孫社長「Wi-Fiが答えだ」 山田社長「Wi-Fiより3G」 ソフトバンクモバイルとドコモが新サービス(1/2 ページ)

» 2009年11月10日 21時07分 公開
[ITmedia]

 ソフトバンクモバイルとNTTドコモは11月10日、冬・春モデルの携帯電話新機種発表会をそれぞれ都内で開いた。ソフトバンクモバイルは、携帯電話の無線LAN機能を使って高速通信やコンテンツ配信を行う「ケータイWi-Fi」サービスを発表。孫正義社長は「3GとWi-Fiの両方を搭載しているのが当然だという時代になる」と現行3Gより高速なWi-Fiのメリットを強調した。

 一方ドコモは、フェムトセルを自宅に設置して高速に通信できるようにする「マイエリア」サービスを発表。山田隆持社長は「Wi-Fiは補完的に使うもの」と3Gの高速化で対応していく姿勢を示す。高速通信をめぐる両社の思想は対照的だ。

photophoto 新端末を発表する孫社長(左)と山田社長

「Wi-Fiがわたしの出した答えだ」──ソフトバンクモバイル

photo 孫社長と「白戸家」CMでおなじみの上戸彩さん、ダンテ・カーヴァーさん。白戸家には新たにクエンティン・タランティーノ監督が仲間入り。CM監督ではなく、坂本龍馬に憧れる「タラおじさん」出演する

 ソフトバンクモバイルは午前9時半から発表会を開き、計22機種を発表。Android端末の来春発売計画というサプライズがあったものの(ソフトバンク、Android携帯を来春発売)、目玉はケータイWi-Fi。「経営としてWi-Fiに取り組むエポックメイキングな日だ」「キーワードはWi-Fi」と孫社長はたびたびWi-Fiに言及した。

 ケータイWi-Fiは、自宅の無線LANルータや公衆無線LANスポットを活用して最大54Mbpsのパケット通信が行えるサービス。公式サイトや大容量データ(最大100Mバイト)のダウンロード、PCサイトブラウザでのサイト閲覧が快適に行えるとしている。無線LANスポット「ソフトバンクWi-Fiスポット」も無料で利用でき、当面はソフトバンクテレコムの「BBモバイルポイント」エリア約4000カ所と共通だが、今後数万カ所に拡大していく計画だ。

 利用には11月下旬から順次発売する対応端末と「Wi-Fiバリューパック」への加入が必要。同パックはケータイWi-Fi使用料として月額490円、専用パケット定額サービス同4410円がセットになっている。ただし、使用料は2010年12月末までに加入する場合は無料になる。パケット定額は段階制ではなく、上限額で固定とした。ヘビーユーザーは上限額で張り付いており、「2段階定額は有名無実化している」(孫社長)という判断だ。

 対応端末であっても、同パックに加入しないとWi-Fi通信機能は利用できず、未加入の場合はWi-Fi通信設定を行えない仕組み。自宅の無線LANアクセスポイントに接続するのであっても同パックに加入した上で利用する必要がある。PCやiPhoneなどの汎用的なWi-Fi通信機能とは異なり、ケータイWi-Fiはソフトバンクモバイルが提供する携帯向けネット接続サービスという位置付けだ。

photophoto Wi-Fi向け公式サイトポータルが「ケータイWi-Fiチャンネル」

 その分、ケータイWi-Fi専用のコンテンツ配信サービスを充実させる。対応端末発売と同時にオープンする「ケータイWi-Fiチャンネル」は、Wi-Fiユーザー向け公式コンテンツポータル。産経新聞紙面の無料配信や、大手出版社が参加する電子雑誌有料配信「MAGASTORE」などiPhoneで先行提供しているサービスに加え、劇場公開前の映画全編を無料配信する「ケータイ試写会」など、動画配信を豊富にそろえた。

 孫社長によると、ユーザーの携帯利用シーンの半分は自宅。携帯型ゲーム機の対応などで無線LANは一般宅でも普及が進んでおり、携帯電話がWi-Fi対応することで「自宅でサクサクと通信できる」と利便性の向上を期待。さらに公衆無線LANスポットの整備が進めば「生活シーンの8割でWi-Fiでつながる時代が来るだろう」と期待する。

 孫社長は現行3Gを鼻での呼吸、Wi-Fiを口での呼吸に例えてみせた。「人間に鼻と口があるように、3GとWi-Fiが両方あるのが当然だという時代になる。Wi-Fiがないと息苦しいという時代になる。Wi-Fiがわたしの出した答えだ」

photophoto ハーフXGA対応ディスプレイ搭載の「AQUOSケータイ FULLTOUCH 941SH」(左)とWindows Mobile 6.5搭載の東芝製スマートフォン「X02T」
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