グラフィックスカードの枯渇化が深刻化している。先々週の「(マイニング需要に火がついた)2017年5〜7月ごろと変わらないかも」という評価は、多くのショップで「今回のほうが大変」という感触に変わっていた。
各ショップの在庫が完全に払底したわけではないが、OC幅の大きな高付加価値モデルなどGPU平均で多少高価な製品の在庫がパラパラと残っている具合で、グラフィックスカード売り場は品薄具合を隠せないほどになっている。GPUの種類を問わずに購入枚数の制限が設けられるのは、もはや当たり前の光景だ。
パソコンSHOPアークは「マイニング用として買われるGPUの幅がエントリーからハイエンドまで広がったのもあって全方位で売り切れています」と話す。それを補足するように、TSUKUMO eX.は「メーカー側でGPUとメモリ不足も進んでいるようで、なかなか供給されない事態が世界規模で起きているのも関係しています。あとはマイニングをこれから始めるという新規の人も多くて、マイニング人口の絶対数が増えているのもありますね」と複合的な品薄の要因を解説していた。
実際、PCIeスロットを多く搭載するマイニング向けマザーの売れ行きも好調で、購入制限をかけてないところでは「1人で10枚やそれ以上ほしいという人も普通に来ます」(某ショップ)という。その時点でマザー枚数の数倍のグラフィックスカード需要が新たに発生しているわけだが、供給はとうに追いついていない。
加えて「旧正月(※2018年は2月16日)の動きも加わりますからね。少なくとも2月後半までは状況の改善は見込めないんじゃないかとみています」(パソコン工房 秋葉原BUYMORE店)との見方もある。旧正月の前後は中華圏の工場やメーカーの動きが止まるため、供給状況はさらに深刻化すると予想されている。
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