LGA 2066に対応するIntelのハイエンドCPU「Core i9-9900X」と「Core i9-9820X」が売り出された。税込み価格は順に12万6000円前後と11万2000円前後。「Skylake-X Refresh」こと第9世代Coreシリーズに属するラインアップで、ともに10コア・20スレッドとなり、44本のPCIeレーンを持つ。TDPは165W。クロック数は3.3GHz(Turbo時最大4.4GHz)と3.3GHz(ターボ時最大4.1GHz)だ。
反響はあまり大きくない様子だ。某ショップは「Skylake-Xの延長線上にある世代ですし、最上位の『Core i9-9980XE』(18コア・36スレッド)を待っている人が多いんじゃないでしょうかね」と話す。また、「同じ“i9-9900”ならLGA 1151対応のi9-9900K(税込み6万6000円前後)の方が、値ごろだし、入れ物がサッカーボールみたいだしで人気ですよ」とのコメントも聞いた。
冷ややかなコメントの背景には、長らく主力CPUの供給不足もあるように感じた。第8世代Core iシリーズのi5以下は9月ごろから品薄傾向にあり、最近では通常ラインアップがほぼ全滅というショップも珍しくない。一部で期待のあったバルク品の販売は行われていないが、TSUKUMO eX.のように並行輸入品を扱う例も出てきており、店舗側もどうにかして供給しようと動いている様子がうかがえる。
パソコン工房 秋葉原BUYMORE店は「Intelは供給不足になるとハイエンド側から生産を整えていく傾向にあるので、第9世代Core iシリーズはどうにか在庫がそろってきましたが、第8世代の在庫を年末に十分そろえるというのは絶望的ですね。IntelのCPUがここまでの状況になったのは、過去になかったと思います」と語る。
他店でも希望が持てるようなコメントは皆無で、「年末どころか第8世代はこのまま市場から姿を消していくのかも」といった声も聞かれた。その代替案としてAMDのRyzenを提案するショップが増えているが、完全な代わりになるといった期待はない。あるベテラン店員氏は「Ryzenがあってくれて本当に助かっています。ただ、Core iのない機会損失は埋めようがないですね。いや、厳しい冬です……」とこぼしていた。
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