創業者2人が去るInstagram 今後はFacebookの思い通りになる?ITはみ出しコラム

» 2018年09月30日 06時00分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Facebookが2012年に買収し、今では10億人以上のユーザーを抱える米Instagram。その共同創業者、ケビン・シストロムCEO(34)とエンジニアリングディレクターのマイク・クリーガー氏(32)がInstagramを離れると発表しました。

Instagram 5周年の時の2人(Instagramより)

 少しゆっくりしてから、2人で「世界が必要とする新しい何かを創造する」んだそうです。まだ若いので、また面白いものを作ってくれることを期待します。

 そもそもInstagramはこの2人が面白がりながら開発し、ユーザーの使い方に触発されて方向転換した魅力的なサービスでした(シストロムさんが2011年に公開したQuoraの投稿に詳しく載っています)。

 そんなInstagramも今ではFacebookを支える重要な柱になっています。最近のFacebook本体のいろいろなスキャンダルから少し距離を置けていて、Facebookより若者の支持があるInstagramですが、ここ最近はFacebookに買収されるときに約束した独立性が危うくなっていたとRecodeなど多数の米メディアが報じています。

 シストロムさんは退社発表後もInstagramを使っているし、Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOと(緊張関係にあったとの報道も多いのですが)決裂したわけではないようです。退社発表後の最初の投稿では、FacebookのザッカーバーグCEOをはじめ、シェリル・サンドバーグCOO、マイク・シュローファーCTO、クリス・コックスCPOに感謝の言葉を述べています。

 ただ、今回の報道からは「Instagramはもう自分たちのものじゃないし、Facebookでは好きなことはできそうにないし、資金もあるんだから、もう一度なんかやろうぜ」という印象を受けます。

 振り返ると、買収されてすぐにFacebookとユーザーデータを共有することになったとき、Instagramの利用規約改定でかなりすったもんだがあって、辞めるかな、と思ったのですが、6年もよくFacebookにとどまったものです。

 その後、「ストーリー」で米Snapchatのまねっこをしたときにはしれっとまねっこを認めるなど、ザッカーバーグさんとは微妙に違いながらもFacebook的な路線から外れずにきました。

 Recodeのカーラ・スウィッシャーさんは“最後のわら”が何かは不明だとしていますが、自由にできないことで少しずつ息苦しくなっていたのでしょう。

 4月には、やはりFacebook傘下の米WhatsAppのCEO、ジャン・コウムさんも退社しています。彼の方がもっと、よくもったな、という印象です。絶対に広告ではもうけないと言い続けて、エンドツーエンドの暗号化にこだわる彼は、Facebookの方針と全くかみ合いませんでした。

 そのコウムさんより前(2017年11月)に退社したWhatsAppの共同創業者、ブライアン・アクトンさんはシストロムさんが退社を発表した2日後に米Forbesが掲載したインタビューで「私はより大きな利益のために、WhatsAppのユーザーのプライバシーを売ってしまった。私はそのことをずっと背負って生きている」と語りました。

 創業者が去った今、WhatsAppもInstagramも、Facebookが思う通りに変わっていくでしょう。それにユーザーがついて行くかどうかも注目していきたいところです。

 シストロムさんの最新のInstagram投稿は、サンフランシスコのSalesforce Towerから見た夕日の動画です。

 1月に完成したこのタワーはSalesforceのビルですが、非営利団体や新興企業にスペースを貸すそうで、もしかしたら、シストロムさんたち、ここで新しい会社を始めるのかもしれないですね。

Instagram

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月14日 更新
  1. きょう発売の「MacBook Neo」、もうAmazonで割安に (2026年03月11日)
  2. 新品は絶滅、中古は高騰──「令和にMDを聞きたい」と願った筆者が、理想の再生環境を整えるまでの一部始終 (2026年03月13日)
  3. M5 Max搭載「14インチMacBook Pro」がワークステーションを過去にする 80万円超の“最強”モバイル AI PCを試す (2026年03月13日)
  4. セールで買った日本HPの約990gノートPC「Pavilion Aero 13-bg」が想像以上に良かったので紹介したい (2026年03月11日)
  5. 12機能を凝縮したモニタースタンド型の「Anker 675 USB-C ドッキングステーション」が27%オフの2万3990円に (2026年03月11日)
  6. 3万円超でも納得の完成度 VIA対応の薄型メカニカルキーボード「AirOne Pro」を試す キータッチと携帯性を妥協したくない人向け (2026年03月12日)
  7. ワコム上位機に肉薄? 10万円で18.4型4K! 高コスパ液タブ「GAOMON Pro 19」の長所と弱点 (2026年03月13日)
  8. 「MacBook Neo」を試して分かった10万円切りの衝撃! ただの“安いMac”ではなく絶妙な引き算で生まれた1台 (2026年03月10日)
  9. 高音質・良好な装着感・バッテリー交換式――JBLのフラッグシップ「Quantum 950 WIRELESS」は妥協なきヘッドセットか (2026年03月12日)
  10. JBL、高機能ノイズキャンセリング機能を備えたワイヤレスヘッドフォン「JBL Live 780NC」「JBL Live 680NC」発表 (2026年03月13日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年