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» 2015年04月24日 14時00分 UPDATE

鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:新しいMacBookで話題の「USB 3.1 Type-C」はWindows PCをどう変えるか? (1/4)

「USB-C」の採用により、未来を少し先取りした感のある「新しいMacBook」。この新インタフェースで今後のWindows PCやスマートデバイスはどう変わるのだろうか?

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

あらゆる機器をケーブル1本でつなぐ「USB 3.1 Type-C」の可能性

 4月10日に日本でも販売が開始されたアップルの「新しいMacBook」が好評だ。

 MacBookにユニボディを採用して以来初となる3色のカラーバリエーションで展開し、浅いストロークながら打ちやすさに配慮したキーボード、「Force Touch」と呼ばれる感圧センサーに機械式フィードバックを備えた新しいトラックパッドと新機能を盛り込み、さらにMacBook ProやiMacではすでにおなじみの「Retinaディスプレイ」を搭載するなど、非常に興味深い製品に仕上がっている。

 そして、この新しいMacBookで最も注目したいのは、ヘッドフォンを除く端子を「USB-C」と呼ばれるポート1つにすべて集約したことだ。今回はアップルが他社に先駆けて採用したUSB-Cこと「USB 3.1 Type-C」に注目し、今後のWindows PCやスマートフォン、タブレット、周辺機器との関係および使い方にフォーカスする。

tm_1404_win10J_5_01.jpg 「新しいMacBook」は、ヘッドフォン出力を除き、USB-Cのコネクタが1つしかないという思い切った仕様で注目を集めている

新しいMacBookの「USB-C」はココがすごい

 昨年2014年9月に「IDF14 San Francisco」のリポートでも紹介したが、「USB 3.1(Gen 2)」という新規格では、最大10Gbpsの転送速度をサポートし、従来のUSB以外のプロトコルによるデータ伝送(例えばDisplayPort出力など)や、「Type-C」と呼ばれる裏表のないMicro USBサイズ大のコネクタ規格をサポートする点が特徴となっている。

 このType-Cでは最大100ワットの給電が可能な「USB PD(Power Delivery)」という仕様をサポートしており、従来のバスパワー給電で可能だった最大10ワットを大きく上回り、スマートフォンや小型タブレットだけでなく、大型タブレットにノートPC、大型の周辺機器までその多くをUSBケーブル1本で賄える。

 同時に非USBを含むデータ転送も行えるため、まさにケーブル1本で「ハブ」を介してすべての周辺機器を互いに接続し、およそ有線接続に必要なすべての要件を満たしてしまえるというメリットがある。

 それでは実際に、新しいMacBookのUSBまわりから見ていこう。MacBookは外部接続ポートとしてUSB-Cを1つしか備えていない。そのため、他のデバイスとの接続から本体の充電まで、すべてこのポート1つで賄う必要がある。

 MacBookを購入すると「29ワットのUSB-C電源アダプタ」と「USB-C充電ケーブル」が付属し、従来の「MagSafe」に代わって充電用として使うことになる。アップルでは近年、Wi-FiやBluetoothを組み合わせた無線通信で外部デバイスとのデータをやり取りする方向を目指しており、その意味では問題ないだろう。

tm_1404_win10J_5_02.jpg MacBookを購入すると「29ワットのUSB-C電源アダプタ」と「USB-C充電ケーブル」が付属し、これらを用いて充電を行う。磁石でスマートに着脱できる従来の「MagSafe」は残念ながら省かれた

 ただし、既存のUSB機器の利用やDisplayPortを介した外部ディスプレイへの出力、iPhoneやiPadへの充電を含む接続を考えれば、USBやThunderbolt(DisplayPort/HDMI)がないのは問題だ。そこで、変換アダプタやマルチポートアダプタを用いることになる。

 アップルのサポートページでの説明によれば、「USB-C - USB アダプタ」「USB-C Digital AV Multiport アダプタ」「USB-C VGA Multiport アダプタ」の3種類のアクセサリが用意されており、これでUSBを含む外部機器との接続が可能になる。

tm_1404_win10J_5_03.jpg 新しいMacBookのUSB-Cにつなぐ純正アクセサリとしては、「USB-C - USB アダプタ」(左)、「USB-C Digital AV Multiport アダプタ」(中央)、「USB-C VGA Multiport アダプタ」(右)の3種類が用意されている

 3月のMobile World Congress(MWC)で発表された「Nokia N1」というタブレット製品を除けば、現状でType-Cを標準採用した製品はMacBookしか存在しておらず、当然接続可能な周辺機器は出そろっていない。

 Nokia N1の場合は充電とPC接続のために「Type-A - Type-C」接続ケーブルが標準で用意されているが、MacBookの場合は付属品の「USB-C充電ケーブル」があるのみで、これでは本体充電以外の周辺機器を接続できない。

tm_1404_win10J_5_04.jpg MWC 2015で発表されたAndroidタブレット「Nokia N1」
tm_1404_win10J_5_05.jpg Nokia N1は下面にUSB Type-Cポートを備える。こうして見ると、何やらiPadの次世代機のようにも思えてくる……
tm_1404_win10J_5_06.jpg Nokia N1の付属ケーブルは「Type-A - Type-C」タイプのもの。PCやUSB充電ポートへの接続を主眼にしていることが分かる

 そこで純正アクセサリの「USB-C - USB アダプタ」を利用して、Type-Aのコネクタを持つケーブルを接続できるようにする。

 ただし、このままでは本体の充電が行えないうえ、貴重な外部出力ポートがUSB Type-Aのポート1つで埋まってしまう。そこで「USB-C Digital AV Multiport アダプタ」や「USB-C VGA Multiport アダプタ」の出番だ。このアダプタはUSB Type-Aに加えて、「USB-C」と「HDMI(もしくはVGA)」の3つのポートを備えている。これにより、MacBook本体の充電とUSB(Type-A)機器の接続、外部ディスプレイの接続の3つが同時に可能だ。

 注意点としては、USB(Type-A)はUSB 3.1(Gen 1)の5Gbps仕様になっていること(MacBook側のUSB 3.1がGen 1仕様なことが原因とみられる)、そしてイーサネット接続は別途USB変換アダプタを同ポートに接続してやる必要があることの2点が挙げられる。

 このUSB-Cポートは充電専用でデータを通さないようになっており、2つ以上のUSB機器を同時にMacBookに接続する場合にはアダプタをつないだうえで、別途USBハブを使ってポートを複数に分岐してやる必要がある。

tm_1404_win10J_5_07.jpg 純正アクセサリの「USB-C Digital AV Multiport アダプタ」を接続した様子。MacBook内蔵のUSB-Cに接続することで、充電用のUSB-C、HDMI出力、USB 3.1 Gen 1(最大5Gbps)の3つ端子が利用できる
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