いつも忙しいと言っている人と、時間に余裕がある人の決定的な違いは、いざとなったときに同時に多くのことがこなせる力、すなわち「土壇場力」を持っているかどうかにあります。
本連載は、須藤由芙子著、書籍『17時までに結果を出す! 「残業絶対ゼロ」でも売れる私の営業法』(日本実業出版社刊)から一部抜粋、編集しています。
本書はタイトルどおり、「残業」を「絶対ゼロ」にしながらノルマも達成する「超効率的営業法」の本です。
「残業絶対ゼロ」にこだわるのには、理由があります。1秒も残業をしないと決めることで初めて、仕事のムダを極限まで省き、定時までに必ず成果を上げる「知恵」と「覚悟」が生まれるのです。仕事と育児を両立させた、超効率的ノウハウを初公開!
会議や雑用に邪魔されずに「訪問」時間を捻出するスケジューリング、短時間・高確率でアポがとれる「引き継ぎテレアポ」、多くの顧客へのフォローを一斉に行う「大量営業」の仕組み、クロージングをかけずに「受注」する技術、最短時間で大きな結果を出す「大物釣り」の方法……。
これらを駆使することで「残業絶対ゼロ」でも結果を出せるのです。
ダラダラ残業している現状を変えたい、家庭の事情などで残業をゼロにしたい、最低限の時間で圧倒的な結果を残したい……など、そんなあなたのための「超効率営業法」を、ぜひ本書で学んでください。
仕事の効率に関わる話がいくつか続いたところで、改めてどうすれば仕事の効率がよくなるのか考えてみましょう。
いつも忙しいと言っている人と、時間に余裕がある人の決定的な違いは、いざとなったときに同時に多くのことがこなせる力、すなわち「土壇場力」を持っているかどうかにあります。
1日24時間という時間は、誰にも平等に与えられています。そして個々の仕事のスピードも人によって多少の違いはあれど、決定的な差だとは言えません。
すると、差が出るのは「どれだけ複数の仕事を同時にこなせるのか」ということです。
例えば、仕事の効率がよい人は、訪問した企業から駅まで歩いている時間にテレアポをこなしたり、訪問時間のうちに営業日報とお礼メールを書き上げていたりします。
そのような複数の作業の処理能力が土壇場で活きるからこそ、私は「土壇場力」と呼んで重要視しているのです。
愛:そんな土壇場力を身につけるには、どうしたらいいのでしょうか?
須藤:じつは、前回お話しした「無茶振り」にヒントがあるんです。
土壇場力を身につける唯一の方法は、積極的に仕事を引き受けるということです。自分の担当以外の頼まれ仕事も引き受け、限られた時間の中で終わらせる習慣をつける。
もちろん、最初はキャパオーバーになる危険もありますし、それで残業をしてしまったら本末転倒です。ですから、先述した
の2つのポイントを意識して、少しずつ自分のキャパを広げていきましょう。
余談ですが、仕事のできる人に仕事が集まるというのは理にかなっています。そういう人には土壇場力があるのを自分も周囲も知っていて、だからどんどん仕事が集まり、それをこなすことでますます土壇場力に磨きがかかるのです。
土壇場力は、経験とともにアップするもの。少しずつでいいので、自分のキャパを広げてみてください。
(次回は、ストレスを抱え込むのが一番の時間のムダ、について)
→連載「「残業絶対ゼロ」でも売れる私の営業法」バックナンバーはこちら
須藤由芙子(すどう・ゆうこ)
株式会社セールスアップ代表取締役。
「現場」にこだわる営業コンサルタント。
1978年京都府生まれ。東京理科大学経営学部卒業後、会計士受験に7回失敗。失意の中、派遣社員として大手銀行に入行。人の10倍雑務をこなし「行員の試験を受けないか」と声がかかるまでに。その経験は、のちの「超効率的営業法」に活かされる。
結婚・出産を期に2年間専業主婦を経験したのち、有価証券報告書自動作成システムの開発・販売会社に入社。営業経験ゼロで働く時間も限られている中「残業絶対ゼロ」をうたう営業法を駆使し、新規開拓数ナンバー1。圧倒的な活動量で、売上アップに貢献した。
2011年、株式会社セールスアップを設立。
現在は、士業、大手コンサルティングファームなどの営業支援・営業代行に携わり、さらに電話営業のべ5000社、飛び込み営業のべ3000社の経験をもとに、営業向けセミナーの実施、教育プログラムの開発などを行っている。
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