富士通は同日、都内で新製品発表会を開催。同社が「ユビキタスプロダクト」と位置付ける個人/法人向けのPCとタブレット、NTTドコモが販売するスマートフォンとタブレットの新製品をまとめて発表した。
最初に登壇した齋藤邦彰氏(同社執行役員常務 ユビキタスプロダクトビジネスグループ グループ長)が、「本日は総力戦。新製品から富士通が相変わらず元気だと感じていただきたい」と述べるように、市場が異なるこれだけ多くの製品を一堂に会した発表会の実施は、同社として異例。厳しい市場動向の製品もある中、個々の機種にとどまらず、ユビキタスプロダクト事業全体としての成長戦略を強調する狙いが見て取れた。
齋藤氏は、国内市場の動向を「PC市場は個人向けが縮小傾向だが、法人向けはタブレットが急伸長している。スマートフォン市場はiPhoneのシェア拡大でAndroid勢が苦戦する一方、MVMOの急速な普及で多様化。クラウドサービスの本格普及、ウェアラブルやオートモービルなどIoT時代の到来、といった新たな潮流もある」とまとめたうえ、「厳しい局面も多いが、チャンスも多い」と意気込む。
2013年の同社セグメント別売上高では、ユビキタスプロダクトが1兆円以上で全体の22.4%を占める。齋藤氏は「実際にユーザーが触れる重要なセグメントで、他分野を支える位置付けにもあり、新たなデバイスの提供、新規領域の開拓を行うことで、ワークスタイルやライフスタイルの変革を促していく」と、その役割を述べた。
ユビキタスプロダクトの成長戦略は、設計から製造まで行える垂直統合モデルとデバイスのカスタマイズ力で顧客ニーズに幅広く対応する「既存領域」、スマートデバイスの積極展開でワークスタイル変革を実現する「イノベーション領域」、実証実験などを通じて新デバイスを提案し、社会的課題の解決に挑戦する「ソーシャルイノベーション領域」の3つに注力することで、「新たな潮流を捉え、世界中の顧客とともに進化する」と締めくくった。
続いて、竹田弘康氏(同社執行役員 パーソナルビジネス本部 本部長)が、国内のPC/タブレット市場動向を紹介した。
法人向け市場は、2013年度にWindows XPサポート終了や消費税増税を背景に大きく伸長し、2014年度も底堅い需要があり、今後も800万台規模の需要が継続すると予測。また、ワークスタイル変革の意識が高まり、Windowsタブレットが高い成長率で拡大していると指摘した。多くのPCメーカーが個人市場から法人市場へシフトし、市場競合が激化する中、「富士通の強みは幅広い顧客基盤、垂直統合、自社R&Dの総合力にある」とする。
個人向け市場については、PCの買い替えサイクル長期化により、出荷台数は縮小傾向にあるが、PC稼働台数は大きく減少せず、これまで通り利用され続けると予測。「今後さらに多様化するユーザーニーズに対し、技術革新に挑み続け、新たな体験をいち早く提供していく」と語った。
最後に登壇した高田克美氏(同社執行役員 モバイルフォン事業本部 本部長)は、NTTドコモが販売するAndroidスマートフォンやタブレット、フィーチャーフォンをまとめて紹介した。
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