AppleがMacの次期OS「macOS Sierra」と、iPhoneやiPad向けの次期OS「iOS 10」のパブリックβ版を公開しました。「Apple Beta Software Program」ページから登録すれば、正式リリース前のOSを試すことができます。
また、macOS Sierra、iOS 10、watchOS 3、新tvOSと、次期OSの特徴をまとめた日本語版プレビューページもそれぞれ公開中です。パブリックβ版をインストールする前に、どんな新機能が搭載されるのかチェックしましょう。
新macOSにもついにSiriが搭載されます。「軽井沢の天気は?」「ジャズのトップ10に入っている曲を聴かせて」などiOS版Siriで使えていた機能に加え、Macならではの指示も可能になります。
例えば、「ダウンロードフォルダにあるPDFを見せて」と、ファイル形式別に検索できるほか、保存場所を忘れた時は「今週開いた書類を探して」など期間を指定することも可能に。お気に入りのスポーツチームの試合や、Twitterのフィードの表示をSiriに頼み、それらをウィジェットのように通知センターに張り付けることもできます。
iPhoneでコピーした画像やテキストを、Mac上にペーストできるユニバーサルクリップボード機能は、まさしく欲しかった機能なので非常に楽しみ。AirDropよりもさらに利便性が上がりそうです。そのほか、使用頻度の低いファイルをクラウド上に保存することで、ストレージを最適化できる機能などが用意されています。
iOS 10は「これまでで最も大きなiOSのリリース」との触れ込みどおり、多数の新機能が搭載されます。
メッセージアプリでは、直筆のメッセージやステッカー(スタンプ)を送ったり、アニメーションで感情を表現できるようになります。またメッセージアプリ内でそのまま別のアプリを立ち上げ、支払いを済ませるなどのアクションが可能に。わざわざ別のアプリを立ち上げる必要がなくなります。
そして日本でもようやく、マップアプリでの乗り換え検索や運賃比較に対応します。駅の連絡通路まで表示されるようなので、他の無料ルート検索アプリと比べても利便性が高くなるかもしれません。
スマートホームへの対応も進みます。新しく「ホーム」アプリが誕生し、アプリを使って照明をつけたり、鍵を開けたりといった操作が可能に。
個人的には持ち上げるだけでスリープ解除できる機能も期待大。ホームボタンを押して通知を確認しようとすると、Touch IDでロックが解除されてしまい、仕方なく通知センターを開いて確認するという二度手間が地味に不便なので(私だけ?)、iPhoneを手にするだけでスリープ解除できるのは便利そうです。
macOS、iOSはすでに完成度の高いOSに「なってしまった」のですが、誕生して間もないOSの発展途上感を楽しめるのは、ガジェット好きとして一番の醍醐味(だいごみ)でもあります。Apple Watchはまさしく今がその時期。今度のwatchOS 3はかなりワクワク感のあるアップデートになりそうです。
まず使い勝手がかなり変わります。サイドボタンを押すとDockが立ち上がり、アプリをすぐに開くことができるようになります。iPhoneと同じように、画面下から上にスワイプすると、コントロールセンターからよく使う設定にすぐにアクセスが可能。
文字盤も新たに、ミニーマウス、アクティビティなどが追加され、スワイプですばやく文字盤を変更できます。ワークアウトの結果をダイエット仲間と共有したり、深呼吸アプリで心身をリラックスさせたりと、おもしろそうな機能も続々追加。
体に身につけるApple Watchならではの機能も少しずつ増えてきています。例えば、Macの自動ロック解除機能は早く試してみたいところ。Apple Watchをつけていれば、Macをスリープから復帰させるだけで、自動的にログインできます。サイドボタンを長押しして現地の緊急電話にかけられるSOS機能では、緊急電話だけでなく、緊急連絡先に非常事態の発生がメッセージされます。
新しいホームアプリでは、対応製品と連携させることで、Apple Watch上から照明の調節やインターホンの確認、エアコンの温度をチェックすることも可能に。
2016年はiOS、watchOSでホームアプリの追加、tvOSでHomeKitへの対応が発表されています。日本では関連製品がまだまだ少ないのが現状ですが、ソフトウェア面ではいよいよスマートホームへの本格対応が始まりそうです。
正式リリースの秋を待てない人は、macOSとiOSのパブリックβ版を試してみてはいかがでしょうか。
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