楽天がLTE市場に参入する狙い 合弁するイー・アクセスのメリットとはキーは独自の“楽天経済圏”(1/2 ページ)

» 2012年09月20日 22時59分 公開
[平賀洋一,ITmedia]

 楽天とイー・アクセスは9月19日、共同で新会社「楽天イー・モバイル」を設立し、10月1日からLTE対応のモバイルデータ通信サービス「楽天スーパーWiFi」を開始すると発表した。

photophoto 楽天スーパーWiFiの対応端末「Pocket WiFi LTE GL04P」。イー・モバイル版とはロゴが異なる

photo 左から、楽天の中島氏、三木谷氏、イー・アクセスの千本氏、ガン氏

 楽天イー・モバイルには、楽天が資本金の51%である2億5500万円を出資し、イー・アクセスが同じく49%の2億4500万円を出資する。代表取締役社長には、楽天常務執行役員兼CMOの中島謙一郎氏が就任し、取締役としてイー・アクセス代表取締役会長の千本倖生氏や同社代表取締役社長のエリック・ガン氏、楽天代表取締役副社長の國重惇史氏、同常務執行役員の高橋理人氏が経営に参加する。

 楽天スーパーWiFiは、イー・アクセスのEMOBILE LTE網を利用するMVNO(仮想移動体通信事業者)サービスとして提供する。PCやスマートフォン、タブレット、ポータブルゲーム機などのWi-Fi機器を対象としたモバイルデータ通信が利用でき、音声通話には対応していない。スタート時点の対応端末はイー・アクセスが販売するHuawei製の「Pocket WiFi LTE (GL04P)」のみで、ロゴが“楽天スーパーWiFi”仕様になっているがそれ以外のスペックはイー・モバイル版と同等だ。

 最大通信速度はLTE対応エリア(一部)で下り75Mbps/上り25Mbps、LTEエリア外ではEMOBILE G4通信となり、下り最大42Mbps/上り最大5.8Mbpsになる。Wi-Fi接続できる機器は最大10台で、さらにUSB接続することで合計11台にネット接続環境を提供できる。

 料金プランは専用の「楽天スーパーWiFiにねん+アシスト1600」を用意した。月額料金は3880円で、このほか月額3.15円のユニバーサルサービス料と、契約時に事務手数料の3150円が発生する。契約期間は2年ごとで、契約期間が満了しないうちに解約する場合は、残期間に応じて最大3万8400円から1万800円の契約解除料が発生する。

 そのほか、24時間ごとに300万パケット(366Mバイト)以上利用すると通信速度が制限される点や、2014年5月以降から、当月のデータ通信量が10Gバイトを超えた場合に通信速度が制限される点も、イー・モバイルのサービスと違いがない。

 楽天スーパーWiFiならではの特徴が、楽天が運営するECサイト「楽天市場」のみで端末を販売する点だ。そのため申し込みには楽天IDが必要になるが、すでにIDを持っていると契約時の手続きが簡単に行えるという。

photophoto 楽天スーパーWiFiを契約すると、楽天スーパーポイントが3倍貯まるようになる

 また、楽天スーパーWiFiを契約したIDで楽天市場にログインして買物をすると、通常1%分付与される楽天スーパーポイントが3倍の3%に増える(ただし、毎月3万円分まで)。この特典は楽天スーパーWiFiを解約しない限り続き、また付与されるポイントも利用制限がないポイントとなる。

 さらに、5000ポイントの楽天スーパーポイントか、楽天の電子ブックリーダー「kodo touch」のどちらかを加入特典のプレゼントとして選ぶことができる。通信サービスの月額料金としてはEMOBILE LTEやほかのMVNOと差はないが、楽天のポイントをお得にためられるなど、巨大ECサイトならではの差別化を打ち出している。

 2社共同のサービス発表会に出席した楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は、「楽天は1997年にインターネットショッピングの事業を開始したが、当時は(PCによる)ダイヤルアップ接続の時代。今はコンテンツのリッチ化が進みアクセス手段も多様化した。最近は25%ぐらいがモバイルからのアクセスで、スマートフォン・タブレットからの利用が大変伸びている。そういった意味で、移動中のネットアクセスとECの利用が広がり、モバイルデータ通信の高速化とマルチデバイス対応の重要性をひしひしと感じていた。そんな中、業界で最も高い技術を誇るイー・アクセスさんと共同で、楽天スーパーWiFiを開発させていただくことになった」とあいさつ。

photophoto 三木谷氏(写真=左)と千本氏(写真=右)

photophoto 新会社の概要(写真=左)と双方が持つ強み(写真=右)

 またイー・アクセスの千本氏は、「楽天グループさんと新しい会社を設立することができ、心からうれしく思っている。我々はモバイルデータ通信事業を展開する企業だが、大きな通信事業と違い、モバイルブロードバンドに特化したユニークな存在。(新会社の設立は)“楽天経済圏”という、きわめてユニークですばらしいビジネスモデルを展開し、国内で知らない人がいない楽天さんとともに、新たな事業領域に進出していこうということ。モバイルブロードバンドを一部の人だけでなく、すべての人々に使ってもらい、生活や考え方、インフラのあり方を変えたいと考えている。楽天グループとともに、日本の通信業界にモバイルの革命を起こしたい」とコメントした。

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