この秋、iOSに本格的AR・AI時代が到来(1/5 ページ)

» 2017年06月16日 20時46分 公開
[林信行ITmedia]

 先週のWWDC 17の基調講演、は「6つのトピック」から構成されていた。こう書くと話題が少なそうだが、実はそれぞれに数十の新発表が潜んでおり、全体としては膨大な情報量で、興味のある話題が他の情報に埋もれて見逃していた人も多いと思う。

 直前に書いた原稿ではハードウェア系の新発表を中心にHomePodとiPad Proについてレポートした。本稿ではiPhone/iPadの新OS、iOS 11のiPhone/iPad共通機能について取り上げる。


iOSを使った本格AR時代の幕開け

 この秋、iOS 11が無料アップデートとして登場する。iOS 11はiPhone以上にiPadを大きく進化させるが、iPad関連の変更点は直前の記事でまとめたので、そちらを参照してほしい。ここではiPhoneにも関係のある変更を中心にまとめた。

Appleの自慢は最新OSにアップデートしているユーザーの割合。Androidの7%に対してiOSは86%。だから開発者は安心して最新機能を積極的に最新OSの最新技術を採用できる

 iPhone 10年目に登場するiOS 11は、iPhoneとiPadを大きく進化させ、さらに用途を広げるOSになる。

 iPhoneの新たな活用として今後一気に増えそうなのがAR(拡張現実)、つまり現実の世界にiPhoneおよびiPadの情報や仮想オブジェクトを重ね合わせて表示する技術だ。Appleは開発者がこうしたアプリを開発しやすいように、机や床の表面やへりの自動認識などの基本機能をiOS 11に追加されたARkitという核テクノロジーとして用意する。

WWDCハンズオン会場で実際にARKitのサンプルアプリを試してみたところ

 WWDCで披露されたデモでは、iPhoneのカメラを机に向けると天板の面を認識してその上にデジタル立体映像のランプやカップを置くことができる様子が示された。カメラをかざす向きを変えると違う角度から見ることもできる。

 これまでiPhoneで一世を風靡(ふうび)したセカイカメラやポケモンGOでは、iPhoneを左右に動かした際に、合成している風景と映像に微妙な位置のズレが起きて仮想現実の夢から覚めてしまうことが多かったが、(掲載した映像では分かりづらいものの)実際に自分の手でiPadを持って眺めて見ると、合成映像が表示される位置はiPhoneを多少速く動かしてもズレなかった。まるで専用のVRゴーグルのように自然な動きだ。

 驚くのは、この自然な動きをiPhoneやiPadのカメラと、そのCPU、GPUそしてジャイロスコープなどのモーションセンサーだけで実現していることだ(つまり現行のiPhoneやiPadで利用できる)。

 特に上の動画の最後に紹介している「Wingnut AR」という開発中のゲームのリアルさはすごかった。テーブルの上にSF映画の戦場が再現されており、爆発などが起きると人が机のへりから下へと落ちていくあたりには最新ARの可能性を感じた。

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