「iPad Proの日本語入力」がここまで快適に! JIS配列が加わったSmart Keyboardを試してみた(1/3 ページ)

» 2017年06月23日 06時00分 公開
[山口真弘ITmedia]

 「iPad Pro」用のアクセサリーである「Smart Keyboard」と言えば、画面を保護するカバーとしての役割も果たす、超薄型のキーボードだ。独自規格のSmart Connectorを使って接続するため、Bluetoothのようにペアリングの作業が必要なく、また充電不要で利用できることが特徴だ。

 もっともこのSmart Keyboard、従来は「US配列」のモデルしか用意されておらず、日本語を入力するユーザーにとっては、非常に「惜しい」存在だった。それが今回、「10.5インチiPad Pro」の投入に合わせて、「JIS配列」の日本語キーボードが追加され、Macとほぼ同じキー配列で、iPad Proでの日本語入力を行うことが可能になった。

 本製品が発表されたWWDC 2017(世界開発者会議)の直後には、Twitterで「JISキーボード」なる単語がトレンド入りしたほどで、まさに日本語を扱うユーザーにとって待望の製品だ。

 今回は、このJIS配列のSmart Keyboardについて、基本的な構造や使い方の他、実際に10.5インチiPad Proと組み合わせた場合の使い勝手をチェックしていく。なおiPad ProのOSは、本稿執筆時点での最新版となるiOS 10.3.2でテストを行っている。

Smart Keyboard 「10.5インチiPad Pro」にJIS配列の「Smart Keyboard」を装着した状態。2in1デバイスのような外見になる。なお、「12.9インチiPad Pro」向けのモデルも用意されている
Smart Keyboard 側面から見たところ。カバー部を三角形に折り返してスタンド代わりにする。チルト角度は変更できない
Smart Keyboard 背面から見たところ。安定性は高く容易には倒れない
Smart Keyboard Smart Keyboard本体を展開したところ

材質や構造などは従来のSmart Keyboardを踏襲

 製品の材質は、既存のSmart Keyboardと同様、iPad Proを覆ったときに外側に来る面にはスエード調の起毛素材が、キーボード面には防水性のある素材が用いられている。

 構造についても従来モデルを踏襲しており、iPad Pro底面のSmart Connectorと磁力で吸着させたのち、キーボード上部のくぼみに近づけるとこちらも磁力で吸着し、スタンド形状を維持したまま固定される。最初のうちは組み立て方が分かりづらく感じるが、ひとまずiPad Proと合体させれば、その後の折り曲げ方の選択肢は限られているので、すぐに覚えられる。

 組み上がった状態では、画面の角度を変えることはできないものの、安定感は非常に高く、容易に倒れることもない。またキーはいわゆるメンブレンタイプだが、薄型の割にはしっかりとした押し応えがある。さすがにノートPCのキーボードなどと比べると分が悪いが、その構造上、タイピング音がほとんどしないメリットもあり、携帯用の外付けキーボードとして実用性は高い。

 また本製品はBluetooth接続のようにペアリング作業は必要なく、接続するとすぐに利用可能になる。接続時にキーボードに「日本語 − ローマ字」がない場合、追加するようダイアログが表示されるので、うっかり別のキーボード設定のまま使ってしまうこともない。

 さらに利用時も、給電もSmart Connector経由で行われるため、Bluetoothキーボードによくある、うまく動作しないのがペアリングの問題なのか、はたまた電池切れなのか、原因が切り分けられずに困るといったこともない。非常に気が利いている印象だ。

Smart Keyboard 製品パッケージ。カラーバリエーションはなくこの濃いグレー1色のみ。もちろん従来と同じUS配列モデルも併売される
Smart Keyboard ラベルを見ると「Japanese」との表記があることから、JIS配列の日本語キーボードであると分かる
Smart Keyboard 取り出したSmart Keyboardの本体。このたたみ方で封入されている
Smart Keyboard iPad Pro底面のSmart Connectorに接続する。Bluetooth接続と違ってペアリングなどの作業は不要だ
Smart Keyboard 磁力で吸着する。かなりしっかりと固定され利用中に外れることはまずない
Smart Keyboard iPad ProとSmart Connectorを接続した後、キーボード上部のくぼみに取り付ける。こちらも磁力で吸着する
Smart Keyboard キーボードに「日本語 − ローマ字」がない場合、追加するようダイアログが表示される

 キーボードをたたむ際は、キーボード部、カバー部、iPad Proをいったん展開し、まずキーボード部、次いでiPad Proを内側に折りたたむ。組み立て時に比べると、こちらは迷うことは少ないだろう。

 完全に折りたたんだ状態では上面に段差ができてしまうのも、従来と同様だ。なお、本製品が覆うのは、iPad Proのディスプレイがある正面のみで、側面および背面は保護されない。これらを保護したい場合は、Smart Keyboardとの同時利用に対応した保護カバーを別途入手する必要がある。

Smart Keyboard たたむ際はキーボード部、カバー部、iPad Proをいったん広げた状態にする
Smart Keyboard まずはキーボードを内側に折りたたむ
Smart Keyboard 続いてiPad Proを上からかぶせるように折りたたむ
Smart Keyboard Smart Keyboardをたたんだ状態
Smart Keyboard 横から見たところ。キーボード部に段差ができる。またiPad Proの側面および背面は本製品だけでは保護されない
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