新型iPad Proを手にした旧式iPadユーザーが直面した悩み(動画編)iPad Proへの道

» 2019年01月19日 08時00分 公開
[田中宏昌ITmedia]

 Appleのサプライヤー筋の情報から、「iPad mini 5」(仮称)やエントリーレベルの「iPad」、さらに「iPod touch」の後継モデルが開発中との話が漏れ聞こえてきました。あくまでうわさのレベルですが、iPad miniに新モデルが登場するのかは気になるところです。

用途に応じてアプリを使い分けて動画を視聴

 前回の記事では、普段7.9型の「iPad mini 4」で電子書籍を見ていたユーザーが、12.9型の「iPad Pro」(第3世代)に切り替えるとどのような体験が得られるのかといった視点で見ていきました。今回は、動画視聴回りについてチェックしていきたいと思います。

iPad Pro iPad mini 4(左)と新型iPad Pro(右)。画面サイズは7.9型→12.9型となり、大画面での動画視聴に期待が高まります

 筆者の場合、iPad mini 4では主に3つの方法で動画を見ていました。

 まず、動画配信サービスはAmazonの「Prime Video」を、TV番組の視聴はソニーネットワークコミュニケーションズの「Video & TV SideView」、そして手持ちの動画はNASに保存したファイルを再生します。

 いずれもの場合も初期設定は必要ですが、いったん設定してしまえば家の中だろうが外だろうが、ネットワークにさえつながっていれば時間や場所を選ばずに視聴が行えます。

 AmazonのPrime Videoは、月々400円または年間3900円(いずれも税込)のPrime会員に入ることで特典として無料で提供されているサービスです。映画や専用ドラマだけでなく、昔のTV番組やアニメなども数多く用意されています(有料番組もあり)。専用デバイスの「Amazon Fire TV」や「Fire TV Stick」以外にも、スマートTVやブルーレイプレーヤー、ゲーム機などさまざまな機器で視聴が可能です。もちろん、AndroidやiOS用のアプリもリリース済みです。

iPad Pro Amazonの「Prime Video」アプリ画面。iPad用アプリでは5.1chやDolby Atomosの再生は非対応です

 一方のVideo & TV SideViewはソニーのネットワークレコーダー&メディアストレージ「nasne」(ナスネ)に保存したTV番組を外出先から見る場合は有料のプラグイン(税込500円)が必要ですが、リアルタイムでの番組視聴やワイヤレスで番組の転送(おでかけ転送)、録画予約や再生が可能です。

iPad Pro NASNEに保存したTV番組やリアルタイムでの番組視聴も行える「Video & TV SideView」。番組表を使った外出先からの録画予約も可能です

 NASはQNAP製のNASを使っている関係で、純正アプリの「Qvideo」を利用しています。他にも使い勝手がいいアプリはあるのですが、利用頻度が低く、QNAP IDで一度ひも付けをすればIPアドレスなどを気にせずにネットワーク越しのアクセスができるため使い続けています。

iPad Pro QNAPが提供しているアプリ「Qvideo」の画面

黒帯問題に悩まされる

 いずれのアプリを使った場合も、サウンドはステレオスピーカーを内蔵したiPad mini 4に比べ、ツイーターとウーファーがセットになった合計8個のユニットにマルチウェイ化した12.9型iPad Proが圧倒します。映画や音楽のライブ番組ではダイナミックなサウンドを満喫できるだけでなく、セリフも格段に聞き取りやすくなった印象です。また、アプリの起動や画面の切り替えといったちょっとした動作も、新型iPad Proが快適です。

 ただ、音量を大きくすると、iPad mini 4はホームボタン側にあるステレオスピーカーが若干振動するだけでしたが、新型iPad Proはボディー全体が振動します。試しに見たソースでは音量を最大にしてもビビり音は発生しませんでしたが、動画視聴時iPadを立てかけるスタンドなどを利用した方が無難です。

iPad Pro 12.9型iPad Proは天地方向に2基ずつスピーカーを配置しています
iPad Pro iPad mini 4はホームボタン側にステレオスピーカー内蔵しています

 大いに頭を悩ませたのは、“画面の黒帯”問題です。

 これはiPadに限った話ではないのですが、iPad mini 4と12.9型iPad Proの画面アスペクト比は4:3なので、ブラウン管時代のアニメやTVドラマはそれほど気になりません。しかし、16:9やシネマスコープサイズ(2.35:1や2.39:1)の映画はどうしても画面の上下に黒帯が入ってしまいます。画面を拡大して黒帯をなくしたり削減したりは可能ですが、そうすると映像の左右が切れてしまいます。

 iPad mini 4と型iPad Proで黒帯の比率こそ変わりませんが、画面サイズが7.9型から12.9型に大きくなった関係で黒帯自体の面積が増えたため、せっかくの映画も没入感が半減してしまう格好です。

 逆に昔のアニメやTVドラマといった番組は、黒帯問題こそ軽減されますが低解像度のためどうしても画面が眠くなり、テロップなどのジャギーも目につきます。むしろ、画面サイズが小さいiPad mini 4の方で「ながら見」をしているほが気にならずに済みます。

 もちろん、Prime Videoに限らず、iTunes StoreやYouTubeの4K映像を12.9型iPad Proで再生すると精細で画面のテロップも美しく表示されます。この辺りは、個人差が大きい部分かと思いますが、せっかくの大画面を生かし切れないもどかしさはいかんともしがたいところです。

iPad Pro アスペクト比16:9(左)と2.35:1(右)の映像。元の映像がワイドになればなるほど黒帯部分が広くなってしまいます
iPad Pro iPad mini 4(左)と12.9型iPad Pro(右)の画面。画面サイズが広がった分だけ黒帯が目立ってしまいます

 前回の電子書籍を試したときは、新型iPad Proに乗り換えることで新たな体験を得られましたが、こと動画についてはソース(やアプリ)に左右される形になりました。P3の広色域を確保した12.9型iPad ProのLiquid Retinaディスプレイで見る動画は、精細でほれぼれする瞬間も多々ありました。ただ、TV番組や映画など長時間の動画を見るならば、素直に大画面テレビやプロジェクターを使った方が変なストレスを感じずに閲覧できるなと感じました。

 事前にある程度予測できたこととはいえ、なかなか悩ましい嘆きといえそうです。

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