既報の通り、元日本ヒューレット・パッカードの吉田仁志氏が10月1日付で日本マイクロソフトの新社長に就任した。
10月2日、吉田新社長、平野拓也特別顧問(前社長)と、Microsoft Asiaのラルフ・ハウプター(Ralph Haupter)プレジデントによる新社長就任会見が行われた。
Microsoftは1986年に日本法人(現在の日本マイクロソフト)を設立し、およそ33年間事業を展開してきた。パートナーと協力してオンラインでのセミナーやトレーニングプログラムを提供するなど、最近はDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を支える立場からの取り組みを協力している。
ハウプター氏は平野前社長について「近年、強いリーダーシップを発揮してお客さまやパートナーとの関係を構築してきた。そして日本マイクロソフトに優秀な人材をもたらしてくれた」と評価。その上で、新しいリーダとして「評判が高く日本市場とソフトウェアに深い知識を持ち、リーダーシップを発揮してきた」吉田氏を迎えることで、日本の企業や政府機関との関係を強化できると期待を示した。
吉田氏の前職は、日本マイクロソフトのパートナー企業でもある日本ヒューレット・パッカード(Hewlett Packard Enterpriseの日本法人)の社長。パートナー企業の立場を知る人物をリーダーとすることで、パートナー企業との協力関係をさらに深くする狙いもあるものと思われる。
新社長の選任に当たって、前社長の平野氏は「日本の社会変革にどのように貢献できるのかというビジョンや思いを強く持っている人にぜひ(後を)継いでもらいたい」と考えていたという。グローバル(Microsoft)でも体制や文化の面で大きな変化を遂げている中において、「ビジネスだけではなく、マイクロソフトに対してパッション(情熱)を持っている人に(社長として)就いてほしい」とも思っていたという。
平野氏と吉田氏は、日本マイクロソフト社長と日本ヒューレット・パッカード社長という立場で長い間交流してきた。平野氏は「変革と日本の社会への貢献を、吉田さんらしいやり方でさらに勢いづけて進めてほしい」と新社長にエールを送った。
「ずっとIT業界にいて、私たちの世代の責任として、より良い社会を次の世代に良い社会を引き継ぐ準備をしたいと考えてきた」という吉田氏。「良い意味で(世界を)変革できる、数少ないグローバル企業の1つであるマイクロソフトに参加できることをうれしく思う」と喜びを示した。
社長就任からまだ1日しか経過していないが、「(日本マイクロソフトは)マネジメントもしっかりしているし、社員の目もキラキラとしている。非常にポジティブで、これなら(会社だけではなく社会を)変えられる」と実感したという。「素晴らしい仲間と共に、日本のお客さまのお役に立てるように努力したい」と豊富を語った。
会見後の質疑で改めて経営者としての信条を問われた吉田氏は、「行き着くのは『人』。どこでも社員が生き生きしている会社は強い」し、業績(数字)の重要性を踏まえつつも楽しみながら仕事をすることこそが重要であるとの考えを示した。
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