Synology Japan代表に聞く日本支社設立の狙い(2/2 ページ)

» 2018年05月03日 17時13分 公開
[石川ひさよしITmedia]
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ムズい「サーバ」を手軽に扱えるインタフェースで個人にNASを普及

―― では、日本のコンシューマーのNAS需要についてはどのように見ていますか。

蔡氏 日本のコンシューマー市場も、今後もっと拡大できる余地があると見ています。単体HDDは知っているけれど、HDDとNASとの違いに気付いていらっしゃらない方もまだまだ多いのではないでしょうか。HDDとNASのもっとも大きな違いは、HDDは1台を1人でしか使えませんが、NASなら1台を多人数で使えます。1台のNASで家族みんなでデータを共有でき、同時にデータを守ることができます。

蔡氏 その上で、SynologyのNASのイチオシは管理画面、UIの使いやすさにあります。NASは小さなサーバのようなものです。サーバというと一般のコンシューマーユーザーにとってはなにやら難しいもののように聞こえてしまうでしょう。そこをできるだけカンタンに、戸惑わないよう上手にまとめた、そんなUIをコンセプトに提供しております。ここは、弊社のサイト上にデモをご用意しておりますので、是非お試しいただきたいですね。

―― ハードウェア面でビジネス向けモデルとコンシューマー向けモデルで異なる点はありますか。

蔡氏 コンシューマー向けモデルの特徴は大きく3つほどあります。1つは省電力であること。2つ目は静音性、3つ目はデザインです。我々は2005〜6年あたりから外観を少しづつ改良を加え、現在の外観に至っています。例えば、ユーザーの視界に入りやすいのが前面と天板です。まずここには通風孔を設けておりません。これにより見栄えが良くなるとともに、動作音も静かになります。通風孔は左右側面、Synologyロゴとともに設けていますが、このサイズも内部のHDDの駆動と共振を起こさないよう計算されています。

蔡氏 注目していただきたいのが背面ファンです。まず固定方法にラバーを用いて共振を抑え、ファンとフレームのわずかな隙間も、経験上最適といえるスペースで設計されています。また、ファンカバーの微妙な造形も、ノイズを生じにくいよう配慮したものです。ハイバネーションと同時にファンの回転を停止する設定や、前面パネルのLEDの光量を調節できる機能などもコンシューマー向けの設計です。

―― コンシューマー製品のフィードバックはどのように集めているのですか。

蔡氏 我々は日本でも2016年から年に1回、コンシューマーユーザーの声を集約するイベントを開催しています。この場で日本のSynologyユーザーからさまざまなフィードバックを頂いております。このイベントも、日本支社設立によって今後さらに円滑に行えるようになるのではないでしょうか。同時に、コンシューマー向けのサポートも充実させ、より一層の安心をお届けします。

NASにためたデータを上手に活用できるアプリがSynologyのNASの魅力

―― SynologyのNASを使うとこんなことができる、オススメの活用方法を教えてください。

蔡氏 家庭でのNASの主な用途としては、写真の保存先ということが多いのではないでしょうか。我々もそこにフォーカスしており、ここ数年、写真家のためにセミナーを開いています。大容量のNASは、年々ファイルサイズが大きくなる写真や映像ファイルの保存先として有用です。そこから一歩踏み込んで、これからは撮りためた写真を振り返る、目的の写真を見つけるための手助けというのがアプリ側で重要になってくると思います。

蔡氏 2017年に「Moments」という写真管理アプリをリリースしました。AIによって自動的に写真にタグをつけ、写真探しを手助けします。データを保存するNASから、データを探し出し活用できるNASへの変化が、今後のSynologyのNASの目玉機能になると思います。

蔡氏 また、ビジネス、コンシューマーを問わず、昨今はクラウドの利用が高まっています。現在のクラウドは、Google DriveやOneDrive、DropBoxなど、インターネット上の各社「パブリック・クラウド」サービスを利用するのが一般的ですが、Synologyが提供する「Synology Drive」アプリでは、自社・自宅のNASがそれらオンラインのサービスと同様の感覚でお使いいただけます。外部にデータを預けずに済む「プライベート・クラウド」です。さらに容量もNASに搭載するHDD次第で、PCだけでなくスマートフォンやタブレットからもファイルを参照できます。

―― これからのSynologyについて、もし何か教えていただけることがあればお願いします。

蔡氏 現在まだ英語版のみですが、「Audio Station」がAmazon Alexaスキルに対応しました。これにより、スマートスピーカーを用いたオーディオ視聴が、NASという大容量の保存先を活用して、より快適に楽しめます。日本語対応につきましては、Amazon Alexaの日本語APIの公開に合わせて検討しています。

より一層の安心感でユーザーの心をつかみにかかる日本支社

 このように、Synologyでは日本支社を設立することで、日本国内におけるビジネス・コンシューマーのサポートが迅速かつ円滑に行えるようになるという。日本語によるサポートが充実することは、ビジネス・コンシューマーともに恩恵があると思われるが、“Network Application Storage”に特に魅力を感じるだろう中小企業にとって決め手となりそうだ。

 日本のNAS市場は、Synologyがが見るところではまだまだ成長の余地がある。ビジネスには既存のサーバの代替として、ファイルサーバやバックアップ機能に加えて、企業内コミュニケーションなどのアプリを用意し、1台でマルチに活躍する“Network Application Storage”を提案していく。コンシューマーには、今回の日本支社設立によりサポートが充実し、「サーバ」のようなNASをさらに手軽に、安心して使えるよう変化していくとのことだ。

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