新型iPad Pro+Smart Keyboard Folio 文字入力にベストなのは12.9型と11型のどちら?11型と12.9型で使い勝手はどう違う?(1/4 ページ)

» 2018年12月28日 06時00分 公開
[山口真弘ITmedia]

 Appleの新型iPad Proに合わせて発売された、キーボードとカバーが一体になった「Smart Keyboard Folio」。前回は従来のSmart Keyboardとの違いや、11型と12.9型の共通点などを見てきた。今回は両モデルの違いを見ていく。

キー配列は一般的でキーストロークも十分

 Smart Keyboard Folioのキー配列は、従来の10.5型モデル(Smart Keyboard JIS用)と違いはなく、現行のMacBookなどと同じなので、MacBookユーザーならばスムーズに使えるだろう。漢字の変換候補をタブキーではなくスペースキー(または右矢印キー)で順に送る仕様に慣れることがポイントになる。

 キーのタッチ感は、軽く指を乗せた状態では反応せず、押すとしっかりと押し込まれるという、きちんとしたキーボードの作法にのっとった挙動だ。見た目がよく似た、シリコンタイプのキーボードとは一線を画している。表面はキャンバス地のようにザラザラしているのも、従来モデルと同じだ。

Smart Keyboard Folio キーボード面はナイロン素材で覆われており、かなりザラザラした手触り。最大のセールスポイントは約5mmという薄さと、それを感じさせないしっかりしたキーストロークを確保していることだ
Smart Keyboard Folio 従来の10.5型モデル(写真=下)との比較。キーの配列や機能は変わっていない。左下のcapsキーのように、キートップの印字が若干変化している部分もある。optionキー右上のアイコン形状が微妙に違うのも面白い

 キートップは中央部分がわずかにくぼんでおり、キートップが完全にフラットなアイソレーションキーボードに比べ、指を乗せやすいイメージだ。爪が長いとタイプしづらいのも、ノートPCのアイソレーションキーボードに近い。なお、キーピッチについては11型と12.9型とで異なるため、詳細は後述する。

 キーの形状について個人的に違和感を覚えたのは、上下/左右のカーソルキーだ。配列自体は一般的なのだが、左キーと右キーに挟まれた上下キーが1つのキーを二分割したサイズで、左右キーはそれぞれ他のキーと同じ形状という、現行のMacBookやテンキーなしのMagic Keyboardと同じ仕様だ。

 なぜ押しにくいかと言うと、これらのキーは高さだけだと他のキーと同じで、目視でないと判別しにくいからだ。かつてのMacBookのように、左右キーも上下キーにそろえた二分割サイズであれば、「ここが上下/左右キーなのだな」と指先の感覚で判別できるのだが、本製品はそうではないため、キーの識別が難しい。

 もともとiPad(というかiOS)はマウスをサポートしておらず、文章入力中に離れた位置にポインタを持っていくのに、カーソルキーを使う機会が多い。しかし本製品はこうした仕様ゆえ、毎回チラチラと手元を見ながら、“おそるおそる”押さざるを得ない。これはかなりクリティカルな問題で、むしろポインティングデバイスが使えない分、改善が急務だと個人的には感じる。

Smart Keyboard Folio Smart Keyboard Folioのキートップ。中央部分がわずかにくぼんでおり、指を乗せやすい
Smart Keyboard Folio 上下のカーソルキーは小さく押しづらい。「左」「右」のキーは他のキーと段差がなく、目視なしで判別が付きづらくなっている
Smart Keyboard Folio 「左」「右」のキーは、かつてのMacBookのキーボード(写真=左)のように高さが半分の方が、面積が狭いことによる押しづらさを差し引いても、指先での識別には役立つように思える

 とはいえ、全体的にはハイレベルにまとまっており、こういったタブレットに合体させるタイプの薄型キーボードによくある、タイプしたときの感覚でもうダメ、それ以前に配列がおかしくてもう合わない、といったレベルでは全くない。むしろこれだけ薄型でありながら、よくここまで作り込んだものだと思う。

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