2017年9月21日、VAIOのメインストリームラインである「VAIO S Line」のリニューアルが発表され、受注が始まった。プロセッサの世代をアップデートするとともに、従来モデルのユーザーからのフィードバックを生かし、全面的に改良を施している。
9月29日の発売に先駆け、13.3型モデル「VAIO S13」と11.6型モデル「VAIO S11」の評価機を入手したので、2台まとめてレビューしていこう。
今回のリニューアルでは、新生VAIOとなってから力を入れている法人ユーザーの要望を強く反映させている。その結果、S13を従来の延長線上で正統進化させる一方、S11は軽量化とともにシャープなデザインやHDMI端子の搭載などを求める声が多かったことから、大きな変更が行われた。
なお、従来のS13とS11は別々のチームで開発されていたが、今回は両モデルを同じ開発チームが担当している。これにより基本設計を共通化しつつも、S11はよりパーソナルな使い方も意識し、軽量化の徹底とともにカラーバリエーションを増やすことで差異化を図った。
本レビューの評価機は直販向けのカスタマイズモデルだ。評価機の主なスペックは下記の表にまとめた。
VAIO S13/S11評価機の主なスペック | ||
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製品 | VAIO S13 | VAIO S11 |
画面サイズ | 13.3型ワイド(16:9) | 11.6型ワイド(16:9) |
CPU | Core i7-7500U(2.7GHz/最大3.5GHz) | Core i7-7500U(2.7GHz/最大3.5GHz) |
メモリ | 16GB(LPDDR3 SDRAM) | 16GB(LPDDR3 SDRAM) |
ストレージ | 128GB SSD(Serial ATA 6Gbps) | 128GB SSD(Serial ATA 6Gbps) |
グラフィックス機能 | HD Graphics 620(CPU内蔵) | HD Graphics 620(CPU内蔵) |
通信機能 | 1000BASE-T有線LAN、IEEE 802.11ac無線LAN、Bluetooth 4.1、WWAN(LTE) | 1000BASE-T有線LAN、IEEE 802.11ac無線LAN、Bluetooth 4.1、WWAN(LTE) |
バッテリー駆動時間 | 約11.7時間 | 約15時間 |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 約320.4×216.6×15〜17.9mm | 約283.4×195.5×15〜17.9mm |
重量 | 約1.06kg | 約860g |
ボディーのデザインは、基本的なイメージを従来のS13から継承しており、同社が「ウェッジシェイプ」と呼ぶくさび型フォルムを採用する。ディスプレイを開くとキーボードの奥側が持ち上がり、タイピングしやすい角度が付くチルトアップ構造となっている。
ボディーカラーは、S13がブラックとシルバーの2色展開、S11がブラック、シルバー、ホワイト、ブラウンの4色展開だ。評価機はいずれもブラックのモデルだが、S11の新色はキートップまで白くした清潔感あるホワイトと、カッパーのような金属感が楽しめる明るめのブラウンでどちらも目を引く。
本体サイズはS13が約320.4(幅)×216.6(奥行き)×15〜17.9(高さ)mm、S11が約283.4(幅)×195.5(奥行き)×15〜17.9(高さ)mm。重量はS13が約1.06kg、S11が約840〜860g(構成によって異なる)だ。いずれも13型クラス、11型クラスのモバイルノートPCとして持ち運びやすいサイズ、重量にまとめている。従来モデルと比較した場合、S13はほぼ据え置き、S11は大きく軽量化が図られた。
VAIO S13新旧モデルのサイズ比較 | ||
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製品 | 新VAIO S13 | 旧VAIO S13 |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 約320.4×216.6×15〜17.9mm | 約322×216.5×13.2〜17.9mm |
重量 | 約1.06kg | 約1.06kg |
VAIO S11新旧モデルのサイズ比較 | ||
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製品 | 新VAIO S11 | 旧VAIO S11 |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 約283.4×195.5×15〜17.9mm | 約284×190.4×16.4〜19.1mm |
重量 | 約840〜860g | 約920〜940g |
この軽量化を実現するために、S11では天板に東レ製の「UDカーボン」を採用している。S13のマグネシウム合金と同等の強度を保ちつつ、約30%軽量化できるという。かつてVAIOの薄型軽量モバイルPCと言えば、先進的なボディー素材としてカーボンを積極的に採用してきたため、カーボンの復活を喜ぶユーザーは少なくないだろう。
S13の天板はマグネシウム合金だ。底面は両モデルとも高剛性樹脂を採用する。また従来モデルでは別部品で構成していたキーボードベゼルとパームレストを一体化し、フラットなアルミニウムの1枚板(東洋理化学研究所製フラットアルミパームレスト)とした。
これにより、見た目にすっきりしただけでなく、キーボードの剛性アップにもつながっている。耐久性に優れたアルマイト染色を施しているため、塗装が剥がれにくい。さらにゴミやホコリがたまりにくく、汚れも拭き取りやすいメリットもあるという。
ちなみに、本体の薄さや軽さに影響するバッテリー駆動時間(公称値)は、S13が約11.7時間、S11が約15時間と十分な長さを確保した(バッテリーテストの結果は後述)。薄さや軽さを優先するため、バッテリー容量を犠牲にしているようなことはない。
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