アキバに訪れた「マイニング」という特異な波――2017年のアキバを振り返る(前編)(3/4 ページ)

» 2017年12月30日 12時00分 公開
[古田雄介ITmedia]

マイニングブーム再燃――RADEON RX VEGA 56/64登場&11月末頃から盛り上がる

 一旦落ち着いたマイニング人気は、8月21日に発売されたAMDのハイエンドGPU「RADEON RX VEGA 64」搭載カードの登場で再び盛り上がると一部で思われていた。初回のリファレンスモデルは空冷通常版と空冷メタルボディー版、水冷タイプの3種類があり、税込み価格は8万円弱、8万円弱、9万円強となる。

 実際、発売時は「ゲーム目的が4割、マイニング目的が6割といった感触」(TSUKUMO eX.、当時)と期待通りの動きがあったが、後が続かず。8月末に登場した下位の「RADEON RX VEGA 56」搭載カード(税込み6万6000円前後)もしばらくは埋もれた状況が続いた。

 その背景には、マイナーの中心層となっていた中国での規制強化がある言われている。10月末には中国内の仮想通貨取引所はすべて閉鎖され、かつての隆盛は望むべくもない状態になっていた。

RADEON RX VEGA 64カードは8月21日の発売前に予約完了するショップが多かった。写真TSUKUMO eX.のPOP

8月末、パソコン工房 秋葉原BUYMORE店の入り口に貼られていた、RADEON RX VEGA 56カードの入荷告知POP

12月初旬のTSUKUMO eX.のRadeon上位ショウケース。発売から3カ月後に売れ行きが急伸したことになる

 それでも中国メーカーのColorfulからPCIe x16スロットを8基並べた規格外マザー「C.B250A-BTC PLUS V20」(税込み2万5000円前後)が10月中旬に登場するなど、くすぶりながらも動きは止まらなかった。

 そして、11月末に1ビットコインが100万円の大台を突破したころ、再びマイニング需要が再燃。「日本人とベトナム人が多いみたいです」(パソコン工房 秋葉原BUYMORE店)とのことで、夏場ほどの勢いや参加人口はないにせよ、新たな担い手によって確実に活性化した。

 このとき品薄が心配されるようになったGPUは、GeForce GTX 1070とRADEON RX VEGA 56/64カードだ。特にRADEON RX VEGA 56は、12月下旬に登場したMSIの独自クーラーモデル「Radeon RX Vega 56 Air Boost 8G OC」(税込み8万円前後)が店頭に並べる間もなく売り切れるなど、反響が大きかった。

 と、マイニングの動きを振り返ってみると、この1年で自作パソコンとの距離が急激に縮まったように思える。実際、6月からビットコインとモナコインでの決済に対応したパソコンSHOPアークのように、店頭で仮想通貨が使える店舗も出てきている。10月末、同店は「特にモナコインはシールを無料配布して以来、店頭での利用者が増えています。街でイベントも行われるなど、愛されている感じがありますね」と話していた。自作パソコンの一ジャンルとして、来年も新たな展開を見せるかもしれない。

Colorfulの「C.B250A-BTC PLUS V20」。12月には同社からUSB型のPCIe x1端子(UPCIe)を持つマザーも売り出された

12月下旬に登場したSapphireのRX NRGA 64搭載独自クーラーモデル「NITRO+ RADEON RX VEGA 64 LIMITED EDITION」。税込み10万7000円前後

10月末、パソコンSHOPアークで無料配布されていたモナコインのシール

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月14日 更新
  1. きょう発売の「MacBook Neo」、もうAmazonで割安に (2026年03月11日)
  2. 新品は絶滅、中古は高騰──「令和にMDを聞きたい」と願った筆者が、理想の再生環境を整えるまでの一部始終 (2026年03月13日)
  3. M5 Max搭載「14インチMacBook Pro」がワークステーションを過去にする 80万円超の“最強”モバイル AI PCを試す (2026年03月13日)
  4. セールで買った日本HPの約990gノートPC「Pavilion Aero 13-bg」が想像以上に良かったので紹介したい (2026年03月11日)
  5. 12機能を凝縮したモニタースタンド型の「Anker 675 USB-C ドッキングステーション」が27%オフの2万3990円に (2026年03月11日)
  6. 3万円超でも納得の完成度 VIA対応の薄型メカニカルキーボード「AirOne Pro」を試す キータッチと携帯性を妥協したくない人向け (2026年03月12日)
  7. ワコム上位機に肉薄? 10万円で18.4型4K! 高コスパ液タブ「GAOMON Pro 19」の長所と弱点 (2026年03月13日)
  8. 「MacBook Neo」を試して分かった10万円切りの衝撃! ただの“安いMac”ではなく絶妙な引き算で生まれた1台 (2026年03月10日)
  9. 高音質・良好な装着感・バッテリー交換式――JBLのフラッグシップ「Quantum 950 WIRELESS」は妥協なきヘッドセットか (2026年03月12日)
  10. 10万円切りMacが17年ぶりに復活! 実機を試して分かったAppleが仕掛ける「MacBook Neo」の実力 (2026年03月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年