「最新技術」「新提案」をいち早く――アイ・オーの新ブランド「PLANT」とは?「挑戦者」再来?

» 2016年11月10日 19時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 アイ・オー・データ機器は11月10日、新しい周辺機器ブランド「PLANT(プラント)」を立ち上げ、第1弾製品として無線LAN(Wi-Fi)ルーター3機種を11月下旬から出荷することを発表した。年内には、追加で無線LANルーター1機種と、無線LAN子機2機種を追加投入する計画だ。

 同社には、社名を冠した「I-O DATA」という揺るぎないブランドがすでに存在する。そこにあえて新ブランドを加える意図はどこにあるのだろうか。そして、新ブランドの第1弾製品を無線LAN製品としたのだろうか。

第1弾製品の「WNPR2600G」 PLANTブランドの第1弾となる無線LANルーター「WNPR2600G」

コンセプト:最新技術をいち早く届ける

新ブランドの説明をする平林朗氏 新ブランドの説明をする同社の平林朗氏

 英語の“plant”には、「苗木」という意味がある。新ブランドの「PLANT」には、最新の技術トレンドや新しい利用方法という「苗木」を、いち早くユーザーに届けて定着させるという意図が込められている。

 同社の事業戦略本部 企画開発部の平松朗副部長によると、最近は以下のような意見がユーザーから寄せられることがあるという。

  • 最新技術に触ってみたいが、安心して使える国内ベンダーの製品がなかなか見つからない
  • やりたいことがやれるシンプルな商品がほしい(使わないツールは不要)
  • これまでの市場にはない、面白い商品がほしい

 これらの声に応えるため、従来のI-O DATAブランドの製品よりも迅速に新技術・新用途の製品を投入するために作られたのが、このPLANTブランドというわけだ。

 「最新技術をいち早く」というと、同社には上級者向け製品ブランド「挑戦者」もある。PLANTブランドは、挑戦者よりもユーザーの間口を広く取って展開していく方針で、販路もI-O DATAブランドの製品と同様となる。ただし、今後の展開によっては、挑戦者ブランドに近い位置付けの製品も出てくる可能性もあるという。

「PLANT」ブランドの背景 「PLANT」ブランド発足の背景
I-O DATAとPLANTブランドの位置付け I-O DATAとPLANTブランドの位置付け

無線LAN機器から展開する理由:11acルーターの「穴」を埋めるため

 PLANTブランドの第1弾は、IEEE 802.11ac(以下「11ac」)対応の無線LAN機器だ。PCやスマートフォン・タブレットの11ac対応が進むにつれ、無線LAN機器の販売数に占める11ac対応機器の割合も向上している。そういう意味では「どこが『最新技術』を『いち早く』なの?」という声が挙がってもおかしくはない。

 しかし、その「11ac対応」の中身を見てみると話は変わる。11acでは、規格のオプションとして、電波に指向性を持たせてスループット(実効速度)を向上する「ビームフォーミング」や、同一周波数帯で複数端末と同時通信できる「マルチユーザーMIMO(MU-MIMO)」に対応している。

 だが、直近11ac対応機器の販売状況を見てみると、ビームフォーミング対応機器は過半を占めているものの、MU-MIMO対応機器はわずか6%しか対応していない(GfK Japan調べ)。同社はその“6%”に照準を当て、手ごろな価格のMU-MIMO対応機器をいち早く投入することで、PLANTブランドの認知を図ろうとしているのだ。

 なお、今回投入されるPLANTブランドの無線LAN機器のうち、MU-MIMOに対応するのはルーター3製品、子機1製品の計4製品となる。

11ac対応製品の販売状況 無線LAN製品の11ac対応比率は向上しているが……
MU-MIMO対応機器は少ない MU-MIMO対応機器は少ない。そこを狙ってPLANTブランドの無線LAN機器を投入
MU-MIMO対応製品は6製品中4製品 MU-MIMOに対応する製品は、6製品中4製品

 ここで気になるのは、I-O DATAブランドで販売している無線LAN機器とのすみ分けだ。今回のPLANTブランドの無線LAN機器は、I-O DATAブランドにおけるラインアップを“補完”する存在でもある。今後も、利便性・快適性を重視したI-O DATAブランドの無線LAN機器も継続して新製品を投入していくという。

I-O DATAブランドも継続 I-O DATAブランドの無線LAN機器は、今後も新製品投入の計画がある。発表会で提示された無線LANルーターのラインアップイメージでは、PLANTブランドの最上位モデルと中位モデルの中間に位置する新製品を計画しているように見える

PLANTブランドの展開:次は「0TB」のNAS

 PLANTブランドは、今後も順次展開していく。

 第2弾は、容量「0TB」のNAS、つまりストレージを自分で別途用意するタイプのNASとなる予定だ。I-O DATAブランドで販売している2ベイNAS「HDL2-AAシリーズ」がベースで、同社のNAS用の交換HDDを含む好きなHDDを組み込んで使えることが大きな特徴だ。本体は、ベース機種と同様に3年保証となる。正式な発表は、後日行われる予定だ。

 第3弾は、一体何が出てくるのだろうか……? 楽しみに待ちたい。

第2弾はストレージなしのNAS PLANTブランドの第2弾はストレージ別売りのNASとなる予定

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月14日 更新
  1. きょう発売の「MacBook Neo」、もうAmazonで割安に (2026年03月11日)
  2. 新品は絶滅、中古は高騰──「令和にMDを聞きたい」と願った筆者が、理想の再生環境を整えるまでの一部始終 (2026年03月13日)
  3. M5 Max搭載「14インチMacBook Pro」がワークステーションを過去にする 80万円超の“最強”モバイル AI PCを試す (2026年03月13日)
  4. 12機能を凝縮したモニタースタンド型の「Anker 675 USB-C ドッキングステーション」が27%オフの2万3990円に (2026年03月11日)
  5. セールで買った日本HPの約990gノートPC「Pavilion Aero 13-bg」が想像以上に良かったので紹介したい (2026年03月11日)
  6. 3万円超でも納得の完成度 VIA対応の薄型メカニカルキーボード「AirOne Pro」を試す キータッチと携帯性を妥協したくない人向け (2026年03月12日)
  7. ワコム上位機に肉薄? 10万円で18.4型4K! 高コスパ液タブ「GAOMON Pro 19」の長所と弱点 (2026年03月13日)
  8. 「MacBook Neo」を試して分かった10万円切りの衝撃! ただの“安いMac”ではなく絶妙な引き算で生まれた1台 (2026年03月10日)
  9. 高音質・良好な装着感・バッテリー交換式――JBLのフラッグシップ「Quantum 950 WIRELESS」は妥協なきヘッドセットか (2026年03月12日)
  10. JBL、高機能ノイズキャンセリング機能を備えたワイヤレスヘッドフォン「JBL Live 780NC」「JBL Live 680NC」発表 (2026年03月13日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年