ネットワークカメラのベストチョイスとなるのが「Safie」だ。正確にはこれはセキュリティサービス全体の名称で、カメラの型番としてはエルモの「QBIC CLOUD CC-1」という製品になる。撮影データを最大7日間に渡ってクラウド上に保存し、スマホなどで外出先からの閲覧を可能にするという、完全なクラウド型の製品だ。
一般的なネットワークカメラの場合、本体のメモリカードもしくはNASなどにデータを保存し、外出先からそれらを見る場合はルーター越しにログインする。それに対して本製品はデータそのものをWi-Fi経由でクラウドにアップロードし、スマホでアクセスして視聴する仕組みになっているので、自宅のルーターのポートを開けるなどの設定が必要ない。とにかくアカウントさえきちんと登録しておけば、後は映像がアップロードされる。単純明快だ。
また、一般的なネットワークカメラの多くは動体検知が働いたシーンだけを保存する仕組みで、動体検知が働かなかった微妙な動きは後から確認のしようがないが、このサービスは24時間×7日の全映像を丸ごと保存したうえで、タイムライン上で動きがあった部分にのみマークを付ける仕組みなので、非常に分かりやすく、プレイバックもしやすい。「カメラが動作しておらず見落としたのでは?」と疑わずに済むというわけだ。
パン&チルトにこそ対応しないが、170度の超広角レンズを採用しているため、部屋の端に設置するだけで部屋全体をカバーできてしまう。ナイトビジョン対応で暗い場所でもかなりはっきりと映るほか、CMOSセンサーも400万画素ということで、画質はこのクラスのネットワークカメラの中でも突出しており、かつ音声のクオリティも高い。
クラウドは月額980円の利用料がかかるが、カメラ本体は2万円前後と安いので、トータルでは非常にローコストな運用ができる。筆者は室内で使っているが、IPX4対応で屋外への設置が行えるのも利点だ。
過去に何台ものネットワークカメラを試してきたが、とにかく信頼性の高さはピカイチで、きちんと設定したつもりが録画できていなかったという、ネットワークカメラにありがちな、かつ致命的なトラブルが全くといっていいほどない。発売直後は搭載されていなかった、録画データをローカルに保存する機能も7月に追加され、ますます死角がなくなった。
個人的にはもう少しカメラらしくない形状の製品も欲しいところだが、ソリューションとしては満点で、もっと評価されていい製品だと感じる。
筆者はデジカメについては専門外で、ユーザーとしてもあまり特定の製品にもこだわりがないのだが、2015年に購入したカシオのデジカメ「EX-100」はなかなかのスマッシュヒットだった。あまりメジャーな製品ではないが、コンデジにして300ミリまでの光学ズームが可能、かつズーム全域でF2.8という明るさを実現していることが特徴の製品だ。
300ミリまでズームしてもF2.8をキープしているため、光量が十分でない場所での撮影に強く、また一般的なデジカメにありがちな、ズームアップ時の手ブレが劇的に少ない。もともとは筆者の趣味であるプロ野球観戦のお供にと購入したのだが、メーカーの新製品発表会であれば、会場の後方から壇上の人物や手に持った新製品をかなりのアップで撮影でき、かつ手ブレなどの撮影ミスがほとんど起こらないなど、取材などでも大いに活躍している。
このクラスでは最も売れていると考えられるソニーの「RX100」シリーズに比べるとボディは二回りは大きく、また重量も電池カード込みで約389グラムと少々ヘビーなのだが、F2.8という明るさや10.7倍ズームは同製品を圧倒している。
ネックなのはフォーカスがやや遅いのと、インタフェースが独特で階層の深いメニューを呼び出しにくいことだが、それでも前述の優位性の前には全てが許される。2015年の夏にリリースされた新製品「EX-100F」はマイナーチェンジにとどまったので、2016年こそはフルモデルチェンジによる小型軽量化に期待したいところだ。
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