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» 2015年06月15日 17時00分 UPDATE

鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:肝心の「Windows 10 Mobile」はいつ登場するのか?――Windows Phone購入前に知っておきたい問題点 (1/2)

マウスコンピューターが受注を開始したスマートフォン「MADOSMA」を皮切りに、Windows Phoneが再び日本でも利用可能になる。現状でのOSはWindows Phone 8.1 Updateだが、肝心の「Windows 10 Mobile」にはいつアップグレードができるのだろうか?

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

「Windows 10 Mobile」は秋までお預け

 次期OS「Windows 10」は、PCをはじめ、幅広いデバイスをサポートする。その中でも注目度が高いのは、スマートフォンや小型タブレット向けの「Windows 10 Mobile」だ。4月末に開催された米Microsoftの開発者会議「Build 2015」まで、「Windows 10 for phones and tablets」や「Windows Mobile 10」などの名称で呼ばれていたが、最終的にこの名前に決定した。

 マウスコンピューターが受注を開始したWindows Phone 8.1 Update搭載スマートフォンの「MADOSMA」を皮切りに、Windows Phone端末が日本で約4年ぶりに発売されることから、次期モバイルOSとしてのWindows 10が気になっている方も少なくないだろう。

tm_1406_win10J_1_01.jpg 6月18日に出荷が開始されるマウスコンピューターのWindows Phone 8.1 Update搭載スマートフォン「MADOSMA」。左が出荷状態のWindows Phone 8.1で、右がWindows 10の開発途中バージョンを導入したもの
tm_1406_win10J_1_02.jpg 6月初旬に開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2015のMicrosoftブースでは、MADOSMAを含むサードパーティ製Windows Phone 8.1端末がいくつか展示されていた(展示の札が「MADOSUMA」になっているのはご愛敬)。日本でもMADOSMA以外に、Windows Phone搭載機が増えていくことが予想される

 ただし、このWindows 10 Mobileは少々やっかいな存在で、PC版のWindows 10ほどすんなりアップグレードできないかもしれない。ユーザーが自力で直接アップグレード可能なPC版のWindows 10(for PC)に比べ、スマートフォン版のWindows 10 Mobileは「ROM」を用意するOEMや、それをチェックする携帯キャリアが介在するため、機種ごとに「OTA」(On The AirによるWi-Fi経由でのアップグレード)の提供時期にばらつきがあるほか、同じ機種でも対応する携帯キャリアの違いで提供時期が異なることが考えられるのだ。

 これは以前にも、筆者の持つAT&T版「Lumia 920」を例に紹介した通りだ。Microsoftでは「Windows 10の発売は7月29日」としているが、これはPC版の話で、Windows 10 Mobileについては「MicrosoftがWindows 10 Mobileの製品版イメージをいつOEM各社に提供できるのか」「それを受けたOEM各社がどれだけの期間でユーザーにOTAできるイメージを用意できるのか」の2つの要素が絡み合っており、いつ入手できるかはまさにMicrosoftとOEMの双肩にかかっている。

 Windows 10 Mobileの提供時期は2015年後半と言われているが、NeowinがOEM向け資料のリーク情報として6月10日に報じたところによれば、「Windows Mobile skus will be available late next quarter.(Windows MobileのSKUは次の四半期の終わりに提供される)」との文言があり、これが第2四半期に用意された資料であることを考えると、「第3四半期の終わり」になる可能性が高いという。NeowinではWindows 10 Mobileの提供開始が「9月末」になると予測している。

 ただし、これはMicrosoftからOEMに向けた資料のリークということで、前述の「MicrosoftがWindows 10 Mobileの製品版イメージをいつOEM各社に提供できるのか」のタイミングを意味している。となると、OEM各社がOTA用のイメージを用意できるのはさらに少しの時間を要するだろう。

tm_1406_win10J_1_03.jpg 筆者の「Lumia 920」にプレビュー版の「Windows 10 Mobile Insider Preview」を導入した状態のスタート画面。一見するとWindows Phone 8.1と違いはないが、さまざまな改良がなされている

 Microsoftは、こうしたWindows Phoneアップデートの時間差によるユーザーのストレスを解消すべく、「Project Milkyway」という新しい仕組みを推奨しており、最新のOSアップデート提供から4〜6週間以内に、それをエンドユーザーのデバイスへ届けることを目標に掲げている。

 つまり、Windows 10 MobileのOTA開始が最短で10月上旬だとすると、10月前半〜11月後半くらいまで提供時期の差が生じる見込みだ。ある関係者の話によれば、Windows 10 Mobileのプリインストール要件はかなり厳しく設定されており、特にOEM各社からリリースされるデバイスについては、条件が比較的緩和される来年2016年以降までは登場する数が限られると予想される。

 そのため、当面はWindows 10 Mobile端末は市場投入されず、Windows Phone 8.1端末を「アップグレード提供タイミングまで8.1状態で利用する」ことになる。現在、Windows Phone 8.1 Update搭載スマートフォンのMADOSMA(マウスコンピューター)が受注を開始している(出荷は6月18日)が、少なくともOTAが順次開始されるとみられる今秋までは「8.1の状態」で使い続けることになるだろう。これは、今後日本でも順次投入されるであろう、すべてのWindows Phone端末で共通だ。

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