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» 2018年12月27日 16時21分 公開

Core i9-9900K&GeForce RTX 2080 Tiを搭載 G-Tuneの最新フラグシップをぶん回す (1/2)

ゲーミングPCブランド「G-Tune」の最上位に君臨する「MASTERPIECE」シリーズの中でも、今回取り上げるプラチナモデルカスタムモデル「i1640PA2-SP2」は、Core i9-9900KとGeForce RTX 2080 Tiを搭載する、フラグシップの名にふさわしい製品だ。

[石川ひさよし,ITmedia]

 ゲーミングPCブランド「G-Tune」の最上位に位置するのが「MASTERPIECE」。そこにCore i9-9900KとGeForce RTX 2080 Tiを搭載した「i1640PA2-SP2」が登場した。“超”が付く快適さを求めるゲーマーは注目のモデルだ。

 G-TuneのデスクトップPCは4つのケースで構成されている。ミニタワーの「LITTLEGEAR」、マイクロタワーの「NEXTGEAR-MICRO」、ミドルタワーの「NEXTGEAR」、そして最も大きいフルタワーの「MASTERPIECE」だ。

 昨今、「大きなケースほど高性能なパーツを搭載できる」という図式は崩れてきており、MASTERPIECEより小型のモデルでも同様の構成は可能だ。しかし、パーツ単体での性能はそうでも、ケースが大きければ冷却性能が向上し、CPUやGPUのブーストの効きが向上したり、静音性が向上したりする。その意味で、MASTERPIECEはフラグシップである。

G-Tuneのフラグシップ「MASTERPIECE」シリーズ

 MASTERPIECEは、他のシリーズでは選べないエンスージアスト向けプラットフォームも選べる。例えば、Core X+Intel X299マザーボードの「i1720」シリーズだ。ただ、今回のレビューではメインストリーム向けの「i1640」シリーズを取り上げる。

 CPUはLGA 1151のCore i9、Core i7、マザーボードのチップセットはIntel Z390。i1640シリーズの中でも、今回借りた「i1640PA2-SP2」は基本構成ベースで同シリーズの最上位構成だ。

 1つ先に指摘しておくと、Core i9-9900K+GeForce RTX 2080 Tiというシステム構成自体は、NEXTGEARシリーズにも「i690PA3-SP2」として用意されている。しかし、MASTERPIECE i1640PA2-SP2は、単にケースが異なるだけでなく、しっかりと違いがある。そこを中心に検証していこう。

シンプルでありながらフラグシップのたたずまい

 MASTERPIECEはケースのデザインや機能もフラグシップにふさわしいものだ。黒と赤のカラーリングはゲーマー向けをイメージさせるデザインで、形状で言えばいわゆるボックス型。前面も側面も、天板や背面も全てフラットだ。

ミラーのような光沢のガラスパネルに赤いアルミパネルを組み合わせた存在感あるシンプルデザインだ

 フロントパネルは、強化ガラスをベースにダーククローム加工を施しており、ピアノブラックとは異なるツヤ、奥行き感がある。この右端にヘアライン加工の赤いアルミパネルを組み合わせてアクセントにしている。

 この赤いアルミ部分には、上寄りにフロントインタフェース、下寄りにスリム光学ドライブベイを搭載している。光学ドライブはスロットローディング式で、デザイン的にもスッキリとした印象を与えている。

 「フルタワーサイズ」と聞くと巨大なケースを思い浮かべるが、MASTERPIECEのサイズは215(幅)×490(奥行き)×501(高さ)mmだ。NEXTGEARと比べると、高さの差は66mmで“そそり立つタワー”というほど巨大な印象はない。幅も5mm大きいだけで、奥行きに関してはむしろ34mm短い。昔のフルタワーケースとはずいぶんイメージが違うので、設置スペースで悩む必要はあまりなさそうだ。

本体前面、背面。高さはミドルタワーから少し拡大した程度で、接地面積はむしろ小さめ

 その他、特徴的なのが底面前後にある大型スタンド。MASTERPIECEは底面吸気を行う構造なので、このスタンドで高さを稼ぐことにより吸気効率を上げている。なお、底面から吸気し、排気は背面から行うため、フラットな天板にものを置いても大丈夫だ。

 サイドパネルは、上寄りのネジ2つで固定されている。このネジは脱落防止タイプで紛失する恐れがない。こうしたちょっとした使い勝手の良さはG-Tuneらしい。今回のサイドパネルはスチール製の窓なしタイプだが、BTOオプションではスモークタイプの強化ガラスも選べる。使用中に内部を眺めたいなら強化ガラスオプションを選ぶとよいだろう。また、強化ガラスパネルはワンプッシュで開閉できるので、さらに使い勝手がよくなる。

エアフローの良い内部レイアウトと、静音を意識したパーツ選択

 それでは内部に移ろう。内部レイアウトは、下に大きくマザーボードスペース、上は電源ユニット用のスペースに分かれている。

 広いマザーボードスペースは、上位プラットフォームのEnhanced-ATXマザーボードも余裕で搭載できるだけのサイズがある。

マザーボードスペースと電源用スペース、これに裏面スペースと区分けされている

 搭載するマザーボードは、ATXフォームファクターのIntel Z390チップセット搭載モデルだ。第9世代Coreは、Intel 300シリーズマザーボードなら対応可能で、例えば、Intel Z370でも大丈夫。ただし、Intel Z370よりも新しいZ390なら、電源設計も第9世代Coreに合わせて設計されているため不安が少ない。拡張性という点では、ATXなのでまず問題ないだろう。

 マザーボードを紹介したところで、CPUクーラーにも言及しておこう。i1640PA2-SP2では、通常BTO PCでよく用いられるリテールクーラー似のトップフロー型CPUクーラーではなく、12cm角ファンを搭載するサイドフロー型クーラーが装着されている。NEXTGEARシリーズのCore i9-9900K搭載モデルでも同様のようだが、ポイントは冷却性能と静音性だ。

 Core i9-9900Kは、瞬間的な消費電力、つまり発熱量は大きめであり、さらにコア数が増えている。CPUでTurbo Boostをより効かせるなら冷却性能の高いCPUクーラーであるほどよい。その上で12cm角ファンは、通常装着されているトップフロー型クーラーと比べて口径が大きく、同じ回転数でより風量が稼げ、同じ風量なら回転数を抑えられるために静かである。BTOマシンは、安定性と価格のバランスが重要なため、静音性に関しては自由度の高い自作PCほど追求できないところがあったが、このCPUクーラーによってかなり静かになっている。

通常のBTO PCで見かけるCPUクーラーよりもファンとヒートシンクが大きく、Core i9-9900Kを静かにしっかり冷却できる
CPU-Zの画面。CPUはCore i9-9900Kで、TDP自体は95Wだがパフォーマンスを引き出すための冷却は第8世代以前のCoreよりも若干シビア。690PA3-SP2ではDDR4-2666メモリを32GB搭載するのが標準構成。速度、容量ともに従来モデルやスタンダードシリーズよりも上となる

 CPUクーラーに加えて、グラフィックスカードも静音向けの製品を採用していたので紹介しよう。i1640PA2-SP2に搭載されているグラフィックスカードは、ZOTACのGAMING GeForce RTX 2080 Ti Triple Fanだ。このカードはZOTACのオリジナルモデルで、3スロットを占有し、レファレンスデザインよりも長さのある独特のデザインになっている。

評価機はZOTAC製「GAMING GeForce RTX 2080 Ti Triple Fan」を搭載。コアクロックが1350MHz、ブーストクロックが1605MHz

 ポイントは十分な放熱量のある大型ヒートシンクと、より低回転でしっかり冷やせる3連ファン。このため、GPU Boostを効かせた状態での動作音も抑えられている。動作クロックについても、Founders Editionよりは低いが、レファレンスクロックよりも高く、安定性とパフォーマンスのバランスも良い。こうした選択をできるのも、価格帯が1つ上のハイエンドモデルならではのメリットだろう。

 もう1つ、シャドーベイも特徴だろう。MASTERPIECEでは、通常なら本体前方寄りに並ぶシャドーベイを排したレイアウトを採用している。最近はSSDが主流になりつつあり、さらにHDDの大容量化も進んでいるため、PC内部に搭載できるストレージの台数はそれほど重要視されなくなっている。特に今回のi1640PA2-SP2では、標準でシステム用にSSDを、データ用に3TBのHDDを搭載することもあり、追加でHDDを搭載する機会も少ないだろう。

 3.5インチシャドーベイはHDDとして専有済みの1基。これはスリムドライブの上方にある。その他に2.5インチシャドーベイが2基、マザーボードスペースの前方寄りに用意されている。こちら2基はi1640PA2-SP2の場合は空き状態。i1640PA2-SP2ではマザーボード上のM.2スロットにNVMe対応SSDを搭載している。最低限ではあるが、2.5インチベイ2基が空き状態であれば問題はなさそうだ。それでもストレージが必要ならUSB外付けドライブかNASを活用したい。

CrystalDiskMarkとCrystalDiskInfoの画面。CドライブはSamsungのNVMe対応SSDの「PM981」512GBモデル。シーケンシャルリードでは3.4GB/sを超えるトップクラスの転送速度だ。ライト側はやや劣るとはいえ、シーケンシャルで1.8GB/s、4KQ8T8でも1.8GB/s近くなので、こちらも実感上では十分に快適
CrystalDiskMarkとCrystalDiskInfoの画面。データドライブは光学ドライブのレターを挟んでEドライブ扱い。Seagate「Barracuda」の3TBモデルで、シーケンシャル性能は200MB/s級だ。速度よりも、3TBの容量があれば大量のゲームをストックできるという方が重要だろう

 なお、先ほど書いた通り、ケースは底面吸気のデザインで、底面部にファンが3基搭載できるスペースが用意されている。標準構成ではグラフィックスカードの他にスロットを消費していないため、ここからグラフィックスカード上のGPUクーラーへストレートに外気が供給される。この点でエアフローはとても良い。

 電源ユニットの場所もユニークだ。一般的な設置方法から90°回転させた状態で電源ユニットを固定し、底面ファンが側面を向いている。メインスペースとの間にはハニカムデザインの仕切板があり、ケーブル配線を隠すこともできている。なお、仕切板にはファンを搭載できるので、水冷モデルなどではここにラジエーターを搭載している。強化ガラスパネルを選べば、ファンが手前を向くことで、LEDファンとの相性も良い。見た目を重視するならこうしたオプションも注目だ。

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