TSUKUMOが“いま”4Kモニタ対応モデルを投入したわけ聞いたら根が深かった(1/2 ページ)

» 2015年04月11日 08時00分 公開
[長浜和也ITmedia]

2015年4月に「4K対応モデル」が登場する理由とは

 TSUKUMOブランドを運営するProject Whiteは、eX.computerのラインアップで、「4Kモニタ対応PC」を4月になって用意した。2015年4月の時点でGPUにQuadro K2200を搭載したグラフィクスワークステーション「RA7J-A63/4KE」と、GeForce GTX 970を搭載するゲーミングデスクトップPC「G-GEAR neo 4Kモニタ対応PC GX7J-A63/4KE」を擁する。どちらも、工場出荷時にASUSTeKのディスプレイ「PB287Q」で4K解像度(3840×2160ピクセル)表示のテストを行っている。

4Kモニタ対応PCとして2015年4月に登場した「G-GEAR neo 4Kモニタ対応PC GX7J-A63/4KE」(写真=左)と「RA7J-A63/4KE」(写真=右)

 と、ここまで読んで「ん? なんでいまさら4K対応をわざわざ訴求するのか?」と疑問に思うユーザーがいるかもしれない。2014年にはGPUもディスプレイも4K解像度に対応した製品を個人ユーザーでも購入できる状況にあって、自分でグラフィックスカードとディスプレイを用意して4K環境を活用しているユーザーも少なくない。

 そういう、「あたりまえ」となってきた4K対応をわざわざ訴求するラインアップをどうして2015年の4月に投入したのか。Project White 商品企画部課長の壇特教遵氏によると、2014年の春にユーザーから「4Kディスプレイと接続するとPCが起動しなくなる」という問い合わせが増えてきたことがその理由と語る。

Project White 商品企画部課長の壇特教遵氏

確実に動かない組み合わせがあった

 Project Whiteで検証を行ったところ、“特定”のディスプレイと“特定”のGPUの組み合わせを“DisplayPortで接続”すると、PCが起動しない現象が再現した。「PCとディスプレイの通信がうまくいかず、(マザーボードの)POST表示もできない、BIOSにも入れない、そして、タイムアウトになってリブート。この繰り返し」(壇特氏)

 不具合が再現したことで、Project Whiteは「4Kモニタ対応モデル」をユーザーに提供することを決定した。GPUとグラフィックスカードベンダー、そして、ディスプレイベンダーのそれぞれは、“4K対応”といっても、それを組み合わせると不具合が発生する。エンドユーザー、特に法人ユーザーと直接かかわるeX.computerとしては4Kに確実に対応できるモデルを自分たちで検証してユーザーに提供しなければならない。

 壇特氏たちは、そのための検証作業を2014年の夏から始めた。用意したディスプレイは8台、グラフィックスカードも20種類を集めた。20種類のグラフィックスカードのそれぞれを8台のディスプレイに接続して検証し、問題が発生するとその解決のためにほかの組み合わせの作業が停滞する。検証で見つかる問題の原因は1つではなく、グラフィックスカードごとに異なっていたという。

 あるケースでは、同じ型番のグラフィックスカードを2枚用意して、1枚では問題なかったもののもう1枚で不具合が発生。原因は、グラフィックスカードのVBIOSだった。VBIOS起因の不具合はほかにもあって、別のケースでは、問題がなかったグラフィックスカードでVBIOSのバージョンを上げたところ不具合が発生し、その解決のためにさらに新しいVBIOSをグラフィックスカードベンダーに用意してもらうこともあったという。

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