新型iPad Proを手にした旧式iPadユーザーの実感(大画面編)iPad Proへの道

» 2019年01月06日 07時00分 公開
[田中宏昌ITmedia]

 早くも「iPad mini 5が登場か」と次のiPadシリーズについて話題が出ているAppleのタブレットですが、2018年10月に登場した12.9型と11型の新型iPad Proが最新モデルであることに変わりはありません。2018年12月の「PayPay祭り」や、1月2日限定の「Appleの初売り」といった機会に、新型への乗り換えを悩んでいた方も多いのではないでしょうか。

64GBの「iPad mini 4」を「第3世代12.9型iPad Pro」に転生

 前回の記事のように、これまでは「iPad Air 2」と「11型iPad Pro」について主に見てきました。今回は、7.9型の小型モデル「iPad mini 4」を「12.9型iPad Pro」(第3世代)に転生させ、サイズの違いなどをチェックします。

 普段、映像や電子書籍のビューワー、Webブラウジングとして使っているiPad mini 4ですが、2015年の発売からすでに3年以上が経過しています。2012年の登場以来、ほぼ1年ごとにモデルチェンジしていましたが、iPad mini 4以降はなかなか後継モデルが登場せずジリジリとした気持ちで指をくわえていたのは筆者だけではないと思います。

 片手でも持てるサイズに、約300g(Wi-Fiモデル)というiPadシリーズ最軽量のボディーは大きな魅力です。保護ケースをつけてカバンに放り込んでもそれほどスペースを取らず、気軽に持ち運びできるのでiPad miniシリーズを愛用している方も多いのではないでしょうか。

iPad Pro 2015年に発売された「iPad mini 4」。成人男性の片手でつかめる小型ボディーが魅力です

 とはいえ、アプリの切り替えや画面のスクロール、最新ゲームプレイ時などにやや非力な部分が目についてきたのも事実。日頃から電子書籍や自炊した本、Prime VideoやNAS内にある動画ファイルの視聴とビューワーとしての運用に徹してきたのだがら、むしろ大画面で見た方がいいのではと、運よく入手できた12.9型の新型iPad Proへの期待は高まる一方です。

 さて、手持ちのiPad mini 4ですが、カラーはスペースグレイでストレージ容量は64GBのWi-Fiモデルです。ケースは純正品ではなく、Tucanoのケースを長年使っており、表面にはガラスをはって運用していたため、iPad mini 4自体の見た目は思った以上にきれいです。一方のケースは、お目にかけるのもはばかられる状態ではあります。とはいえ、ケース込みで実測438gと500gを切っている重量はポイントです。

iPad Pro 3年以上使い込んできた筆者のiPad mini 4とケース。ケースの使い古し感は年月以上のものを感じます

 そして第3世代の12.9型iPad Pro(カラーはスペースグレイ)ですが、メモリが6GB、ストレージ容量が1TBの最上位モデル(Wi-Fi+Cellularモデル)で、本連載の第2回でも触れましたが、iPad mini 4のバックアップからの復元(実利用は40GBほど)も3分程で終わりました。

 何をするにしても非常に高速で、iPad mini 4で顕著だった画面をスクロールする際のガタつきも全くなく、非常にスムーズでタスクの切り替えでもたつくことも皆無です。一呼吸置く形だったTouch IDの認証も、Face IDで瞬時に終わるのは感動ものです。さすがに、最新モデルならではの貫禄と言ったところでしょうか。

iPad Pro iPad mini 4(左)と12.9型iPad Pro(右)。大きさは2倍以上も違います

両手持ちならスリムなボディーでも不安なく持てる

 両モデルを並べる前から分かってはいましたが、サイズの違いはもう笑ってしまうほどあります。

 ボディーサイズは、12.9型iPad Proが214.9(横)×280.6(縦)×5.9(厚さ)mmで重量は633g(Wi-Fiモデルは631g)、iPad mini 4は134.8(横)×203.2(縦)×6.1(厚さ)mmで重量は298.8g(Wi-Fi+Cellularモデルは304g)となっています。iPad mini 4を2台並べてもまだ隙間があるくらい、12.9型iPad Proが巨大です。

 その分だけ重量も倍以上の開きがあり、手にした際のズッシリ感は数値以上に思えるほどあります。第2世代12.9型iPad Proに比べて一回り以上小型(長編で約25mm)になり、約59g軽量(Wi-Fiモデルは約46g)になったとはいえ、サイズなりのインパクトはあると言ったところでしょうか。

 11型iPad Proでは、5.9mmというスリムボディー故に片手でホールドする際に無駄に手に力が入ってしまい難儀したのですが、12.9型ではさすがに両手で持つ機会がほとんどなのでそういった心配はなく、むしろボディーの薄さが好印象でした。

iPad Pro 12.9型iPad Pro(左)とiPad mini 4(右)の背面。Wi-Fi+CellularモデルとWi-Fiモデルという違いはありますが、まさに親子ほどの隔たりがあります
iPad Pro 背面のカメラ部分。iPad mini 4(右)はカメラの出っ張りがありません

 筆者のように外に持ち出さないのであれば、むしろケースなどはつけずに裸で運用して、用途に合ったスタンドを見つけるべきだなと思いました。もちろん、積極的に外に持っていって文字入力やペン入力をガシガシ行う場合は、別途Apple Pencilやキーボード+ケースのSmart Keyboard Folioの導入を検討したいところです。

 なお、Smart Keyboard Folioについては、ライターの山口真弘さんが文字通りガッツリと記事を書かれているので、まだご覧になっていない場合はぜひ一読ください。

 一方の額縁については、12.9型iPad Proでは上下/左右共に約9mmという峡額縁がやはりいいですね。iPad mini 4は左右こそ約7mmと細いですが、上下方向は約21mmと分厚く、実用上の問題はありませんが、見た目のスマートさと自然さでは最新モデルに軍配が上がります。

 ただ、画面が表示されるディスプレイの四隅部分はiPad mini 4が直角なのに対し、12.9型iPad Proは丸みがある形状(スクリーンショットは直角)なので、筆者は気になりませんでしたが、好みの違いが出る部分かもしれません。

 なお、画面のアスペクト比が、約4.29:3とワイド寄りになった11型iPad Proとは異なり、12.9型iPad Proは従来の4:3を踏襲しています。

iPad Pro 12.9型iPad Pro(左)とiPad mini 4(右)のディスプレイ部分比較。前者の四隅は丸みを帯びているのに比べ、後者は直角と違いがあります

 以上、12.9型iPad ProとiPad mini 4という想定用途が大きく異なる両モデルを見てきました。軽く触っただけでも、2コアのA8+M8コプロセッサ→8コアのA12X Bionic+M12コプロセッサとほぼ4世代分の進化を果たしたSoCと、P3の広色域を確保したLiquid Retinaディスプレイ、最大120Hzで動作するProMotionテクノロジーによる美しくなめらかな画面表示は、「うん、これだよこれ」と思わずつぶやくほど満足が行くものでした。

 次回は、12.9型と圧倒的な大画面とマルチウェイ化したスピーカーをフルに生かして、電子書籍やPrime Videoの視聴などを試してみたいと思います。

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