コワーキングスペース「LEAGUE」は“新しい価値”を生み出せるかオランダに学べ(2/2 ページ)

» 2013年03月18日 16時30分 公開
[渡辺まりか,Business Media 誠]
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インターネット3.0時代の働き方

提供されるS2Mのオープンラウンジのイメージ
インターネット1.0から3.0への流れを説明するホフ氏

 S2Mのロナルド・ヴァン・デン・ホフCEOによると、インターネット1.0時代は情報の流れが一方通行だったが、ブログなどで、インターネットは2.0の時代に。現在はSNSでの活動が活発になり、誰もが平等なつながりを持てるようになった。その中で誰か1人だけが利益を得るわけではなく、ナレッジを共有することにより、フラットなバリューネットワークを築いている。「それがインターネット3.0時代だ」(ホフ氏)。

 「ナレッジを共有するフラットなバリューネットワーク」の中では、知識を提供できない人は排除されてしまうというのがホフ氏の考え。欧州でも、会社組織に属し、会社が提供した設備で働くのではなく、自分たちの設備を使って価値を創出するという働き方が定着しつつあるという。「近いうちに40〜45%の人がそのような働き方、すなわちコワーキングスタイルに移行するのではないか」

 こうした知識(ナレッジ)の共有は実際の場だけではなく、SNSといった仮想空間でももちろん可能だ。むしろ、物理的には知り得なかった人同士がSNSを通して知り合い、新しい違う分野のナレッジを共有し、新しいものを生み出すケースも出てきた。

 このような結び付きには金銭のやりとりが発生するわけではないが、根底にあるのは「信頼」であるとホフ氏は言う。インターネットでの結び付きは、信用があってはじめてナレッジの共有ができ、それにより新しい価値を生み出すことができるというわけだ。



 人は、価値があると思うから対価を支払う。すき間産業と呼ばれるようなニッチな商売が可能なのは、その価値に注目し、対価を支払う人がいるからだ。こうして対価を支払ってでも得たいと思わせる「価値」こそが経済を発展させていく原動力になるのは間違いない。

 ホフ氏の言う「インターネット3.0時代」にふさわしい価値を生み出すワークスタイルがLEAGUEで実践できるかどうか――。これからも注目だ。

LEAGUEの雰囲気は「図書館以上、カフェ以下」(UDSの中川氏)。静かすぎず、適度にざわつき、街に向かって開いている。キッチンも用意し、コミュニケーションを取りやすくなっているいう
LEAGUEの目指すもの

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