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» 2016年03月18日 06時00分 UPDATE

“ザ・ビギニング”アルファテスト体験リポート:2016年、IBMの「コグニティブ・コンピューティング」が実現するVRMMO「ソードアート・オンライン」の世界 (1/3)

突如発表された日本IBMとのコラボレーション「ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM」。SAOの世界観を体験できる日本IBMの先進技術とは? “アルファテスト”と称したイベントの中身とは?――ちゃんとログアウトできたので、こうしてリポート記事を書けている。

[山口恵祐,ITmedia]

 「2022年。人類はついに――完全なる仮想空間を実現した」

 “ナーヴギア”と呼ばれるヘッドギア型VRデバイスを装着することで、視覚や聴覚、触覚、味覚、嗅覚といった人間の五感をシャットアウトし、仮想の五感情報を直接脳内に送り込んで仮想空間を体感させる――世界初のフルダイブ型VRMMORPG(仮想大規模オンラインロールプレイングゲーム)が実現し、これまでの“ゲーム”は過去のものとなった。

 「ソードアート・オンライン」(以下、SAO)は、そんな未来が現実と化した2022年を描く川原礫氏によるライトノベルだ。

「ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM」 「ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM」

 話のあらすじは次の通り。2022年に世界初となるVRMMORPG「ソードアート・オンライン」が発売され、約1万人のプレイヤーがゲームを開始した。ところが、開発者である茅場晶彦の思惑によってプレイヤーたちは仮想空間に閉じ込められてしまう。ゲーム内で死に至った場合は現実世界でも死亡するという過酷なルールの中、脱出する方法はSAOの舞台となる「浮遊城アインクラッド」最上部100層のボスを倒してゲームをクリアするのみ――。

 もともと、2002年頃からオンライン小説として著者のWebサイト上に公開されていた物語だが、2009年に商業作品として原作第1巻が発売されて以降、アニメ、マンガ、ゲーム、映画とメディアミックス展開が盛んに行われており、国内外問わず評価の高い人気タイトルとなっている。“VR”という言葉をSAOで知ったという人も多いはず。

 2016年に入ってから、「Oculus Rift」や「PlayStation VR」「HTC Vive」といった一般向けVRヘッドマウントディスプレイ(VR HMD)の発売が直近に控えているということもあり、VRというワードをさまざまなメディアで目にする機会が多くなってきた。

PlayStation VR 先日、価格と発売日が発表された「PlayStation VR」

 ただし、現状のVR HMDは「ヘッドマウントディスプレイ」と言う名の通り、ユーザーの視覚をゴーグルによって物理的に遮断し、視点に連動する映像をユーザーに見せることで没入感を演出しているにすぎない。SAOに登場するフルダイブ型VRマシンとは根本的に仕組みが異なるのだ。とはいえ、世界中の開発者が目指す、そしてプレイヤーが夢見る本当のVRは、SAOの世界観そのものであるといっても過言ではないだろう。Oculus VRの創業者であるパルマー・ラッキー氏も、過去にロサンゼルスで開催された「Anime Expo」にOculus Riftを出展した際、デモコンテンツとしてSAOを選ぶほどだ。

 SAOの世界観を実現するために立ちはだかる壁は、VRデバイスの問題だけではない。美麗なグラフィックを持つマップや数万人レベルのユーザーを同時処理するパフォーマンス、そして感情豊かなAIで自然言語処理が可能なNPC(Non Player Character)など、作品を見ればこれまで以上に高度なプロセスをこなす処理性能が必要であることは一目瞭然だ。

日本IBMがSAOとのコラボを発表、世界中で話題に

 そんな中、日本IBMが2016年2月23日に突如としてSAOとのコラボレーションを発表した。詳細は伏せられていたため、SNS上では「これはやばい!!」「これ本当なの?本当ならこれ革命だよ!?というか最初にIBMが名乗り出るとは………全くの予想外」「鳥肌がたったよ」「俺はビーターになる」と、誇大気味ではありつつも大きな話題を呼んだ。

 筆者も同日に公開された映像を見て興奮した内の1人だが、冷静に内容を読み取れば、フルダイブ型VRマシンが完成したというわけではなく、作品の世界観をIBMの先進技術を利用して再現するものということが分かる。映像の中にも、VR HMDであるOculus Riftを装着する女性が登場している。

 特設ページで公開されているイベントのイントロダクションは以下の通りだ。

2016年春。ソードアート・オンライン創生の秘密が、ついに紐解かれる――。

フルダイブ型VRMMOゲームにおいて必要絶対条件である要素――それは、高度なAI技術と最新の負荷分散ネットワーク技術。

2016年。天才プログラマー・茅場晶彦が思い描く革新的次世代ゲーム<<ソードアート・オンライン(SAO)>>は未だ理論に留まり、その開発は行き詰まりを見せていた。しかし、ある企業のとある技術との出会いによって、状況は大きく変化する。

IBMが提唱する次世代のコグニティブ・コンピューティング・システムと高性能クラウドサービス「SoftLayer」。

ふたつの技術が茅場の開発を劇的に進歩させ、ついにプロトタイプの完成にこぎつけた……。

そしてついに、<<SAOアルファテスト>>の実施とテスターの募集が始まった――。

 つまり、SAOのプロトタイプはIBMの技術を使って2016年に生み出されていたという設定で、今回はそのプロトタイプを使ったアルファテスト(と称したイベント)を実施するというものだ。イベントは3月18日から20日の3日間、抽選で選ばれた208人の一般ユーザーが都内某所に招待されて行われる。応募総数は10万件にも上り、当選倍率は500倍にもなったという。

「次ページでゲームの内容に触れるため、イベントに参加予定の方で事前に内容を知りたくない方は、ぜひ体験終了後に読んで頂けたら幸いだ」

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