現代版“トキワ荘”で、できるだけソーシャルする方法ソーシャルアパートメントに住んでみた

「ソーシャルアパートメント恵比寿」の体験入居の期間が先日終了した。最後にソーシャルするためのコツ(のようなもの)を紹介しよう。

» 2009年06月03日 12時36分 公開
[鷹木創,Business Media 誠]

 現代の“トキワ荘”が楽しめる「ソーシャルアパートメント恵比寿」に住んでから2週間。体験入居の期間が先日終了した。長いようで短かった2週間だが、いくつかソーシャルするためのコツ(のようなもの)が分かったのでご紹介しよう。

「ソーシャルアパートメント恵比寿」

帰ったらラウンジに直行

ラウンジでよくあったタナカさん。タカキの話し相手になっていただいた

 ソーシャルアパートメントは、やっぱり人と交わらなければただのアパートと同じだ。実はタカキも最初の頃は何となく自分の部屋が落ち着いていたので、部屋にこもった日もあった。疲れていると、そのままベッドで熟睡ということもある。

 ただ、会社→自室→会社→自室→(以下略)みたいな生活が定着してしまうとまったく住民と会わずに過ごしてしまう。そこで帰ったら自室ではなく、地下にあるラウンジに直行することにした(朝は元々遅いのでそもそもみんながいる時間に行けない)。

 ラウンジに直行するようになると、それなりに住民のみんなと話したりするようになる。最初は恥ずかしさもあって切り出しにくいけど、基本はあいさつ。「こんばんわ」でも「ただいま」でも何でもいい。話そうと思ってラウンジに行っている人が多いから、それだけで自己紹介が始まるはず。

 習慣づけるために、人がいてもいなくてもやっておこう(ちなみにタカキは1人暮らしの自宅に帰った今でも「ただいま」と言うようになった)。

ラウンジに行きやすいように無線LANも設置した。これでiPhoneも利用できるように

仕事は持ち帰らない

 意外と自宅で仕事をしてるんだなと実感した2週間でもあった。というのも、仕事に追われて帰りが遅くなったり、持ち帰って自室で仕事したりするケースが多かったからだ。

 だが、ソーシャルするにはこれもマイナス。仕事が気になるとイライラするし、会話にも集中できない。とうぜんコミュニケーションしにくくなる。「なるほど、家庭に仕事を持ち込まないようにしている人の気持ちってこういうことなんだ」と未婚者のタカキも実感できるほどだった。

 なので、仕事は早く終わらせるか、持ち帰っても「やらない」と割り切るか、いずれにせよ仕事を持ち込まないことが重要だ。

食事は作る

 物理的にコミュニケーションのスペースについたり、精神的にコミュニケーションできる余裕ができたりしたら、次は実践。先ほどのあいさつが入り口だとすると、食事はお互いに仲良くなるための大事なツールだ。ついつい忙しくて外食しがちだが、たまには自炊してみると話も広がったりする。

 食事の量はミニマムの1人分をベースに、プラスαで2人分ほど用意すれば問題ないはず。ラウンジにはいつも人がいるとは限らないから、最悪1人で食事になるかもしれない。その場合でも2人分ぐらいの余分ならタッパーにでも詰めて明日に回せばいい。もちろん、1人分をみんなでシェアするのもありだが、タカキは大食いなので物足りない感じがしたのは秘密だ。

 なお、筆者の場合は自分の好きなものを振る舞ったが、必ずしも自作である必要はない。コンビニのお総菜でもいいし、インスタント食品でもOKだろう。

最後の数日は毎晩自炊で住民を待ち構えた。どんなワナだと……

メーリングリストを作って、とりあえずメールする

 ラウンジにはノートが置いてあって、イベント情報などが書き込まれている。これはこれで便利だが、あくまでイベントの情報を読むもののように感じた。ノートに独り言を書き込んでいる――みたいなものを期待したが、そこまで打ち解けるには、まだもうちょっと時間がかかりそうだ。

 意外と活躍したのが、住民の有志が作ったメーリングリスト。生活全般に関わる内容が多いので、いつでも受信できる携帯電話メールアドレスを登録するのがオススメだ。ソーシャルアパートメント恵比寿は、オートロックなので鍵を持たずに外に出てしまい、アパートに入れなくなるケースもあるという。タカキの入居中はなかったが、こんな時にもメーリングリストが活躍しそうだ。

 実は簡単にメーリングリストを作れるサービスも存在する。このあたりの記事をご覧いただき、メーリングリストを活用してみてはいかがだろう。


 というわけで2週間におよぶ“ソーシャル生活”を終えた。まだ知らない人もいるが、10人近くの住民と直接会話できたのは楽しい経験だった。もちろんコミュニケーションが苦手な人もいるだろうから、すべての人にオススメできるわけではないが、これまでの友人や会社の同僚だけではできない人脈も作れそう。

 ドイツ台湾から来た外国人も生活していたし、日々の生活に飽きてしまった人にもいい刺激になるかもしれない――と感じた2週間だった。なお、引き続き誠 Biz.IDでは女性スタッフを派遣。男性のタカキとは異なる目線で“潜入取材”を続行する。こうご期待――。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ