Windows 10にとって2回目の大幅アップデートとなった「Anniversary Update」。Windows 10 Mobileを搭載するスマートフォンにも8月16日(米国時間)以降、順次このアップデートが配信されている。
しかし、マウスコンピューターの「MADOSMA Q601」に適用すると問題が発生することが判明した。
発生する問題は、「Continuum for Phone」(以下「Continuum」)に関する不具合と、NFC機能に関する不具合の2つだ。
MADOSMA Q601はMiracastを利用したContinuumに対応している(参考記事)が、Anniversary Updateを適用するとContinuumが利用できなくなる場合がある。筆者も、ディスプレイによってContinuumを利用できたりできなかったりすることを確認した。
マウスコンピューターの平井健裕氏によると、この問題は本体(MADOSMA)側とディスプレイ側の解像度の組み合わせに起因することまでは判明しているという。現在、OSメーカーのMicrosoftと、チップセットメーカーのQualcommが詳細な原因を調査中だ。
Windows 10 MobileはOSレベルでNFCに対応しており、MADOSMA Q601の本体にはNFC Type A/B/F(FeliCa)の読み書きをする機能が備わっている。ところが、Anniversary Updateを適用すると、MADOSMA Q601にNFC対応機器やタグ・カードを近づけても一切反応しなくなる。OSの設定画面にはNFC関連の項目もあり、設定もできるのだが、いざ使おうとすると全く反応しないのだ。
平井氏によると、NFC関連の不具合の原因は特定できており、現在不具合解消に向けた調整を行っているという。
今回問題が発生した機能を使っていない場合は、Anniversary Updateを適用しても全く問題はなく、適用済みの場合はそのまま使って構わない。
しかし、問題が発生した機能が使えないと困る場合は、更新を当面の間見合わせる必要がある。既にAnniversary Updateを適用してしまった場合は、Microsoft純正の「Windows Device Recovery Tool」をPCにインストールして、MADOSMA Q601の旧バージョンのファームウェアをロールバックする(書き戻す)ことができる。ただし、本体内のデータが全て削除されるので、事前にバックアップを取るようにしよう。
現在、マウスコンピューターでは9月のアップデートでこれらの問題を解決すべく、Microsoftと共同で作業中だ。問題に関して何らかの進捗(しんちょく)があった場合は、マウスコンピューターのサポートサイトに更新情報が掲載されるので、チェックするようにしたい。
MADOSMA Q601で発生したAnniversary Updateに関する問題は、トリニティの「NuAns NEO」やVAIOの「VAIO Phone Biz」でも発生することが判明している。これら2機種では、問題が解決するまでの間、Anniversary Updateの配信を中止または延期している。
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