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» 2013年06月04日 11時00分 公開

世界で通用する人は、いつでも仕事が楽しそう世界で通用する人がいつもやっていること(2/2 ページ)

[中野信子,Business Media 誠]
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目指すは「仕事を楽しくする名人」!

『世界で活躍する脳科学者が教える! 世界で通用する人がいつもやっていること』(アスコム)

 Dさんは脳の画像を眺めることと、プレゼンテーションが大好きです。一方で、実験の細かい部分を詳細に詰めることや、主張の激しすぎる部下のあしらいはちょっと苦手なようでした。

 そこでDさんは、次のような行動をとっていました。まず、実験の詳細を詰める作業は、フランス人よりも詰める作業が得意だと思われている日本人やドイツ人になりきることでこなしていました。すると、ちょっと楽しい気分になったのか、細かいところを考える思考法まで身についてしまったようです。

 ちなみにDさんの場合は、家に和室や日本庭園を作っています。しかも奥さんはドイツ人の血をひく人。日本人やドイツ人になりきるためにそうしたのかは謎ですが、ここまで極めれば楽しいでしょうね! RPG(ロールプレイングゲーム)で主人公になりきったり、コスプレでアニメキャラになりきったりするのと同じようなものでしょうか。

 また、主張の激しい部下については、その部下の苦手なことを徹底的に洗い出しました。そして、部下が何か主張してきた際にはなるべく彼が苦手とする分野に話をずらします。このあたりはフランス人らしく(?)、困った部下の様子を見るのを楽しんでいたようです。

 人は困るとその状況から逃げようとします。Dさんの狙いは部下が逃げようとすることだったのです。

 何かお願いしたいことがあった場合には、部下はけっこう素直に言うことを聞いてくれたようです。またここで部下がDさんに反論でもしたら、再び苦手な話をされてしまうと思ったからでしょう。

 でも、こんないたずらっぽいことをDさんは楽しんでいたわけではありません。苦手な話を振られたときに人はどんな態度を示すのかも観察して、研究成果を発表するプレゼンの質疑応答での切り返し方の参考にしたのです。研究が好きなDさんは、研究に少しでも役に立ちそうなことは前向きに楽しみながら取り組みます。ここでもDさんは楽しみを見つけていたのですね。

 そう考えてみると、いつも仕事が楽しそうな人というのは「仕事を楽しくする名人」と言い換えることができそうです。

 あなたがもし「仕事や勉強がつまらない」と思ったら、「じゃあ自分にとって何が一番楽しいことなのだろう?」と考えてみましょう。本を読んだり映画を観たり、美味しい食事をするなど、自分が楽しいと思うことを何でもいいので探してみましょう。楽しいことが分かったら、嫌な仕事と結びつけるようにするのです。

「嫌」を「楽しい」に変えることは難しくない

 例えばゲームが大好きなら、嫌な事務作業を片付けるのをタイムトライアルだと考えてハイスコアを出すことに熱中してみてはどうでしょうか。どうすれば一番効率よく嫌な仕事をやっつけられるかの攻略法を編み出す中で、あっという間に片付くと思います。

 ドラマを観ることが大好きならこんな感じです。嫌な人と一緒に仕事をしなければならないとき「その人を悪役にしたドラマがあるとしたら、どんなストーリーになるだろうか?」などと想像を膨らませてみるのはどうでしょうか。悪役には悪役なりの存在価値があるということが見えてきたりして、なかなか味わい深いかもしれませんよ。 

 「楽しくない」を「楽しい」に変えることは特別に難しいことではありません。頭のいい人は簡単なことをわざわざ難しく考えたりしないのです。だって、楽しくないから!


(次回は、「周りの人たちを虜にする」について)

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