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» 2018年06月21日 16時58分 公開

第2世代Ryzenの省電力モデルと「StoreMI」を試してみる (1/4)

「StoreMI」は意外と速くて導入も簡単だった。

[石川ひさよし,ITmedia]

 第2世代Ryzenの製品ラインアップのうち、前回「Ryzen 7 2700X」と「Ryzen 5 2600X」をレビューした。今回はその際取りこぼした「Ryzen 7 2700」と「Ryzen 5 2600」をテストしつつ、AMD X470マザーボードで利用できる「StoreMI」の有効性も確かめてみる。

4つの第2世代Ryzenの違いを考察

 Ryzen 7 2700およびRyzen 5 2600は、先に検証した「X」付きのモデルからクロックを落としつつ、TDPを65Wに引き下げたバージョンだ。Ryzen 7 2700Xが105W、Ryzen 5 2600Xが95Wだったので、30〜40WほどTDPが抑えられている。排熱設計に制約がある小型ケースへの組み込みや静音性を求めるPCに向くだろう。各モデルの主な仕様は以下。

製品名 Ryzen 7 2700X Ryzen 7 2700 Ryzen 5 2600X Ryzen 5 2600
コア・スレッド数 8・16 8・16 6・12 6・12
定格クロック 3.7GHz 3.2GHz 3.6GHz 3.4GHz
最大クロック 4.3GHz 4.1GHz 4.2GHz 3.9GHz
キャッシュ 16MB 16MB 16MB 16MB
メモリサポート DDR4-2933 デュアルチャンネル DDR4-2933 デュアルチャンネル DDR4-2933 デュアルチャンネル DDR4-2933 デュアルチャンネル
TDP 105W 65W 95W 65W
XFR対応
付属クーラー Wraith Spire with RGB LED Wraith Spire with RGB LED Wraith Stealth Wraith Spire

 「X」の有無で動作クロックを見ると、定格クロックではRyzen 7 2700Xと無印で500MHzとやや大きく開きがあり、Ryzen 5 2600Xと無印では200MHz程度と小さい。一方、最大クロックでは、Ryzen 7は300MHz差、Ryzen 5は200MHz差。これらはTDP 65Wの枠に収めるための設定だと思われる。SenseMIのブーストの効き方も変わってくるだろう。

左がRyzen 7 2700、右がRyzen 5 2600のCPUボックス
左がRyzen 7 2700、右がRyzen 5 2600

 その他、付属クーラーも異なる。Ryzen 7は「Wraith Spire with RGB LED」で共通だが、Ryzen 5はRGB LEDなしで「Stealth」または「Spire」と異なる。基本的には、グレードが高いものほど良いクーラーが付くというわけだ。

付属CPUクーラーはどちらも「Wraith Stealth」

「X」ナシは高コスパ。普段使いに適したパフォーマンスと消費電力

 モデルを選ぶ際は、パフォーマンスを求めて最上位、あるいはコストを求めて最廉価と選びがちだが、第2世代Ryzenの中間モデルはどうだろうか。ベンチマークテストで確かめてみよう。

 今回の検証環境は、前回、第2世代Ryzen 7、同5を検証した際とほぼ同じだが、マザーボードとメモリは同じでない。前回はASRockとGIGABYTEのAMD X470マザーボードで検証したが、今回はASUSTeK「ROG CROSSHAIR VII HERO」を用意した。

 このマザーボードが搭載している自動オーバークロック機能は、条件統一のためにオフとしている。また、メモリは、Corsairの「VENGEANCE RGB CMR16GX4M2C3600C18」(DDR4-3600)を前回の計測時と合わせてDDR4-2933で運用している。

検証環境
今回はマザーボードをASUSTeK「ROG CROSSHAIR VII HERO」へメモリをCorsair「VENGEANCE RGB CMR16GX4M2C3600C18」に変えて検証を行った

 まずはCINEBENCH R15の結果からだ。TDPを65Wまで引き下げているためか、Ryzen 7 2700XおよびRyzen 5 2600Xほどスコアは伸びなかった。とはいえマルチスレッドで1000ポイントを超えているので、普段使いでパフォーマンス不足を感じるシーンは少ないだろう。CPUパフォーマンスを求める処理をメインに考えるならば「X」付きをオススメするが、コスパのよい普段使い用PCを想定するなら「X」ナシでも十分だ。

CINEBENCH R15の結果

 TMPGEnc Video Mastering Works 6のトランスコード速度では、Ryzen 7 2700Xが最も速く、それに次ぐのが2700、以降Ryzen 5 2600X、2600となった。Ryzen 7 2700とRyzen 5 2600Xとの差は3分4秒あり、トランスコードの所要時間を短縮したいならば、コア数の多いRyzen 7のほうが確実に速い。ただ、両者の実売価格差は1万円近くあること、消費電力にも差があることを考えると、なかなか難しい選択になりそうだ。

TMPGEnc Video Mastering Works 6のトランスコード速度

 PCMark 10 Extended TestのOverallでは、「X」の付くモデルと付かないモデルできっちり結果が分かれた。各シナリオの各テスト項目を詳しく見ても、どれもだいたい同じようなスコア差が出ており、TDPを抑えた分、クロックが頭打ちになっているように見える。

PCMark 10 Extendedの総合スコア
PCMark 10 Essentialsのスコア
PCMark 10 Productivityのスコア
PCMark 10 Digital Content Creationのスコア
PCMark 10 Gamingのスコア
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