ジャストシステムは11月20日、タブレット端末を用いて学習できる子ども向け通信教育サービス「スマイルゼミ」に、幼児向けコース(年少冬〜年長)を新規開講したことを発表した。
スマイルゼミでは、これまで小・中学生向けにサービスを展開してきた。学習指導要領に基づく画一的な義務教育を受けるに当たり、補助教材としてこうしたサービスを子どもに与えることには納得がいくが、一方、幼児は義務教育の範囲外であり、幼児の頃から学習に力を入れることに疑問を持つ親もいるだろう。あるいは、幼児に教材を与えて果たして学習してくれるのか、という不安もある。
ジャストシステムが語る、幼児教育の意義、そして幼児が学習を続けていける“ヒケツ”とは――。
2018年から2021年にかけて、小学校と中学校の学習指導要領の改訂が始まっているが、これに合わせ、「幼稚園教育要領・保育所保育指針」の改訂も、2018年4月に施行された。
「この指針は小学校の学習指導要領を強く意識しているもので、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を提示するものだが、『今なにをできていればいいのか』という親の疑問もある」――そう指摘するのは、ジャストシステムの企画マーケティンググループシニアエキスパートの寺尾房代氏。
義務教育と違い、共通のカリキュラムや教科書がない中、小学校を迎えるに当たり身につけておくべきことやしておくべきことを、スマイルゼミのノウハウで解決するのだという。
スマイルゼミ幼児コースで学べるのは、「ひらがな」「カタカナ」「ことば」「かず」「とけい」「かたち」「えいご」「ちえ」「せいかつ」「しぜん」――の10分野。
例えば、平仮名や片仮名の書き方をペンでなぞって覚えたり、タブレット上に表示される積み木を自分で回転させて、提示された形と同じになるように積み上げて空間把握能力を養ったりと、これらを学習できていればスムーズに小学校の授業に入っていけることは想像に難くない。
しかし、果たして幼児がこうした内容をすすんで学んでくれるだろうか。同社企画教材グループエキスパートの蒲田美代氏は、幼児がこの教材で学習を続けていける工夫を次のように説明する。
蒲田氏は、「親子のコミュニケーションが幼児の学びに重要だ」という。
スマイルゼミ幼児コースでは、その日に学習してほしい内容を「きょうのミッション」として、約15分で完了する分量で子どもに提示する。子どもがミッションに回答すると、自動で丸付けが行われる。
丸付けの過程では、子どもが誤答をしても「バツ」とはせず、「考えてみよう」と別の回答を促す。それでも複数回間違えてしまうときには、「答えは〜」と提示し、失敗に萎縮しない作りを心掛けた。
そして、その日の学習内容は、動画や音声などで親が見返せる仕組みとなっている。子どもと一緒に学習内容を親が振り返ることで、子どもが何を学習して、何をうまくできたのかという「褒めるポイント」を見つけやすくなる。
子どもの回答内容に赤ペンで花丸を付けてあげたり、かっこいいバッジを付けてあげたりということがタブレット上ででき、「がんばったね」と褒めてあげることが、子どもの次のモチベーションにつながるのだと蒲田氏は語る。
また、親とのコミュニケーション以外にも、学習完了時にはアプリ上で、コレクションカードを1枚もらうか、自身のアバターパーツを1つもらうかを選択できる。
本サービスの会費は、月額2980円(税別、以下同様)(12カ月一括払いの場合)。専用タブレット代金として、別に9980円が必要。今日から申し込みを受け付けている。
毎月払いの場合は月3600円となる。また、12カ月継続受講しなかった場合、タブレット代金は3万9800円となり、解約時に差額を払う必要がある。
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