GoogleはAndroid Marketの放任主義を改めるべき――アナリストらが指摘(2/2 ページ)

» 2010年07月06日 16時18分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK
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 米Current Analysisのアナリスト、エイビ・グリーンガート氏は、eWEEKの取材で次のように語っている。

 「Googleの無干渉主義的アプローチが、Android Marketで提供されているアプリの品質を高めたとは思えない。むしろその逆のような気がする。長期的には、Android Marketのオープン性がキラーアプリの出現につながる可能性は十分あるが、今のところは管理型アプローチの方が功を奏している」

 問題はほかにも起きている。ダウンロードのカウント機能が無効になったり(6月12日に発生)、Android Marketが“閉店”になったりする(6月23日に30分間にわたって発生)といった障害が時々起きているのだ。

 またGoogleはアプリケーションのリモート削除機能(キルスイッチ)を実行し、悪用の恐れがある2本のアプリをユーザーのAndroid端末から削除したことでも注目を集めた。

 米Gartnerのアナリスト、バン・ベイカー氏は「今のところマルウェア問題はあまり重視されていないが、今後、大規模なマルウェア感染によってGoogle方式の弱点が浮き彫りになるだろう」と指摘する。

 「同社は問題のあるアプリケーションの警告をユーザーベースに頼っており、自社のテスト手順を確立していない。この問題はいずれ修正する必要がある。少なくとも、マルウェアとセキュリティのリスクについてアプリケーションをテストすべきだ。これはGoogleの信用にかかわる問題だ」とベイカー氏は話す。

 スパム系アプリや権利侵害、可用性問題などへの対処を怠ると、開発者がAndroid Marketを離れてAppleのApp Storeに移ってしまう恐れもある。

 App Storeは、その厳格主義的アプローチが一部で批判されているものの、この種のアプリストアとしては文句なしに最も優れた存在だ。

 「Android開発者の多くはApple向けの開発も手掛けているので、Googleが自社のアプリストアを修正しなければ、同社が失う開発者はMicrosoftやHewlett-Packard(HP)に行くだろう」とエンダール氏は分析する。「半年以内に修正しなければ、本当に開発者離れが起きる。怒って去った開発者は恐らく戻ってこないだろう」

 ベイカー氏は、こういった事態になるのをGoogleが放っておくはずがないと考えている。

 「わたしが目にした最近の調査によると、Androidに関心を持っている開発者の割合は、Apple向けの開発に関心を持っている開発者の割合とほぼ同じだ。Androidの勢いが今後も開発者を引きつける一方で、Appleの市場規模も拡大するだろう。結局、携帯端末の巨大なインストールベースは今も拡大しているので、開発者が引き寄せられるのだ」とベイカー氏は語る。

 またGoogleは、GigaOmのアドバイスにも耳を傾ける必要がありそうだ。同ブログによると、Googleはアプリの認可を管理するともに、Android Marketの検索機能を改善する必要があるという。

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