OS X El Capitanで、もう1つ大胆に進化したのが、iPhotoを置き換える形で単体登場したアプリ「写真(Photos)」の融合だ。
個人的に使ってみてまず感じたのは、パフォーマンスの大幅な向上。アップルは、アプリの起動速度が40%高速化したことしかうたっていないため、筆者の個人的な環境でのみ起きている現象かもしれないが、OS X Yosemiteでは、アプリの動作が遅く、必要な写真をメールに添付したり、ディスクに保存しようとしてもダウンロードの途中で止まりエラーが出てしまうことが多く困っていた。
これに対してOS X El Capitanではこれがなくなり、「写真」でサムネイル表示された写真を普通にダブルクリックして拡大表示したり、ディスクに保存したり、ほかのアプリように書き出したり自在に使えるようになった。これはそう使えて当然、ということが実現しただけのことに過ぎないが、そうなって初めて「写真」取り扱い機能がOSに統合されたメリットを感じている。
例えば、先に紹介したメモなどにもボタンが用意されて、iPhoneで写真を撮影した後、何も操作せずとも数秒後には、その写真がメニューから選んで呼び出せるようになっていて便利だ。
すでに最初のバージョンから、写真の向きの微調整や明るさ、コントラスト、ホワイトバランスの修正、写真に写っている余計なものを消す修正機能やフィルタ機能など、写真レタッチの基本機能を一通りそろえていた同アプリだが、OS X El Capitanからは、他社製のフィルタなども追加できるようになり、それらのフィルタを組み合わせて使うこともできるようになる。
もはや、他社製の写真加工アプリを買わなくても、OS標準機能だけで、ほとんどの写真加工のニーズを満たしてしまったのは正直すごい。もちろん、アップルがここまでやってくるからこそ、2015年で25周年を迎えるPhotoshopなどのアプリは、プロフェッショナル用のさらに先進的な機能の開発に勤しむことができる。
ちなみに「写真」アプリで進化したのは、写真レタッチだけではない。関連する写真を複数選択して、まとめて位置情報の追加や修正をしたり、タイトルや日付、時間などの情報を一括修正する機能も用意された。
写真に写っている顔を認識してまとめてくれる機能もiPhotoから継承されているし、Macが日々増え続けるデジタル写真を統合的に管理し、写真の楽しみを増幅してくれるパソコンとして進化した、とまで感じさせてくれるアプリであり、OS X El Capitanのもう1つの目玉アプリに挙げていいだろう。
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