人気プロ絵師による「Cintiq Pro 16」発売直前ガチレビューワコムの新型は天使? それとも鬼子?(1/9 ページ)

» 2017年04月18日 00時00分 公開
[refeiaITmedia]
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 「Wacom Cintiq Pro 16」(以下、Cintiq Pro 16)が発売されます。発表当時から、すでに表示品質では抜きんでていることが分かっている「Wacom MobileStudio Pro 16」(以下、MobileStudio Pro 16)ほど高額でなく、同等の圧倒的な4K表示が得られるものとして期待されながら、発売間際になってその4Kが簡単には得られないことが判明して騒ぎになった本機。実際はどうなのか、もしできないとしたらその価値は変わってしまうのか、Cintiq Pro 16は天使か、鬼子か……深くのぞき込んで解き明かしていきます。


 みなさんこんにちは、イラストレーターのrefeiaです。今回、ワコムの液晶ペンタブレット、Cintiq Pro 16をレビューさせていただくことになりました。発表時からとても興味を持っていた製品でしたし、イラストレーター仲間の中でも注目度が高いので、良い情報をお伝えできるようにがんばります。

 私は、9年ほど前にワコム「intuos 2」から「Cintiq 21UX」に移行して、ずっと液晶ペンタブレットでイラストのお仕事をしてきました。また、現行世代である「Cintiq 22HD」の使用経験あり、他社のワコムデジタイザ搭載のWindowsタブレット機や、「iPad Pro」なども所有しています。なので、ある程度の確かさをもってCintiq Pro 16を見ることができると思います。ついでにガジェットオタクなので最新機種を触るのはとても楽しみです。

 それでは、よろしくお願いします!

ワコム初の4K対応Cintiqは新フォームファクタ

 Cintiq シリーズは、21UXで大型化して以来、22、24、27型と、スペックを上げながら大型化を続けてきました。なので自分も大型=上位機と思い込み、「次は27型の4Kだな……」と勝手に想像していました。ところが、同社のWindowsタブレット「MobileStudio Pro」シリーズと同時期に発表された4K対応Cintiq は15.6型。いわばモバイルとデスクトップの中間のようなサイズでした。

 思い返してみれば、各社の液晶ペンタブレット、筆圧スタイラス付きタブレットPCやスマートフォンは、ざっくりと2つの群れに分かれていました。1つが13型以下の「モバイルの群れ」、もう1つが大型の「デスクトップの群れ」です。中間的なものがなかったわけではないですが、それほどでもなかったと思います。15.6型のCintiq Pro 16は、サイズのエアポケットのようなところに飛び込んできたわけです。

16型の液晶ペンタブレットは今までほとんどなかった

 Cintiq Pro 16が発表された当時、今まで大きい液晶ペンタブレットに慣れてきた自分は、「確かにすごいがこんなサイズでは無理だ、自分向けではないな」という印象を抱きました。しかしその後もずっとCintiq Pro 16とMobileStudio Pro 16が頭の隅に残ります。そして、「もしかしたら大きくないといけないのは錯覚で、自分も15.6型で行けるのでは?」「もし15.6型で済むならとても楽になるのでは?」と思い始めたのでした……。

 そこに降って沸いたレビュー依頼。なんということだ、危険すぎる(気に入ってしまったら買っちゃうので原稿料でカバーしても赤字じゃないか)などと思いながら、飛びつくようにお受けしたのでした。

 というわけで、読者の方にも、家用メイン機としてはもう少し大きいものが良いのではと思われている方も少なからずいらっしゃると思います。そのあたりを、以下で解き明かしていこうと思います。

とにかく軽快なセットアップ

 まずは、評価機と一緒にお借りしたドスパラ「raytrek debut! NUC-S7」と接続して、使える状態にしてみます。「raytrek debut! NUC-S7」とは、Intel NUCベアボーンキットのゲーマー向けモデルをベースに、ドスパラが「raytrek」ブランドで仕上げたものです。髑髏(どくろ)マークじゃないフェイスパネルも付属しているので安心(?)です。

PCとの接続は付属の Type-C ケーブルを差し込むだけで完了

 本当に楽です。以前の Cintiq シリーズだと、DVIコネクタを逆向きでゴリゴリと摩擦させたり、ネジ止めしたり、アダプタを噛ます必要があったり、またペン信号用のUSBを挿す必要がありました。それが今回は特にロック機構もなく、表裏も前後ろも関係ないUSB Type-Cケーブルをプチ、プチ、と差し込むだけです。電源入力は付属のACアダプタから別途挿す必要がありますが、これもType-C端子なので楽です。

 USB Type-C非対応PCの場合は、付属のアダプタ「WacomLink」を使用して接続します。PCからの DisplayPort信号とUSB信号を1つのType-Cポートに統合する小箱です。やはり手元が始末のよいType-C端子になっているのは美点だと思います。

付属のWacomLinkで、手持ちのPCのDisplayPortとUSBの信号を1本にまとめることができる

付属品や内蔵スタンドも優秀

 また、デスクに設置するタイプと本体にくっつけるタイプの2種類のペンスタンドが付属して、どちらもが、ペンを横または縦に置いたり差し込んだりすることができます。設置型のペンスタンドは替え芯ケースと芯抜き機も兼ねていて、しっとりとした描き心地のエラストマー芯と、サクサクとしたタッチで若干摩擦が大きいフェルト芯が付属しています。

 自分は摩擦が大きいものが好きなので、フェルト芯が好きです。使い終わった芯は、金属の土台の中央の穴に差し込んで斜めに引っ張るだけで気持ちよく抜けます。古い毛抜きタイプのしんどさを知っている身としては感涙ものです……。

ペンスタンドを開けると替え芯がストックされている

 内蔵スタンドも優秀です。普段は本体に埋め込まれていて、ワンタッチで引き出すことができます。角度は選べませんが、持ち上げられる高さに対してはとても安定感があって、描画の妨げになりません。人によっては別売のスタンドを買わなくても事足りると思います。

 そして自分の普段の利用スタイル「キーボードを少し潜り込ませながら左右に置く」に完全対応しているのもうれしいところです。このスタイルはお絵かき中も楽な姿勢で左手ショートカットを構えられ、その楽な姿勢のまま文章入力もフルスピードでできるので、便利でずっと続けています。腕を広げてタイプできるのは気持ちが良いです。半面、22型以上の横幅が広いタブレットへの移行を渋っていたのも、このスタイルのせいです。

ダブルキーボード、おすすめです

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