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» 2011年03月17日 16時17分 公開

大震災で持ち歩くならKindleに決めた理由あなたの不安、見積もります

避難生活で書籍を読みたい時、持って行くならKindleに決めました。

[佐々木正悟,Business Media 誠]

 東北関東大震災以来、せっせとやっていることの1つが、自炊した書籍をKindleに詰め込んでそれを持ち歩くということです。

 「何が起こるか分からないから」といろいろな人がおっしゃいます。確かにその通りですが、よくよく考えてみると大震災以前から「何が起こるか分からなかった」のです。実際私が渋谷で大震災にあったときの状況を反省してみると、あの日「地震が起こるかもしれない」などとは1%も想像していませんでした。

 「何が起こるか分からない」場合に、自分が何を最も持っていたいのかというと、結局書籍です。マンガでもいいのですが、とにかく読むものです。

 私は子供のころとても病気がちでした。入院生活がとても長かった思い出があります。そのときいつも本を読んでいました。その後ずっと「自分は寝そべって本を読むことの多い人生だろう」と漠然と信じ込んでいました。

 父もいつも本を読んでいました。食事中でも病院でも旅先でも。妹も同じでした。私もいつかそうなっていました。家族ですごしている間、本を読まないのは母だけです。

 読書の原体験がこんなわけですから、本を読んでいれば落ち着いていられるのですが、問題は本というものが重いこと、かさばること。避難生活を読書で過ごすにも、そんなにたくさん持って行けないでしょう。でもKindleがあればどうにかなります。

 Kindleのいいところは、軽くてかさばらなくてなにより電力をほとんど必要としないところです。iPadに比べてもこれは大きなアドバンテージです。もちろんiPadに比べると読みにくいことはなはだしいですが、もともと不都合な状況と割り切れば、ある種の不便さは受け入れるしかありません。

 KindleはもちろんiPadなどとは違って暗くなると読めません。しかし、だからこそ一度の充電で十数日も使えます。通信にはほとんど期待できませんが、iPadではなくKindleを使っているということは、もともと通信に期待はしていないはずです。

 Kindleは、家族や実家のものに見せても評判がよくありません。「読みにくい」「字が小さい」「動作が遅い」――。それでも「何か読んでいたいとき」にはとても有用なツールだと思います。通信も電気もないところでiPadは本来の機能を十分には使えませんが、日光さえあればKindleは恐らく使えるのです。

筆者:佐々木正悟

 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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