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» 2017年11月25日 06時00分 公開

鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:まだ終わらない? Windows 10 Mobileスマホにまさかの新機種 (1/2)

Windows 10 Mobileはメンテナンスフェーズに入ったと言えるが、2017年末商戦向けに同OS搭載のスマートフォン新機種を投入するメーカーが出てきた。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

 かつて、Windows 10ファミリーの中でモバイル市場を攻略する重要な役割を担っていたモバイルOS「Windows 10 Mobile」だが、AndroidとiOSを脅かすには至らず、終了に向けて動き出してる。

 2017年10月上旬に米Microsoftでスマートフォン戦略の中核を担ってきた1人であるジョー・ベルフィオーレ氏は、「Windows 10 Mobileの実質的な終了宣言をTwitterで行った。今後のWindows 10 Mobileについては、バグの修正やセキュリティアップデートが中心で、新機能やそれを搭載したハードウェアの提供には注力しないことを明言したのだ。

 10月17日に一般公開となったWindows 10の大型アップデート「Fall Creators Update」は、Windows 10 Mobileにも提供されているが、新機能や機能強化が行われたPC向けと異なり、モバイル向けは目立った新機能などがないマイナーアップデートにとどまっている。

 そんなWindows 10 Mobileだが、2017年の年末商戦に同OSを搭載したスマートフォンの新モデルが登場することが判明して話題になっている。

2017年末商戦に登場するWindows 10 Mobileスマホとは?

 話題になっているのは、英Wileyfoxが発売するWindows 10 Mobileスマートフォンの「Wileyfox Pro」だ。Amazon.co.ukのサイトで予約受け付けを開始しており、12月4日の発売が予告されている(日本への出荷は行わないという)。価格は189.99ポンド(約2万8000円)だ。

Wileyfox Pro 英Wileyfoxが発売するWindows 10 Mobileスマートフォン「Wileyfox Pro」

 基本スペックとしては、SoC(System on a Chip)にSnapdragon 210を採用し、1280×720ピクセル(HD)表示の5型ディスプレイ、2GBメモリ、16GBストレージ、200万画素のインカメラ、800万画素のアウトカメラを搭載する。一口に言えば、ごく普通なエントリークラスのスマートフォンだ。

【訂正:2017年11月26日午前8時30分 初出でWileyfox Proが搭載するSoCの型番が誤っておりました。Snapdragon 210と訂正しました】

Wileyfox ProWileyfox Pro 1280×720ピクセルの5型ディスプレイを搭載(写真=左)。アウトカメラは800万画素(写真=右)

 なお、米Windows Centralは仏Archosが2015年に発売したWindows 10 Mobileスマートフォン「ARCHOS 50 Cesium」と同じ筐体をベースにした別ブランドの製品と分析している。

 Wileyfox Proは2017年初頭に年内の製品投入が発表されており、IFA 2017で製品のプレビュー、そして今回の市場投入へと至っている。発売の準備が整ったところでのベルフィオーレ氏の発言は、同社にとって(予想できる事態ではあったものの)寝耳に水に近かったのではないだろうか。

Wileyfox Pro 英Amazon.co.ukのサイトに出現したWindows 10 Mobile端末「Wileyfox Pro」

 WileyfoxはAndroidスマートフォンを英国市場に投入しているメーカーで、Windows 10 Mobileの採用は製品バリエーション拡充の一環とみられる。Androidスマートフォンとはハードウェア的に近しいものの、Windows 10 Mobileスマートフォンの開発にあたっては別の認証プロセスなどが必要で、単なるハードウェアの流用では済まない場合もある。

 そうした中で、(終了宣言の前とはいえ)あえて大きなニーズが見込めない可能性が高い市場に製品を投入しようとしたのは、それなりに勝算があったと考えているのかもしれない。

クラウドファンディングで資金調達中の新モデルも

 Wileyfox同様に、Windows 10 Mobileスマートフォンの市場投入を狙っていた小規模なメーカーは少なくない。ただ、市場規模と予算の問題から、メーカーでリスクを全て負うのは厳しく、クラウドファンディングで賛同者を集めて資金調達してから製品投入という手段がよく見られた。

 例としては、米WhartonBrooksの「Cerulean Moment」や、中国のODMであるCoship Mobile Technologyなどが挙げられる。どちらも2017年後半の製品投入を目標に出資を集めていたものの、必要な額が集まらずにプロジェクトが立ち消えになった。(終了宣言前の段階で)Microsoftの姿勢に疑問を呈していたが、幸いにも市場投入を回避している。

 一方、現状でまだWindows 10 Mobileスマートフォンの製品化を狙っているメーカーもある。TrekstorというドイツのメーカーはWindows 10 Mobileスマートフォン「WinPhone 5.0」を2018年に投入するため、Indiegogoのクラウドファンディングを利用しているが、残り1カ月を切った段階で目標額の1割にも達しておらず、実現は難しい状況だ。

Windows 10 Mobile Indiegogoで資金調達を図る独Trekstor。Windows 10 Mobileスマートフォン「WinPhone 5.0」の製品化は難しそうな状況だ

 その意味で、Wileyfox Proのように実際の製品がこのタイミングで出てくるのは、非常にレアなケースと言える。

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