USB Type-CとThunderbolt 3の“紛らわしい関係”をIDF 2015で整理する「USB PD」の詳細は? (1/3 ページ)

» 2015年08月25日 11時30分 公開

 2014年のIDFで簡単な紹介で終わっていた「USB 3.1 Type-C」の規格だが、2015年春に深センであったIDF ShenzhenやMicrosoftのWinHECでは具体的な実装や展開について踏み込んだ説明が登場するようになり、ついには、Appleから本体搭載のインタフェースとして「USB-C」だけを搭載した「MacBook」が登場するに至っている。そして6月のCOMPUTEX TAIPEI 2015でIntelは、このType-Cのコネクタと互換性を持つことでUSB通信も可能にした「Thunderbolt 3」を発表した。今回は、IDF 2015の技術セッションで明らかになった最新情報をもとに、新しいインタフェース規格を整理し、最大100ワットの給電が可能な「PD」(Power Delivery)規格を紹介していこう。

USB Type-Cは従来とはまったく異なるUSBのコネクタ規格で、薄さ的にはMicro-Bに近く、コネクタ形状も裏表なくどちら向きでも挿入できる

Thunderbolt 3も従来とは異なり、USB Type-Cと同じコネクタ形状を採用しているが、速度的にはUSB 3.1(Gen 2)の4倍にあたる40Gbpsでの通信が可能だ

USB Type-CとThunderbolt 3を基礎から整理する

 充電に機器同士の接続と、PCやスマートフォン、そして、タブレットにUSBは欠かせない存在となっている。USBは1990年代後半の登場から現在まで進化を続けており、最大10Gbpsでの通信が可能なUSB 3.1(Gen 2)が登場することになった。

 USB 3.1では大幅な拡張を施している。特に新たに採用したコネクタ規格である「Type-C」では、USB以外のプロトコルでの通信も包含的に可能な「Alternate Mode」を採用し、従来まで5ボルト×500ミリアンペア=2.5ワットに制限していた給電(バスパワー)が最大100ワットまで可能になる「PD」(Power Delivery)をサポートするなど、USBケーブル1本さえあれば、あらゆる機器同士の接続が可能となりつつある。

 Type-Cではスマートデバイスの普及に合わせて「小型機器でも利用可能な薄型コネクタを採用し、ケーブルそのものの耐久性も向上する」ことも目標になっている。近い将来には、Type-Cのコネクタを搭載していれば簡単に機器同士を接続して給電からデータ通信まですべてできるようになるだろう。

 こうした状況で登場したのが「Thunderbolt 3」だ。Thunderboltはもともと高速な入出力インタフェース規格として発表しており、最近ではDisplayPortの規格を取り込んでAppleのMac製品各種での採用が大きく進んでいる。

 従来までは独自のコネクタ形状を持っていたが、Thunderbolt 3ではコネクタ形状としてType-Cを採用し、「USBケーブルを差せばUSBポート」「Thunderboltケーブルを差せばThunderboltポート」として、上位互換での挙動が可能となっている。特に「Active」なThunderboltケーブルを用いることで、最大40GbpsとUSB 3.1に比べて4倍の通信速度を得ることができる。もちろん広く普及を目指したUSBに比べればコスト高ではあるものの、少なくともPCや周辺機器(ストレージなど)の上位機種での採用を想定していると関係者は考えている。

ThunderboltはもともとDisplayPortのプロトコルも包含しており、Thunderbolt 3の世代ではDisplayPortの出力ポート形状もUSBと同様になる。これに充電が可能なPD(Power Delivery)の規格も合わせれば、充電からデータ通信まであらゆる機器の接続がUSB Type-Cで行えることになる

 なお、この記事ではUSB 3.1以降で対応した新しいコネクタ規格を「Type-C」と表記しているが、Appleでは同規格を「USB-C」と表記しており、別物のような印象も与えている。実際のところ、(USB-CがUSB 3.1 Type-Cの規格に完全に準拠しているかという意味で)両者が完全に同じものかは断定できないが、ここでは実質的に同じものとして扱っていく。IDFの資料を見ても両者の表記が混在しており(Appleに直接関係ない話題でもUSB-Cと表記している)、ほぼ同義語として区別なく使っている関係者も少なくないようだ。

 このあたりの経緯と詳細な解説については、過去のリポートでも紹介している。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月14日 更新
  1. きょう発売の「MacBook Neo」、もうAmazonで割安に (2026年03月11日)
  2. 新品は絶滅、中古は高騰──「令和にMDを聞きたい」と願った筆者が、理想の再生環境を整えるまでの一部始終 (2026年03月13日)
  3. M5 Max搭載「14インチMacBook Pro」がワークステーションを過去にする 80万円超の“最強”モバイル AI PCを試す (2026年03月13日)
  4. セールで買った日本HPの約990gノートPC「Pavilion Aero 13-bg」が想像以上に良かったので紹介したい (2026年03月11日)
  5. 12機能を凝縮したモニタースタンド型の「Anker 675 USB-C ドッキングステーション」が27%オフの2万3990円に (2026年03月11日)
  6. 3万円超でも納得の完成度 VIA対応の薄型メカニカルキーボード「AirOne Pro」を試す キータッチと携帯性を妥協したくない人向け (2026年03月12日)
  7. ワコム上位機に肉薄? 10万円で18.4型4K! 高コスパ液タブ「GAOMON Pro 19」の長所と弱点 (2026年03月13日)
  8. 高音質・良好な装着感・バッテリー交換式――JBLのフラッグシップ「Quantum 950 WIRELESS」は妥協なきヘッドセットか (2026年03月12日)
  9. 「MacBook Neo」を試して分かった10万円切りの衝撃! ただの“安いMac”ではなく絶妙な引き算で生まれた1台 (2026年03月10日)
  10. 10万円切りMacが17年ぶりに復活! 実機を試して分かったAppleが仕掛ける「MacBook Neo」の実力 (2026年03月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年