Macで小学生プログラマーを育てる大阪市の狙い

» 2016年08月30日 18時00分 公開
[井上輝一,ITmedia]

 子供たちの夏休みも終わりに近い8月20日と21日に、大阪市に2016年度から新設されたICT戦略室がグランフロント大阪で小学生向けのプログラミング教室を開催した。なぜ大阪市という大きな自治体が、プログラミング教室を開いたのか? 小学生はプログラミングをできるようになるのか? 現地で取材した。

講座は民間企業に業務委託 大学生のメンターがマンツーマン指導

教室には、生徒の他に大学生のメンター(講師)も多数おり、生徒が困った時などに親身に教える 教室には、生徒の他に大学生のメンター(講師)も多数おり、生徒が困った時などに親身に教える

 今回行われた講座は、大阪市ICT戦略室が小学生向けのプログラミングスクール企業であるシーエーテックキッズ(CA Tech Kids)に業務委託した形で行われた。上記写真の様子を見て、「おや、この形式はどこかで見たことあるな」と思っていたのだが、聞くとシーエーテックキッズはライフイズテックと兄弟校のパートナーシップを結んでいるという。どうりで見たことがあるはずだ。今回は小学生(小学3年生〜6年生)を対象にした講座だったが、9月には中学生向けの「Osaka City Programming Camp 2016」も開催される。こちらはライフイズテックが委託を受けるとのことだ。

 小学生向けのコースは「Scratchコース」「iPhoneアプリ開発コース」「Web開発コース」の3種類が用意された。参加者は50人のうち、34人がScratch、8人がiPhoneアプリ開発、8人がWeb開発を選んだという。講座に使用するPCは持ち込みもできるが、3240円でレンタルすることも可能。教室を見回すと、ほとんどの子はレンタルのMacBook Airを使用しているようだった。

Xcodeのストーリーボードで画面遷移を作っている様子 Xcodeのストーリーボードで画面遷移を作っている様子
分からないことがあればメンターのお兄さんやお姉さんがサポートしてくれる 分からないことがあればメンターのお兄さんやお姉さんがサポートしてくれる
子供との円滑なコミュニケーションのため、好きなものを椅子の後ろに貼ってもらっている 子供との円滑なコミュニケーションのため、好きなものを椅子の後ろに貼ってもらっている
そもそもローマ字の入力方法から。それでも子供たちはすぐに覚えてしまう そもそもローマ字の入力方法から。それでも子供たちはすぐに覚えてしまう
差し替える画像はGoogle検索で好みのものを探している子もいた。ググラビリティが試されるところ 差し替える画像はGoogle検索で好みのものを探している子もいた。ググラビリティが試されるところ

 子供によっては、ローマ字対応表を見ながら入力する程度にMacBook Airが初めてという習熟度だったようだが、多くの子は1日目に入力も慣れ、2日目には自分なりにプログラムを改造していた。

メンターのお姉さんにアプリの動作をチェックしてもらっている メンターのお姉さんにアプリの動作をチェックしてもらっている

地方のプログラミングの認知度はまだまだ

 大阪市ICT戦略室ICT戦略担当係長の山本早紀氏に今回プログラミング教室を開催した経緯を伺うと、「東京では民間のプログラミング教室が広く認知されつつありますが、一方で大阪などの地方では、まだまだ『プログラミングがどういうものなのか』というのが保護者の皆様に認知されていないのが現状です。そこで、少しでもプログラミングの意義をお子さん、保護者様ともに知って頂ければと考え、まずは大阪市という自治体がプログラミング教室を開きました」とのことだ。小学生向けのプログラミングと聞くと、2020年からのプログラミング必修化と関連した動きなのかと思うところだが「プログラミング必修化とは無関係で、偶然タイミングが重なりました」とのこと。また、今回の8月、9月のプログラミング教室から選出された優秀者は、大阪市が費用を負担して各企業のプログラミング合宿などに招待されるという。一回教室を開催して終わりなのではなく、見つけた才能を伸ばしていこうと支えていく姿勢は、形だけではない中身のある取り組みなのだと感じた。

アップル心斎橋でも小学生向けのSwiftプログラミング教室

 8月21日にアップル心斎橋でも似た取り組みが行われていた。こちらは、PCN大阪というプログラミングスクールを運営するアプリルの福嶋伸之氏と森巧尚氏が小学生に1時間でSwiftを教えるというもの。序盤のif文の説明などでは子供たちからやや退屈なオーラが出ていたが、アプリのコード部分を打っていいという段階になるとたどたどしくもキーボードを押し、自分なりに文字色の変更などをして楽しんでいる様子だった。

アプリル福嶋氏 アプリル福嶋氏
森巧尚氏 森巧尚氏
ある程度できあがったアプリのコードを一部変えるなどしていた ある程度できあがったアプリのコードを一部変えるなどしていた
やはり実践こそ楽しいものだ やはり実践こそ楽しいものだ

(取材協力:Apple)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月26日 更新
  1. 実売3万9800円でノートPCを3画面化! ソースネクストのデュアル拡張ディスプレイ「DGP-DMD1401」を試す (2026年09月25日)
  2. AndroidとChromeOSが融合した次世代PC「Googlebook」の実機を見てきた ――AI統合で何が変わるのか? (2026年09月25日)
  3. 新型「Mac mini」「Mac Studio」徹底レビュー! ローカルAIはついに“実用域”へ エージェントAIに事務仕事を任せて分かった驚異の進化 (2026年09月22日)
  4. なぜ競技用ゲーミングPCは光らない? HPSC久木留所長とマウス軣社長が語るアスリート支援の未来 (2026年09月24日)
  5. 「これはわれわれにとってのTGSだ」 ロジクールGが年に一度の旗艦イベント「Logicool G PLAY Tokyo 2026」を開催 熱気あふれる会場を現地レポート (2026年09月25日)
  6. ロジクールGの新型マウス「PRO X3 SUPERSTRIKE」や8K対応キーボード「PRO X2 RAPID」を見てきた (2026年09月24日)
  7. 12インチ「Surface Pro」と13インチ「Surface Laptop」に個人向けの第2世代が登場 Snapdragon X2 Plus搭載でメモリは最大24GBに (2026年09月24日)
  8. “Vision Pro級”のMR体験が約100gの軽量グラスで? 最新の「Meta VR Glasses」を試して分かった圧倒的な快適性 (2026年09月25日)
  9. 天空がCore Ultra 5を搭載した10.51型2in1ノート「TENKU Note Pro AI」を発売 (2026年09月24日)
  10. “AIスマホ”としての個性がより鮮明に 望遠カメラ刷新&AI処理が飛躍した「Pixel 11 Pro」 の実力とベンチマーク結果を検証 (2026年09月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー