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» 2014年10月17日 04時41分 UPDATE

林信行から見た最新OS Xの魅力:調和と美しさを追求した「OS X Yosemite」 (1/4)

OS X Yosemiteは、スマートデバイス時代におけるパソコンのあり方を再定義する歴史的OSになるはずだ。

[林信行,ITmedia]

無料提供だからこそできる、“量より質”のアップデート

 世の中のほとんどのソフトウェアは、アップデートで一番大事なのは機能の追加となる。店頭のパッケージとして販売する商品に対して、ユーザーにきちんと価値を感じてもらい、お金を支払ってもらうには、「最新版のソフトは、こんな機能と、こんな機能と、こんな機能もつけました。お得ですよ」とアピールする必要があるからだ。

 しかし、OS Xはこのルールに縛られない。なぜならソフトの流通はインターネット経由でMac App Storeを通して行なわれる。パッケージ代や流通、在庫のコストがかからないこともあり、アップルはこれを無料で提供する。だから、あえてお得感や機能の「量」で勝負をする必要がない。

 それでは、アップルはどこで勝負をするのかというと、相手によっては伝わりづらい「質」の部分がアップルの土俵となる。

og_yosemite_nobi_001.jpg フラットデザインを採用したOS X Yosemiteの新しいデザイン

 OS X Yosemiteには、実はたくさんの新機能が搭載されている。

 例えば、Finderでファイルを複数個選択後、歯車アイコンのメニューから「◯項目の名前を変更…」を選べば、名前を一括変換できてしまう。これはデジカメ写真などを大量に扱う人にとっては夢のような機能だろう。

 Finderでのカラム表示以外に、選択ファイルの詳細が表示できるようになったのも便利だ(Finderの「表示」メニューで「プレビューを表示」)。

og_yosemite_nobi_002.jpg OS X Yosemiteでは複数ファイルを選択したうえでかなり高度なファイル名一括変更が可能になっている。しかも、Finder機能なのでやりなおしが利くのもうれしい

og_yosemite_nobi_003.jpg Finderウィンドウに選択項目の詳細情報を表示する機能を追加。これまではカラム表示でしか、この表示ができなかった

 MailアプリもPDF校正ツールを呼び出して注釈が書き込めたり、巨大なファイルを相手の受信条件に関わらず、新規メールにファイルを添付するだけの簡単な操作で送ることができるMail Drop機能(送信時にファイルは自動的にiCloud Driveにアップロードされ、相手に届くメールでは添付した部分が自動的にiCloud Driveからのダウンロードリンクに差し代わる)。

og_yosemite_nobi_004.jpg 新規メールにPDFなどの画像ファイルを貼るとアイコンの上に下向き矢印が表示される。それをクリックすると別ウィンドウでPDF校正ツールが立ち上がるので赤線をひいたり指示を書き込んだりしてメールで送ることができる

og_yosemite_nobi_005.jpg Mail Drop機能を使えばiCloudのメールアドレスから最大5GBまでの添付ファイルが送れるようになる。添付書類はiCloud Driveにアップロードされ、相手にはこのようにダウンロードリンクだけが届く仕組みだ。このためOS X Yosemite以外のメールソフトでも受信できる

 国際線の飛行機、回りが寝静まった状態で一人仕事をするとき、周囲に配慮して画面を一番暗い状態にしたつもりでも、メニューなどを開いた際にその背景が白いため、一瞬、画面が明るくなってしまうことがある。ここで、新たに搭載された「メニューバーとDockを暗くする」モードを選べば、そんな心配もなくなる。

og_yosemite_nobi_006.jpg メニューの表示を暗くすることで、Macが不意に暗い部屋を照らしてしまうことを防いでくれる

 OS X Yosemiteを使い込んでいくと、そこかしこに小さな使いやすさへの工夫が散りばめられていることに驚かされるはずだ。

 だが、アップルは同社の公式ホームページで、あえてそうした機能1つ1つを取り上げることはせず、いくつかの大事な機能の紹介だけに絞っている。一番重要なことは「機能の追加」ではなく、同OSにアップグレードしたことで得られる「体験の心地よさ」の向上だという姿勢の表れだろう。

 もちろん、これまでのOS Xでも少なからずそういう側面はあった。しかし今回は特にMac単体での心地よさに加え「iPhoneやiPadと連携させながら、日々の生活の中で使う心地よさ」全般が向上したのが大きな特徴だ。

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