“ゼロハリ教授”竹村氏によるスマートウォッチ考察は、前編で江戸時代の旅人が使ったという携帯ガジェット(日時計+方位磁石+矢立+そろばん)の話を挟みつつ、1984年に登場したセイコーインスツルの“腕コン”や1998年に登場した「Ruputer」といった「第一世代」を紹介しながら、スマートフォンがブームと衰退を繰り返す理由を考えた。
後編は、「腕コン:第二世代」「腕コン:第三世代」を紹介しながら、いまの第三世代が「ただのブームではなく文化」になるために必要なことを竹村氏に考えてもらった。
徹夜でオフィスに泊まり込んだ“2000年問題”も何事もなく終わった2001年から2004年は、なぜか大手ICT企業が突然スマートウォッチ市場に参入してきた時期だった。
2001年には私(竹村氏)が企画と開発に直接関わり、IBMが「WatchPad」(Linux腕時計)を試作している(WatchPadは後日別な形で市場に登場する)。2002年にはPalm PilotでPDA王国を作り上げたPalm OSを導入した腕時計「Fossile WRIST PDA」を米国の腕時計界の雄であるフォッシル社が発売した。
そして、2003年にはNTTドコモがPHS通信機能搭載の腕コン「WRISTOMO」(リストモ)を発売する。さらに、2004年にはMicrosoftが主導していた“SPOT”コンセプトに基づく腕時計「Swatch Paparazzi SPOT Watch」をSwatchが発表した。この2001年〜2004年を「腕コン第二世代」としよう。
2010年に登場したソニーエリクソンの“LiveView”と、それから4年を経てGoogleが腕コンの共通コンセプトとして“Android Wear”を発表した。2014年にはLGの「G Watch R」など、多数のAndroid Wearに準拠した対応モデルが発表となり、2015年のApple Watchに至っている。このように、常に急発進と急停止を繰り返し、「腕コン・第三世代」を迎えることとなった次第だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.