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» 2016年06月10日 06時00分 公開

乳幼児のママを寝不足から救う「スマート靴下」 別室の赤ちゃんもモニタリング

[橋本沙織,ITmedia]

 数時間おきの授乳に、おむつの交換……忙しく子育てをする親にとって、寝不足は万国共通の悩みだろう。

 実は筆者も1カ月前に娘を出産し初めて育児に奮闘中、特に夜間に睡眠時間を確保することの難しさを痛感している。そんな中、わが子の検診で先日小児科を訪れた際、ドクターに「あるデバイス」を勧められた――。

赤ちゃんの健康状態をモニタリング 別室にいても安心

「Owlet」。赤ちゃんの足に履かせて使う

 それが、「スマート靴下」の「Owlet」。2015年10月に米Owlet Baby Care社から発売されたデジタル育児デバイスである。

 使い方は簡単。赤ちゃんの足に履かせて、スマートフォンに連携する専用アプリをインストールするだけ。靴下に内蔵されたセンサーが常時赤ちゃんの心拍数、酸素レベルを測定し、異常があればアプリに通知される。アプリは当初iOSにのみ対応していたが、先日Android版も配信を開始した。

 Owletには「ステーション」と呼ばれる丸型の小型照明が付いており、異常があればスマホアプリと同時にそちらも赤く光り知らせてくれる。

 日本の家庭では赤ちゃんと両親が同じ寝室で寝るのが一般的なのに対して、米国では生まれてすぐ赤ちゃんは自室が用意され、両親とは別の部屋で寝ることが多い。わが家も後者で、授乳やおむつ交換のたびに赤ちゃんの部屋に足を運ぶわけだが、離れているとどうしても別室にいる赤ちゃんの様子が気になってしまう……。Owletは、こんな米国ならではの悩みも解決してくれる。

 Owletの靴下はセンサーを取り外せば洗濯ができる。3つのサイズが用意されているため、赤ちゃんの成長に応じて選ぶことができ、生後およそ18カ月になるまで使用可能。充電式バッテリーで稼働し、フル充電には数時間を要する。毎日、常時使用したいなら複数購入する必要があるだろう。

 価格は249USドル。OwletのWebサイトでのみ購入可能で、発送対象地域は米国とカナダ。残念ながら現時点では日本への発送は行っていないが、順次他国への発送も検討するという。

赤ちゃんの健康に悪影響を与えない技術を採用

 冒頭で、筆者の通う小児科医が本製品を勧めてくれたと述べたが、Owletには赤ちゃんをモニタリングするために病院でも長年採用されている「パルスオキシメトリー」という技術を採用している。赤外線を使って測定するため、赤ちゃんの繊細な肌を傷つけることがないというメリットがある。また、ステーションと靴下間の通信にはBluetooth Low Energyを採用しているため、電磁波が赤ちゃんに与える悪影響の心配もない。

 従来の一般的なモニタリングデバイスと異なる点は、Owletは赤ちゃんに異常が生じたときのみアラートが通知されるので、ユーザーが常にデバイスとにらめっこしている必要がないことだ。Owletが作動している間は、親は安心して家事や睡眠をすることができるだろう。

 ちなみに、昨年は妊婦向けのプロダクトを開発するメーカーで構成されている組織、米JPMA(Juvenile Products Manufacturers Association)からもお墨付きで、今年のデジタル家電見本市CESではイノベーションアワードを受賞している。

 Owlet社は顧客からホームぺージに寄せられた「Owletは赤ちゃんの安全を保証するものか?」という質問に対して、「赤ちゃんの安全を守るのは両親の責任。Owletはその手助けをするもの」と答えている。確かに、どんな技術をもってしても両親の代わりに完璧な育児をしてくれたり、ストレスを100%取り除くことは不可能だろう。

 しかし、Owletのような「ちょっとした手助け」が両親の負担を軽減してくれることは間違いない。最新技術をうまく取り入れることで、自分一人の時間も、愛するわが子との時間もスマートに確保する。それが、現在の米国式の子育てなのだ。

ライター

執筆:橋本沙織、編集:岡徳之(Livit Tokyo)


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