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» 2011年05月19日 22時59分 UPDATE

ソニーのロボット技術、ARに生きる――空間構造を認識する「SmartAR」 (1/2)

ロボット開発で培った画像認識や人工知能のノウハウを生かしたAR技術「SmartAR」をソニーが開発。空間構造を認識することで、リアルなAR表現を可能にするという。動画も交えて紹介しよう。

[山田祐介,ITmedia]
photo 発表会場を映すライブ映像に、突然、人型のホログラムが。椅子の下の絵柄(?)を認識してARホログラムが登場したようだが……あ、どこを触っている!

 「より日常的で、快適で、リアリティーのあるARを提供」――ソニーは5月19日、AR(拡張現実)の新技術「SmartAR」を発表した。マーカーレスで高速に動作するほか、同社がロボット開発で培ってきた画像認識や人工知能の技術を応用。空間を“かしこく”認識し、リアルなARを実現する。

 商用化の時期は未定だが、ゲームや広告などへの応用を目指して実証実験を進めていく。発表会が行われ、デモンストレーションを交えて技術が説明された。なお、東京・銀座 ソニービルでは20日〜22日までSmartARの体験イベントを開催する。

マーカーいらずの高速AR

photo 技術解説のデモンストレーションは、ハンディカムとPCをつなぎ、PCで処理したAR画面を会場のモニターに映し出していた

 ARとは、カメラの映像に仮想的な物体を重ね合わせ、あたかもそこに存在するかのように振る舞わせる技術のこと。決められた画像の上にARを出現させるものや、位置情報を使うものなど、いくつかの方式がある。近年、スマートフォン向けに「セカイカメラ」などのARアプリが登場したことで注目が集まったが、技術は古くからあり、ソニーでは1990年代から研究している。

 新技術の見どころの1つは“マーカーレス”だ。画像認識型のARでは、ARを出現させるトリガーとして専用のマーカーを使うものが多い。一方、SmartARでは、ポスターやコップといった一般的な画像や物体をトリガーにできる。


photophoto 何の変哲もない会場マップのボードにカメラをかざすと、いろいろ飛びだしてきた!

photo 会場の体験コーナーでアプリを触ってみた。現実では見えないいろいろな電子情報が画面に浮かび上がる。まさに“電脳虫眼鏡”感覚だ

 マーカーレス方式は一般的にマーカー方式よりも高度な計算が必要とされる。しかしSmartARでは、計算量の少ない独自のアルゴリズムにより高速に動作するという。Android端末「Xperia arc」で動く試作アプリでは、30fpsで物体をトラッキング。カメラや対象物の動きにARが自然に連動する。また、照明の具合などの環境変化に強いのも特徴だという。

 アプリではタッチパネルを利用したUI(ユーザーインタフェース)も取り入れ、インタラクティブにARを楽しめるようにした。会場では、カメラのライブビューに映る商品をタッチすると、詳細がポップアップするといったデモも体験できた。

ソニーとAR

ソニーではこれまで画像認識型ARを中心に研究。ソニーコンピュータサイエンス研究所で、日本のAR研究の第一人者である暦本純一氏らが「NaviCam」(1994年)や「CyberCode」(1996年)などの技術を開発した。現在ではPlayStationのゲームなどにAR技術が活用されているほか、ソニーコンピュータサイエンスからスピンオフしたクウジットが、CyberCodeを使ったARソリューションを提供している。SmartARの発表会では、演出やアプリの開発をクウジットが担当した。


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