思いついた発想を詳細に書こうとすると、時間が足りなかったりする。素早く書くにはある程度の略語、略記が必要。時には暗号めいた書き込みをしておくと、セキュリティにも役立つかもしれない。
ノートに毎日、何か思いついたことを書き留み、周囲の人間と話をして実現できることを探す。これがアイデアマラソンの基本ルールだ。ただ、思いついた発想を詳細に書こうとすると、時間が足りなかったりする。素早く書くにはある程度の略語、略記が必要だ。
基本的に日記は自分が読めればいい。自分が分かる通称、略号などは、どんどん使おう。筆者が通常、日記に使っている簡略用語は下記の通りだ。
などが主要なもので頻繁に出現している。(会)などは、何種類かの意味を持って使っている(今回の記事を書くことで分かった)。このほか立ち寄る喫茶店なども、その名前を一文字に○で囲んで日記に使ってもいいだろう。
自分だけが分かる記号を考えることも楽しい。誰かが読もうとしても、完全に読めないと読む気を失うものだ。日記をあるていど暗号化しておく方法は、特に一文字に丸をつけることが多い。紙面の節約にもなるからだ。
仕事の上では、部内や仲間うちの数字の符丁を決めておく。値引き交渉を受けている時などに使えると、すごく便利である。筆者の両親は、京都で和装の卸問屋をしていたが、夫婦だけの間で通じる数字の暗号を決めて話していた。筆者も当時は覚えていたが、ここ30年使っていない。0から10までの数字を、同僚だけの間で決めるといい。意外と簡単だが短い言葉で決めるべき。数字が並ぶとややこしくなるからだ。
まったく意味が不明の言葉にしてしまうこともある。海外では、国際電話をかける時に、筆者は顧客の名前は、お菓子のシリーズで決めたり、ドリンク剤の名前で決めていたこともある。「リゲインとアリナミンから引き合いをもらった」というようなことだ。
アイデアマラソンでは、書き込んだノートを持ち歩くのをオススメしているが、日記を持ち歩いているリスクは「紛失」である。日記が入っているカバンは、もはや電車の網棚に置くことも許されない。特に一杯飲んでしまって、電車で寝る可能性があるならば、カバンは絶対に首から掛けて、膝の上で両手で押さえて持つことだ。
万が一、日記を見られた時に書かれていることが分からないようにするためにも、略号や記号を多用するといいかもしれない。レオナルド・ダビンチのアイデアノートのように鏡文字で書ければ面白いが、そこまでやってしまうと自分自身で読むのも大変になりそうだ。
あまり有名じゃない言語で書く――のもあり。
1946年京都生まれ。大阪外大英語卒、三井物産入社。ナイジェリア(ヨルバ族名誉酋長に就任)、サウジアラビア、ベトナム駐在を経て、ネパール王国・カトマンドゥ事務所長を務め、2004年8月に三井物産を定年退職。在職中にアイデアマラソン発想法を考案。現在ノート数338冊、発想数26万3000個。現在、アイデアマラソン研究所長、大阪工業大学、筑波大学、電気通信大学、三重大学にて非常勤講師を務める。企業人材研修、全国小学校にネット利用のアイデアマラソンを提案中。著書に「金のアイデアを生む方法」(成美堂文庫)、「マラソンシステム」(日経BP社)、「稼ぐ人になるアイデアマラソン仕事術」(日科技連出版社)など。アイデアマラソンは、英語、タイ語、中国語、ヒンディ語、韓国語にて出版。「感動する科学体験100〜世界の不思議を楽しもう〜」(技術評論社)も監修した。近著は「仕事ができる人のアイデアマラソン企画術」(ソニーマガジンズ)「アイデアマラソン・スターター・キットfor airpen」といったグッズにも結実している。アイデアマラソンの公式サイトはこちら。アイデアマラソン研究所はこちら。
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