくして机上面と接した状態で使うほうがよいだろう。

本体と2面で接続できるようになったタイプカバーと、可動域が広がったキックスタンドを組み合わせることで、膝の上でも従来機より安定する。しかし、机上ではタイプカバーを浮かせないで使ったほうがよいだろう

 なお、前回もリポートした通り、タイプカバーのタッチパッドは大幅に改良されている。一般的なノートPCのそれと、感触に大きな差異はない。マルチタッチは2ポイントまでの認識で、Webブラウズ時に一部をピンチで拡大したり、2本指でのスクロール、2本指タップでのマウス右ボタンなどの機能が使える(もっとも、“よい”というよりも“よくなった”が正しく、従来の応答性が悪かったのだが)。

 さて、ノートPCとして使う際に、従来のSurface Pro 2と比較して最も改善したのは、画面の縦横比というのが率直な感想だ。もちろん、高コントラストかつ高精細なIPS液晶ディスプレイも素晴しいのだが、12型ワイドで3:2というサイズが、ノートPC的に使っているときに快適なのだ。

 3:2という縦横比はライカ判の写真と同じだ。16:9よりも(横方向時に)縦長なのはもちろん、MacBookでおなじみの(そして数年前までWindows PCでも採用例が多かった)16:10画面よりも縦が長くなる。

 筆者はさらにタスクバーを常時表示かつ左に設定したが、縦方向の情報量が増えたことで、格段にデスクトップアプリケーションが使いやすい。もちろん、従来のSurfaceシリーズよりも画面サイズそのものが大きいこともあるが、感覚的には13型クラスのノートPCとさして変わらない。

 詳細なベンチマークテストなどは、製品発売後に順次検証が進むと思うが、Surface Pro 3をノートPCと区別して評価することが無意味と思えるほど、普通にノートPCとして使えている。SSDの容量に不満がなければ、プロセッサはCore i5モデルでも十分だ(マイクロソフトによれば、最も売れているのはCore i7の256Gバイトモデルとのこと)。

3:2画面の縦解像度を有効活用するため、タスクバーを常時表示かつ左に設定した。格段にデスクトップアプリケーションが使いやすくなる

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