次世代OS Xは人気アプリキラー!? 林信行のOS X「El Capitan」世界先行レビュー(後編)「El Capitan」の魅力を徹底解説(5/6 ページ)

» 2015年06月26日 12時07分 公開
[林信行ITmedia]
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日本語ユーザーには残念なSpotlight

 OS X El Capitanを使っていて強く実感するのが、これらの頻繁に使う標準アプリの進化も含め、とにかく細かい部分の改良の積み重ねだ。

 例えば、液晶ディスプレイの高画素密度化に伴い、デスクトップ上で小さ過ぎるカーソルを見失ってしまうことがたまにある。そんなとき、OS X El Capitanではトラックパッドで激しくカーソルを振ると、振っている間だけカーソルが巨大化して見つけやすくなる。細か過ぎてどこで紹介したらいいのかわからないので、ここに書かせてもらったが、そのときの動きのアニメーションがあまりにも気持ちよくて、用もないのにカーソルを振り過ぎてしまいたくなるあたり、いかにもアップルらしい作り込みだ。

 しかし、あまりにも細かな機能ばかり紹介していてもしょうがないので、この辺りで、OSの本質的な機能について触れよう。

 まず1つ、非常に残念なのが、今回のOSで筆者が最大の目玉と感じたSpotlight関連の機能は、日本語を使っている限り、ほぼ恩恵が受けられないこと。

 英語圏では、Spotlightで好きなスポーツチームのリアルタイムの成績や、現在の天気、株価、そしてマップ検索に対応した公共交通機関の経路、Webビデオや検索結果トップ項目など、従来のMacのストレージに入っている情報だけでなく、多種多様な情報が簡単に文字で呼び出せる(ということは、いずれMacにもSiriが搭載されれば声でも呼び出せる)ようになっている。にも関わらず、「これくらいは大丈夫だろう」と思う株価や天気程度の情報さえ日本語には一切対応していない。

 いや、この程度の情報ならWebの検索でカバーできるので、それほど残念ではない。英語圏のユーザーを見てさらにうらやましくなるのが「昨日、作業していた書類」や「予算というキーワードを含む先週作っていたプレゼンテーション書類」といった自然な言葉でのファイル検索をする機能だ。これらの機能は活用できるシーンがとても多そうなのに、残念ながら日本語には対応していない。

日本のユーザーに恩恵があるのは検索窓をドラッグして自由に移動できるようになったことくらいしかない。正式版のリリースに期待

 Spotlight関連の改良で、日本で恩恵が受けられるのは検索窓がドラッグして自由に移動できるようになったことくらいで、この点は非常に残念だ。アップルが横浜にオープンするという研究機関では、こうした日本語解析や使い勝手の部分の研究をしてくれるのか、と勘ぐりつつ来年以降のOSに期待してしまった。

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