大掃除のついでにできる――パフォーマンスの高い業務カイゼン研修に行ってこい!

今年も残すところあと1カ月。今回は大掃除のついでにでき、業績アップにつながる、業務改善の手順をご紹介します。

» 2009年12月01日 12時20分 公開
[原田由美子,Business Media 誠]

 今年も残すところあと1カ月。今年の目標達成できそうな人も、厳しそうな人も最後まで気を抜かずに、取り組みたいものですね。

 さて年末と言えば大掃除。オフィスの大掃除と言えば、なんと言っても書類整理です。今回は大掃除のついでにできる、業績アップ、業務改善につながる資料整理のポイントをご紹介します。

業務改善の手順、知ってる?

 まずは、業務改善の手順をおさらいしておきましょう。業務改善を図るときは、改善することにより仕事の効果や効率が上がること、コストパフォーマンスがよくなることが前提です。

 本来は、そうした業務がどの部分にあるのかを見極めるために、業務の洗い出しと分析、対策の検討、最も効果的なテーマに取り組むための優先順位を決めるプロセスがあります。しかし今回は、そのプロセスは省き、ある企業で取り組んだ業務改善研修で、実績をあげた取り組み例をご紹介します。

業績が上がった取り組みの着眼点とは?

 みなさんの職場に、紙の資料はないでしょうか? 会社案内、商品パンフレット、手続き書類など紙が使われた資料です。多くの場合は、オフィスの資料置き場や、キャビネットなどに無造作に積まれているはずです。

 ある会社ではその資料に着眼しました。その資料の利用頻度を計測し、よく使われる順に資料の種類ごとに並べ変えました。そうしたところ、3つの効果が表れたというのです。

  1. 資料を探す時間が短縮した
  2. 売れ筋商品や必要な情報を共有しやすくなった
  3. 売れない商品や不必要な情報を置くスペースが削減された

 それまでこの会社では、必要な資料が欲しい時に在庫切れになっていたり、必要かどうか分からない資料でスペースを取っていたりと、かなり無駄が多かったそうです。しかし、並べ替えを行っただけで、必要な資料が常にある状態が保て(発注しやすくなった)、売れている商品や有効な情報が一目で分かるようになったといいます。スペースにもゆとりができて、いいことづくめの効果が生まれたのです。社内でも喜ばれていたのですが、しばらくすると、お客様からのお問い合わせへのスピードや対応力がアップし、業績にも貢献しました。その時の改善ポイントを「改善提案書」にまとめましたので、参考にしてください。

photo 業務改善提案書の例

 このように、ちょっとした着眼点で業績にも周囲にも喜ばれる見直しは、あなたの身の回りにもあるのではないでしょうか?

 もし着眼点が見つかって、改善したいと思った時は、次のことに気をつけてください。それは、自分としては“良かろう”と思って実行しても、独断でやってしまうと喜ばれないことがあるからです。人によっては、今までのやり方がなじんでいて、なかなか新しいやり方を受け入れられないこともあります。

 個人の責任の範囲でできる業務改善であれば、特に周囲の了解を得る必要はありません。しかし、周囲にも影響がある業務改善には、上司への確認と、周囲の了解や協力依頼が欠かせないので留意しておきましょう。

 そうした方がいることも踏まえて、周囲にも関わる業務を見直す時には、次のようなステップで取り組んでください。

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 自分が考えたアイデアに、上司や周囲の考えも付加していくことで、周囲にとっても取り組む価値が生まれます。

 大掃除のついでに、誰でも簡単に取り組めて、周囲にも喜んでもらえる業務改善、チャレンジしてみてくださいね。


著者紹介:原田由美子(はらだ・ゆみこ)

 大手生命保険会社、人材育成コンサルティング会社の仕事を通じ、組織におけるリーダー育成力(中堅層 30代〜40代)が低下しているという問題意識から、2006年Six Stars Consultingを設立、代表取締役に就任。現在と将来のリーダーを育成するための、企業内研修の体系構築、プログラム開発から運営までを提供する。

 社名であるSix Starsは、仕事をする上での信条として、サービスの最高品質5つ星を越える=お客様の期待を越える仕事をし続けようとの想いから名付けた。リーダーを育成することで、組織力が強化され、好循環が生まれるような仕組みを含めた提案が評価されている。


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