この秋、iOSに本格的AR・AI時代が到来(3/5 ページ)

» 2017年06月16日 20時46分 公開
[林信行ITmedia]

すぐに恩恵を受けられるiOS 11の新機能

 続いて、対応アプリの登場を待たずともすぐに恩恵が受けられるiOS 11の新機能を箇条書き形式で挙げよう。

1)iMessage――iMessageがさらに使いやすく

  • iCloud同期:iCloudを経由してiPhone、iPad、MacのiMessageでのやりとりが同期されるようになり、新しいiPhoneに乗り換えても過去のやりとりが読めるようになった。また写真のやりとりなど過去の通信がクラウドにバックアップされ、本体に情報を保持しなくなることでiPhone内の使用メモリが少なくて済むようになる。
  • アプリドロワー:画像やスタンプなどを選ぶアプリドロワーが改良され、項目が選びやすくなる。
進化したiMessgeを通して、Apple Pay個人間決済が可能に。借りたお金は、相手もiPhoneユーザーならその場で返せる

2)Apple Pay――まもなく米国で50%の店舗が対応するApple Payが進化

  • 個人間での支払い:これまでの店頭支払い、アプリ内支払い、Safariブラウザ経由での支払いに加えて、iMessageを通して個人間でもお金のやりとりができるようになる(日本で利用できるかは現時点では不明)
  • Apple Pay Cash:受信したお金はApple Pay Cashという仮想のカードに蓄えられる。ここに貯められたお金は、さらに他の人に送金することもできれば、Apple Payでの支払いに使うことも、銀行口座に転送することもできる(日本で利用できるかは現時点では不明)

3)カメラ――年間1兆枚の写真が撮られるというiPhoneのカメラ機能

  • 新しい保存形式で容量節約:これまでiPhoneの動画はHD動画時代に誕生したH.264という圧縮技術を使って記録されていた。iOS 11では動画が4K解像度になったことを受け、新しいHEVC(High Efficiency Video Coding)方式に切り替えられ、容量が最大で半分ほどに収まり、iOS機器やiCloud上の使用容量節約ができる。静止画写真もHEIC(High Efficiency Image Format)という、やはり容量が半分ほどで収まる新方式で記録する。他の機器に送受信する際にはフォーマットを変換するので互換性が保たれる。
  • ポートレート撮影の強化:iPhone 7 Plusで採用されたポートレート撮影(背景をぼかして高級カメラで撮ったような味のある写真が撮れる)が強化され、画質向上したほか、暗い場所に強くなり、光学手ブレ補正機能がつき、TrueToneフラッシュにも対応し、HDR撮影にも対応した。
  • DepthAPI:ポートレート撮影はiPhone 7 Plusに搭載された2つのカメラを使って被写体の奥行きや形状を認識しているからだが、この認識した被写体情報を他の開発者も利用できるようになり、写真の自動切り抜きや合成を行うアプリを開発しやすくなる。
iPhone自慢のカメラで撮った写真。iOS 11では、その扱いがさらに進化しサードパーティーアプリからもiPhone 7 Plusのデュアルレンズカメラの被写界深度情報の利用が可能に(自動的に輪郭を切り抜くアプリなども簡単に作れる)。次の小さいiPhoneもデュアルレンズにしてほしい

4)写真――撮影した写真を記録する写真アプリも進化

  • メモリ:過去に撮影した写真を自動的にアルバム形式にまとめるメモリ機能では、新たにペット写真、#TBT(ThrowBack Thursday:木曜日に過去写真を投稿する流行)、スポーツイベント、パフォーマンス、アウトドア、夜遊び、結婚式、アニバーサリー、赤ちゃんの写真を自動的に認識してアルバムを作ってくれる。画面が縦横どちらの向きでも最適な状態でスライドショーを再生する。
  • ライブフォト:撮影前後のちょっとした動きが再現できる写真、ライブフォトも進化して余計な部分をカットする機能、静止状態で見せたい絵を援護フレームから選んで差し替える機能、音を消す機能、繰り返し再生機能、再生と逆再生による繰り返し、そしてライブフォトとして記録された映像を長時間露光写真に加工する機能が搭載される
前後それぞれ数秒の動きを写真と一緒に記録する「ライブフォト」。iOS 11では動画を元に長時間露光効果をかけることが可能に。撮影した渓流の写真がこんな風に変化

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