8月30日、LGA 2011の後継となるハイエンドPC向けプラットフォーム「LGA2011-v3」に対応するCPUとマザーボードが一斉に発売された。
CPUはコードネーム「Haswell-E」に属する3モデルがラインアップされており、8コア16スレッド/標準3.0GHz動作の「Core i7-5960X」が12万円前後、6コア12スレッド/標準3.5GHzの「Core i7-5930K」が6万5000円から6万8000円程度、6コア12スレッド/標準3.3GHz動作の「Core i7-5820K」が4万5000円前後となる。いずれもDDR4メモリをサポートしており、GPU機能は内蔵しない。TDPは140ワットだ。サポートするPCI Expressのレーン数には上位の5960Xと5930Kが40、下位の5820Kは28と違いがある。LGA 2011-v3対応のX99チップセット搭載マザーとの組み合わせが前提で、従来のLGA 2011環境(X79マザー)とは互換性がない。
3モデルともに複数のショップがまとまった個数を入荷しており、次ページで解説するX99マザーとともに、アキバ全体で十分な数量が出回っている様子だ。TSUKUMO eX.は「初のDDR4対応ということで注目度が高いですが、価格的にもLGA 1150狙いの人が移行するという感じではないですから、購入層はLGA 2011ユーザーそのままという印象です。すると、過去のLGA 2011系のニーズから考えて、初回から潤沢に出回っていると言えると思いますね」と話していた。
ただし、潤沢との評価はCPUとX99マザーの話。対応するDDR4メモリは品薄が懸念されており、実際8月30日を前に先行買いするユーザーの姿が各ショップにみられた。先週金曜日の時点で、ADATAやAvexir、クルーシャル、コルセア、G.SKILLなど複数社のDDR4メモリが登場しているが、日曜日までに売り切れて再入荷待ちとなる製品が多かった。
1人あたりの購入制限を設けて対応しているパソコンショップ・アークは「発売解禁時はハイエンド構成を狙う人が多いので、マザーの8スロットを埋めるべく、DDR4キットはかなりの頻度でまとめ買いされます。CPUやマザーの数倍のストックがないと対応しきれないですが、現在はそこまでの数量が確保できないという状況ですね」と説明する。
とはいえ、供給不足の解消にはそれほど時間がかからないとの見方が多い。某ショップは「LGA 1150と比べるとパイが小さいですからね。需要自体は年末まで続くと思いますが、ラッシュ的なのはすぐに落ち着くでしょう。DDR4メモリの再入荷も週明けに予定していますし、9月前半には安定するんじゃないでしょうか」という。
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