GoogleはAndroid Marketの放任主義を改めるべき――アナリストらが指摘(1/2 ページ)

» 2010年07月06日 16時18分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 米Googleが2年前に、スマートフォンなどの携帯端末用のオープンソースOSを支えるために「Android Market」を発表したとき、同社は「AppleがiPhone App Storeで採用している閉鎖的でプロプライエタリなアプローチとは異なり、これは束縛のない方式だ」と宣伝した。

 Android Marketの登録アプリの数は着実に増加し、6万5000本を超えたものの、ここにきてGoogleの無干渉主義的アプローチと管理の欠如に起因する問題が、一部で起きたアクセス障害とともに同アプリストアを徐々にむしばんでいる。

 音楽同期化製品を開発している米doubleTwistでAndroid用アプリを開発したソフトウェア開発者のヨン・レック・ヨハンセン氏は、6月27日付のブログ記事の中で、GoogleはAndroid Marketに対して適切な管理を怠っていると指摘した。

 「AppleのApp Storeとは異なり、Android Marketには高品質のアプリが少ない」とヨハンセン氏は記すとともに、AppleはGoogleよりも50倍多くの金額を開発者に支払ったとするLarva Labsの調査結果を引用している。

 さらにヨハンセン氏は次のように付け加える――「Android Marketは46カ国で利用可能だが、開発者が有料のアプリを提供できるのは13カ国だけだ。しかも、海外向けアプリの価格はユーザーの現地通貨で表示されず、開発者は国ごとに価格設定を変えることができない」

 「さらに問題なのは、海外向けアプリの支払いにAMEX(American Express)カードやキャリアの課金システムを利用できないことだ。アプリ内での支払いや変更ログ(アプリの変更通知用)もサポートされていない」

 ヨハンセン氏の最大の不満は、Android Marketが商標権違反や著作権違反であふれていることであり、「明らかに著作権に違反しているスパム着信音アプリが144本ほど登録されており、これらはGoogle広告を通じて収益化されている」と同氏は指摘する。

 Android向けのdoubleTwistアプリを開発したプログラマーとしての同氏の不満はもっともだ。Android Marketのヘルプフォーラムにも、同氏を支持する人がいる。

 Googleではコメントを避けているが、ジョン・バテル氏などの業界ウォッチャーや一部のアナリストもこの問題に注目している。

 業界アナリストのロブ・エンダール氏は「Appleはデザインとユーザーエクスペリエンスを何よりも重視しており、ユーザーは一級のエクスペリエンスにお金を払うのだ。これに対してGoogleは技術でリードするとともに、ソフトウェアは無償あるいは無償に近い価格であるべきだという考え方をアピールしている」と米eWEEKの取材で述べている。「結果的には、Appleが少なくとも初期の段階ではるかに優れたモデルを築いたのに対し、Googleは悪戦苦闘している」

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